最初の幕その四 ( No.4 )
日時: 2013/06/24 11:27
名前: すらむ〈SRM〉 ID:049eQt4.

帰り道、俺と同じ家の方向は数えるぐらいでW斗とE太、そして同じクラスの今迄部活をしていた俺んちの近所の男子四人で帰る、これがいつも。
まあ、その近所の男子も地味にオカルトに興味があって俺らの話に乗っかってくる。社交性のオカルト好きのタイプだ、結構珍しい。
だが、今日はオカルトや都市伝説を離すほど俺らも図太いわけじゃない、あの出来事でどんよりとした空気が俺らの周りを漂ってる。
ソレに耐え切れなくなったのか、その男子がため息をついて話し出す。

「どうしたんだよ、三人とも。いつもより暗いぞ、なんかあったのか?」
「いや、ちょっとね…。あ、そうだ。A夜、さっきのアレ、なんだったの?」
「え?」

さっきのアレ…嗚呼、あれか。
男子も何々っと興味津々ですと言わんばかりの目で俺とE太を見てる。めんどくさいなぁ。
E太がさっきのこと…あ、『こっくりさん』をしてたとは言わないけど…俺がI良を驚いたまま見ていたことを話すと男子がくすっと笑った。
「お前、コレ…?」笑いながら携帯画面を見せる。その携帯画面には男同士が抱き合って…オイ、何見せんだよ。
つまりこいつは俺がゲイだって言いたいようだ。
…切れていいよな?俺は悪くないよな。うん、悪くない。

「んなわけないだろ!そんなんじゃないよ…アイツの質問した後の顔見てどっかで見たことあるなぁって思っただけだ!」
「え、どっかって…I良の安心したように微笑んだ顔?」
「…ああ、なんか…結構昔に見たような…。」
「でも、I良とA夜って双子じゃないんだろ?赤の他人なんだし…気のせいじゃね。」

そう、俺とあいつは双子じゃない。…はず。
なぜ『はず』かというとアイツは否定をしたことがない。この噂のことについて。
だからといって肯定したわけでもない。俺がただ一方的に違うと言っているだけが真実。
…でも深く思うと、俺の小さい時の記憶がなぜかないのかも引っかかっている。
あのフラッシュバックに写った幼い俺と俺にそっくりな『兄』と言われていた男の子。幼い俺がを兄と言っていた男の子は結局誰だったのか。
あの大きな屋敷みたいな家は確かI良の家。でも俺の家は普通の一軒家で父さん母さんは共働きで家にはほぼ俺一人状態。
…ますますわからん。もう考えるのはやめよう。
そして少し歩いていくと街灯もともりだし、十字路で俺らは俺と男子、W斗とE太で別れた。
あとはまっすぐ家に向かうだけ。すると男子が何かを聞きたいように俺に話しかけてきた。

「な、なあ。お前、噂話に詳しかったよな?」
「あ?…まあ、それなりには…。どうした、知りたい噂でもあるのか?」
「じ、実はさ、C美ちゃんに彼氏なんているのかな!?」

…あいかわらずのC美だなあ。
アイツの性格知らないのがなお哀れで仕方ない。アイツの性格知ってて好きなら別にとめやしないけど。
美人のアイツのことだ、居たらなお噂になってるだろ、と言うと彼は安心したかのように「俺にもチャンスが」とガッツポーズしていた。
駄目だこれ、重症すぎる。
俺んちが見えてきてそこで男子とは別れる。
カバンから鍵を取り出してガチャリ、とドアを開けてただいまと返事が返ってこないあいさつを済ませて二階へと上がり自分の部屋に入る。
カーテンをしめて、電気をつけると俺は倒れこむようにベットに寝転がる。
疲れた、いつもより。『あんなこと』が合ったから。
ご飯も喉に通る気がしなくて着替えないまま、俺は眠りに落ちて行った。
ふと目を覚ますとテレビがつけっぱだった。
時間を見ると夜中の2時。俺寝る前にテレビつけてたっけと思いつつテレビを消そうとした時だった。
急に臨時放送が入った。悲しげな音楽が流れ今日の犠牲者というタイトルが流れ、下からテロップが上に流れて行った。

『本日の犠牲者をお伝えします。踏切を渡った人、新しい携帯を買った人、授業をさぼった人、学校で居残りをしていた人。』

何処かで聞いたことがある。
都市伝説だが、夜、こういう風に今日死んだ人と明日死ぬ人を予告する臨時放送がある、と。
次に明日の犠牲者と言うタイトルが流れ、先ほどと同様、下からテロップが上へと流れていく。

『明日の犠牲者をお伝えします。学校に遅刻してしまった人、自転車で買い物に行った人、勉強を熱心にしている人、人の手紙、またはメールを覗いてしまった人。以上です、お休みなさい。』

そういい終わると、テレビは元の砂嵐に戻った。
だが俺はすぐにテレビを消すことができなかった。最後に行った人の手紙、またはメールを覗いてしまった人が頭の中で響いていた。
まさかな、そう思いながらも俺は着替えて再び眠りにつく。
漸く朝になり、朝ごはんのにおいが漂ってきたと同時にドアの閉まる音。両親が仕事に言った音だ。
ソレに目を覚まして俺は一回に下りると朝ごはんが準備されていた。あと弁当も。
俺はさっさと朝ごはんを平らげると身支度を済まして玄関へと急ぐ。
ドアを開けるとすでに男子が居た。

「おはよ。」
「…おはよ。」
「はは、今日も絶好調な不機嫌だな。W斗たちもう待ってるんじゃね?」

んなバカな。まだ6時半だぞおまえ。
今日は生憎の雨、ビニール傘を差しながら歩く。
水たまりに写る自分の姿が、なんともだらしなく見えた。
目の下にはいかにも『俺、夜更かししました。』と主張しているような隈に、ぼさぼさの髪。
俺はコレでも朝がくそ弱い。
よく寝てたとしても薄く眼の下に隈が残ってる。
いつもの十字路に行くと確かにW斗とE太が待ってた。お前ら早すぎるだろ。
「宿題で来た?」「もちろん。」「え、見せてくれ!」「500円で見せてあげる。」男子とE太の変わらない会話にW斗は声を出さずに笑い、俺は呆れながら笑った。



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