ホームに戻る > スレッド一覧 > 記事閲覧
[388] 白亜の森
   
日時: 2019/08/15 23:08
名前: 仮死魔さん ID:0BPlhz2I

ここはどこでせうと小人が問うから

ここは森だよと僕は答える

森なら木があるはずだけど……、と戸惑う小人に

木はこれから生えるのさと笑う僕

木はこれから生えるのさ

種はとうの昔に蒔かれているのだから

木はこれから生えるのさ

これから蒔く種も僕のぽけっとに沢山あるから

ここはどこでせう

ここはどこでせう

ここは白亜の森

化石の生える、白亜の森


●   ●   ●   ●   ●

不定期更新、一言感想。

いままで書いた詩の中からいくつか取上げ、適当に感想をひとつ。

>>105    神々のため息
「神動画」とか「めっちゃ神」とかいう感想を見るとね。ついつい思ってしまう。お前の神は随分と容易いな、と。
いや、動画や曲自体は確かに凄いものが多いんだけどね。「神」とまで言われるとハードル上げすぎなのよね。「神動画」と宣伝されて期待度Maxで動画を見ると、なんつーかね、まあ、なんというか、最近は神様も庶民的になったというか(お前の神はその程度か、というか……)。
まあ、でも日本は多神教だしとか思いつつ、せめて自分だけでも容易く神様を増やさずにいようと心に誓う今日この頃。
メンテ

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 全部表示 スレッド一覧 新規スレッド作成

白亜の森 ( No.113 )
   
日時: 2019/05/08 03:53
名前: 仮死魔さん ID:kG7w83/s

   水底のサロメ


サロメは水底に沈んでいる
愛欲も、破壊も、絶望も
群青色の塊が鏡の様に覆いつくす

サロメは瞬きもせず
笑いもせず、媚びもせず
美しい裸体に碧い水を纏う

ああ、僕のサロメ
水底のサロメ

君の情熱が恐ろしくて
僕は君を水底に沈めた
君を水底に沈め
平常心を保とうとした

ヘラが怒りに満ちた顔で空高くから見下ろし
森は気の強いアルテミスが徘徊している
アフロディテは慈愛に満ちた顔で嫉妬に満ちている

そうするしかなかったのだ
そうするしか

けれどもサロメは
水底から手を伸ばし
決して媚びはせず
ただ、妖艶な瞳を奥底に湛える

ああ、僕のサロメ
水底のサロメ

思わず僕の手が水面を揺らす

ああ、僕のサロメ
水底のサロメ

触れた水の冷たさに
僕はふと、我に返る

ああ、僕のサロメ
水底のサロメ

決して誰にも知られてはならない
もし、誰かに君の事を知られた時
僕の首は君にあげよう
そして、血の気の無い僕の唇に
そっと、キスをしておくれ
メンテ
白亜の森 ( No.114 )
   
日時: 2019/06/15 01:15
名前: 仮死魔さん ID:n5EXuieY

   紅


ああ、終わっちゃうんだ
しんどいこともいっぱいあったけど、
楽しかったな
もう、最後なんだなあ

そんな気持ちの時
心の中は紅になる

紅色の人はどこか寂しい
遠くを見つめる目は優しくて
風景画の一部の様に、そこに佇んでいる

大好きだったテレビ番組の最終回
それが始った時の気持ちとも似ていて
長い間好きだった程
ああ、終わっちゃうんだという気持ちも強くて
紅の色はくっきりと、心に残る

紅の色が眩しすぎて
ああ、泣くのかな
とか、思うんだけど
これが意外と泣けないもので
涙は、紅が終わった頃
ふと、突然にこぼれだしたりするもので

今日も紅色の人が
たくさん、僕の前を通り過ぎる
今日だけじゃない
紅は、いつも、毎日、身の回りに溢れている

紅の人はどこか寂しい
でも、悲しいのではなくて
素敵な、煌いた目をしている

今日も素敵な紅を

そう心の中で呟いて
僕も、同じ紅色に染まる
メンテ
白亜の森 ( No.115 )
   
日時: 2019/07/16 03:21
名前: 仮死魔さん ID:paFYlb1w

   箱庭症候群


砂地を指でなぞり
両手ですくって、高く盛り上げ
家を置き、
ビルを置き、
人を置き、
人々の物語を創り
出来上がりつつある物語の中で、
上手くいかなかったものや
気に入らないものを
少しずつ修正していく

