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[79] 夢見る少女の童話物語。【短編集】
   
日時: 2012/08/24 19:10
名前: ID:fz5gSceY

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まずはごゆるりと紅茶を頂いてから、


―――――少女の夢の道をご一緒に辿りましょうか?







《 ア イ サ ツ 》
One push thanks !
初めまして、映と書いて-はゆる-と読めませんが読みます←←
昔ここで違う名前で書かせてもらってましたが、デデーン!と復活してみました!( ^o^ )
三日坊主で飽き性な野郎なんで更新率の高低が激しいのなんの、お許しくださいww
主に恋愛板メインで書いていますが、これからよろしくお願いします!! シッピツカイシビ@2012/8/19


《 コ ウ モ ク 》
Thankyou for reading my books !





メンテ

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Re: 夢見る少女の童話物語。【短編集】 ( No.1 )
   
日時: 2012/08/24 21:41
名前: ID:fz5gSceY



《 イ チ 。》



麗しの王妃のお母様、どうかお許しくださいませ。







とある豪邸のお城に住まう白雪姫は、とても退屈な日々を毎日繰り返し過ごしていた。
雪肌と呼ばれるほど病的に白い肌に真っ赤に染まる三日月の形の良い唇、漆黒に満ちて直毛な髪。
彼女は大人になるに連れ、華麗に育っていった。

「今日も宴がありますの、お父様」

ふくよかな身体をしておられる王であるお父様は、頭に象徴である王冠を乗せて、肯定するように笑う。
周りで忙しなく働く従者や使用人を横目に、彼女も宴に行きたいと思ってお父様に尋ねてみた。

「ダメだ」

その一点張りである頑固で威厳のあるお父様に何度も断られ、仕舞いには怒られてしまうという始末。
ふうと溜息を吐いて彼女は宴の見える自室へと悲しみに暮れながら向かっていった。
柔らかな感触のソファに腰を下ろして、楽しそうにグラスを片手に踊る芸者に、静かに飲んでいる人。
そんな大人たちを明日七歳になる彼女は羨ましく思いながら、「時間が邪魔だわ、余暇なんていらない」と呟いて額を窓にこつんとぶつけた。
すると、ノック音が二回。耳にした彼女はすかさず反応して扉へと向かい、開ける。
そこに居たのは正装をした男の人で、きっと何処かの国の王子でしょう。
とても容姿が良く、清潔感に溢れていた。

「あの、どちら様でしょうか……」

恐る恐る声に出して尋ねてみると、目尻を下げて優しく口端を上げて微笑む彼に胸が高鳴った。

「申し訳ございません、部屋を間違えたようです。失礼します、白雪姫」

そう言って彼女の額に触れる彼の手が熱く、胸の高鳴りを抑えようしている彼女はキュッと目を閉じている。
降って来たのは額に柔らかなもので、それが彼の唇だったなんて理解するのに彼女には時間が掛からなかったようだ。
最後まで笑みを絶やさずに彼女の部屋から去っていく彼の香りに酔わされながら彼を見つめる彼女は、最早時すでに遅し、彼に陶酔していた。




(( prince a point of view ))


「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」

太陽の日が入り込む城内の一室、目の前に掛けてある魔法の鏡に問いかける王妃を彼、王子は傍観していた。
偶然王妃の部屋の前を通りかかったところ、王妃に呼び止められて「面白いものを見せてあげましょう」と言われ、現在に至るようだ。
まるで私が一番この世で美しくて魔法の鏡もそう確実にそう答えるかの様にして、自信に満ちて問いかけていた。

「それは、白雪姫です」

口も無いのに鏡は答える、驚愕した王妃は目玉を落としてしまいそうなほど硬直していた。
「あぁ、昨夜の少女ですか」と彼が一人呟くと、瞬く間に顔を赤くして王妃の怒りは燃え出し、今まで聞いたことのないヒステリックな叫び声が響いた。

「……そんな!そんな!そんなそんなそんなそんな!!誰か……!あの子を殺められる者をお呼びして!!早く!早くうううう!!」

そんな悲痛な叫びを耳にして、群がって来る使用人と呼ばれる者たちは直ぐに手配をしている。
王妃の噂は耳にしていた、自分の美しさに陶酔し崩壊した女性だという噂を。
頭を抱えて喚く王妃に噂は誠かと彼は少々驚きもしたが、気違いで狂気染みたその発言にひっそりとニヒルな笑みを浮かべた彼も歪だった。
いや、最早この現状自体が歪なのかもしれない。
邪魔だと思ったのか彼は廊下に出て、王妃の部屋の前で佇み考えていたようだ。
手配されて呼ばれたのであろう猟師らしき男が城に入ってくるのが見えて、彼はそちらへ歩きだす。
猟師の腕を掴んで物影へ引き連れると、唐突に「脱げ」と言った彼の言葉に理解出来るはずのない猟師は眉を歪めた。

「金は私が倍払ってやろう、だからその姿を少し私に貸してくれないか」

妖しげな笑みで言う彼に断り切れず「本当か」と問いかける猟師も所詮は金銭、首を縦に振る彼に従い服を脱ぎ始めた。
ざわついている城内、露見する前に服の交換をした彼たちは別れて、猟師の格好の彼は王妃の部屋へ向かっていく。
目深に被った帽子をもう少し深く被って、未だ喚いているのか発狂しているらしい王妃の部屋へノックして部屋へと入る彼。

「……どうなさいましたか?」

片膝を付いて彼は問うと、「彼女……白雪姫を!早く殺して!!私より、美しいものなんて、子でも!認めないわ!!!」と返事ではなく痛烈な叫びを頂いた彼は「承ります」帽子の下で深く嘲笑う。
立ち上がる時に少し見えた王妃はだらしなく号泣して眉を歪め、苦しそうにもがいていた。
閉めた扉を背に喉を鳴らして嘲笑する彼は、一体何を考えているのやら、理解出来ない。
そうして白雪姫の部屋へ向かう彼は本当の猟師を拾い、赤の絨毯の敷かれた廊下を歩いていった。
ノック音を二度、昨夜と同じように鳴らして彼は彼女の部屋を開ける。
その音に返答する彼女の声は小鳥の囀りのように美しいものだった。





(( princess a point of view ))


「まあ、昨夜の方ね!どうなさったの?」

彼女が丁度暇を持て余していた時、彼女の溜息しか無かった静か過ぎる室内にノック音が響く。
ぴくんと耳がその音を拾い、余暇撃退の期待の思いを胸に持ちながら彼女は扉を開き、嬉しそうに満面の笑顔で声を上げた。
目の前に居るは王子の彼と猟師、不思議な組み合わせだが彼女は余暇撃退してくれるというなら最早何でも良く思ってるらしいような態度だった。

「私と一緒に森へ行きませんか、白雪姫」
「喜んで……!!」

用意を進める彼女の横で再び着替えて交代する彼と猟師。
出来るだけ早く森へと出かけた彼女たちを窓から鬼の様な怖ろしい形相で睨んでから、出掛けたことに安心したのか悪魔の様な笑みを漏らしていた王妃を彼女たちは知らない。
徐々に荒くなっていく森への道をザクザクと踏みしめる彼女は柔らかく笑っている。



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