これは誰の物語
これは私の物語

ちょっと口出しをされようものなら
神様はすぐに拒絶する
だってこれは私の物語
あなたの意見なんて関係ない

なんて傲慢
なんて小さい人
みんな口々にそう言うものだから
神様はすぐに短気を起こして
意識を閉ざす

あたしはあなたに置かれた人形の一人
あたしはあなたに呼ばれたのだから
あなたに意見ぐらい言って、いいはずでしょ?
けれどもね、神様は言うの
「口答えしないで」って

これは誰の物語
これは私の物語

あたしは意味があってここにいるはずだから
思い切り叫んだの
ちがう、ここは、こうじゃないって

閉ざしたはずの意識の中で
思わぬ反論を受けた神様は
よっぽどあたしが気に入らなかったみたい

真っ二つに折られて
箱庭の中から放り出されたわ

これは誰の物語
これは私の物語

横を見ると
同じように放り出された人形たち
みんな、みんな
神様に放り出されながら
でも、せいせいとしている

あたしは少しでも
その箱庭を素敵にできればと思っていたけど
けれども、もう構わないわ、神様
あなたは、
言い訳はするけれど、反論も、疑うことも知らない
可哀相な人形たちに、
ずっと、好き勝手に話しかけていなさいな


これは誰の物語
これは私の物語

私……?
私って、誰かしら

これは誰の物語
これはあたしの物語!

あたしは、あたしがまだよくわからないけれど
後悔だけはしてないわ

さよなら、神様
あなたはそこでずっと遊んでなさいな!
メンテ
白亜の森 ( No.116 )
   
日時: 2019/08/06 02:16
名前: 仮死魔さん ID:somFQESs

   眠れぬ大人達へ


朝が来るたびに孤独が増えていく
人とは毎日すれ違っていくのに
ただ、靴底がすり減っていくばかり

化粧を覚えたてだったあの子が
いつの間にかママと呼ばれていた
もう気軽には呼べないね、と今日もビールが胸に沁みる

電車の中は疲れた顔の人ばかり
こんな大人にはならないと、笑っていたかつての私が
大きな顔をして扉の前を塞いでいる

昔の歌ばかり口ずさむ
所々うろ覚えで
1番と2番の歌詞が入り混じる
サビの部分で人とすれ違い
鼻歌で誤魔化す

ララバイ、ララバイ
最後に行き着くのは皆の知っている歌

ララバイ、ララバイ
少しの間でも、同じ記憶を過ごしたくて

ララバイ、ララバイ
いつかの歌に、聞き入り、黄昏
それぞれの孤独へと帰っていく


直ぐ会えるのは寂しい奴ばかり
寂しい奴ばかりのくせに
これでも忙しいんだと、みんな口では言いたがる

明日からお盆休みだってさ
実家に帰って、兄貴の子供達と遊んで
一人に戻るとき、ちょっと時間がかかるんだ

親は帰って来いとばかり言う
でも今更生き方は変えられないし
でも、出来るなら、帰って来いと言い続けて欲しい
(じゃないと寂しくて、本当に帰ってしまいそうになる)

星の見えない空の下
無性に歌が恋しくなる
がむしゃらにではなく
リズムなんて関係なく
心から染み出る歌を、ただ、ひっそりと

ララバイ、ララバイ
眠れない大人達にこの唄を

ララバイ、ララバイ
あなたも同じように孤独であってほしくて

ララバイ、ララバイ
優しい憂鬱に染まり、癒され
孤独の群れへと帰っていく
メンテ
白亜の森 ( No.117 )
   
日時: 2019/08/14 12:26
名前: 仮死魔さん ID:wOjcwros

   夜行バス


陽炎に揺れる河原
甲高いはしゃぎ声
少年たちの焼けた素肌

バスの中は
忘れられない記憶で溢れていて
寝息の1つも聞こえない

風のない海
好きな子と繋いだ手
半ズボンに沁みついた線香花火の匂い

バスの中は
小さな傷心に溢れていて
皆、ため息ばかり

うす暗闇の中の静寂に
センチメンタルばかりが募っていく

叫びだしたいだろうに
ひっそりと泣いていたいだろうに
大きな声で笑いたいだろうに

まるで、ドナドナの子牛のように
皆、ひっそりと息をひそめている

この静寂は
皆が作り上げているひとつの儀式
煌きを忘れらない旅人たちが
小さな祈りを捧げている

遠く、遠くへと
夜行バスは走っていく
メンテ

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 全部表示 スレッド一覧 新規スレッド作成

題名 スレッドをトップへソート
名前
パスワード (記事メンテ時に使用)
コメント

   クッキー保存