第一の噂 その四 ( No.10 )
日時: 2013/06/26 08:36
名前: すらむ〈SRM〉 ID:VDsQt8NE

どれくらいたっただろうか。
相変わらず時計はチク、タクと時を刻む音は響いていた。
テレビのノイズもパソコン画面にもいたって変化はなく、僕はそれだけですごく安堵した。
そして塩水を口に含もうとした時だった。
――――ギッ
…あれ、今何か音が…。
――――ギッ、ギッ
今 足 音 が 聞 コ エ ナ カ ッ タ カ ?
うそ、嘘だ。
なんで足音がするの?
だって今両親はいないし、メイドさんたちはこの近くに来てないはずだし。
足音に交じってポタ、ポタ、と水がしたたり落ちる音も聞こえる。
どんどんソレはこっちに向かってきているのがすぐに分かった。
嫌だ、来るな。
来るな、来るな、来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るなクルナクルナクルナクルナクルナクルナ…――
気が狂いそうになる。
と、とにかく塩水を口にむくまないと…っ。
……?
足音がやんだ、かな…?
僕はそっと扉を開く。きょろきょろと辺りを見渡して誰もいないのを確かめるとホッとした。
時間を見るともうすでに30分以上たっていた。
急いで風呂場まで行って人形に塩水をかけようとした、けどそこに人形はいなかった。

「…あ、れ…ぬいぐるみ…?あれ…何でないの…?」

そうか、きっとメイドさんが持って行っちゃったんだ、きっと。
僕はもうできないだろうと、塩水を捨てて部屋に戻った。
が、その部屋に入り口にはクマのぬいぐるみがあった。
どうして移動してるの?クマのぬいぐるみにはナイフが刺さっておらず、無造作に引き裂かれていた。
ナイフはどこに消えたの。
怖い、怖い怖い怖い。
部屋に慌てて逃げようとしたけど、部屋がなぜか開かない。

「なんで、なんで開かないの!?」

ガタガタガタとドアを無理に動かしても開かない。
僕が慌ててその場から逃げだした。でもすぐに転んでしまった。
その時に足をすりむいて、膝小僧がとても痛かった。
でも僕は立ち上がろうとした。その時。
――――ギッ、ギッ
…え?
――――ギッ、ギッ
ド ウ シ テ マ ダ 足 音 ガ 聞 コ エ ル ノ ?
――――ギッ、ギッ、ギッ
ド ウ シ テ 近 ヅ イ テ ル ノ?
嫌 だ
来ないで、来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで…―――
  来 な  い   で  !!、と大きな声を出した。
僕が頭を抱えてうずくまると、音が聞こえなくなった。
ドクン、ドクン、と自分の心臓がとんでもない音で高鳴ってるのが聞こえるだけ。
僕が顔を上げたとき、目の前にはあの子が居た。

「どう、して…。」

その子は、クマに突き刺したはずのナイフを持っていた。
僕はやっとの思いで言葉を出す。

「なんで、君がここに…――!?」

その子はにやりと笑ってこう言った。




「――――…みーつけた。」



『速報をお伝えします。先ほど、○○財閥の一人息子さん17歳が、自宅で殺害されているのが発見されました。』
『全身に刃物で刺された跡があり、例の○○学園での男子生徒殺害事件の男子ともクラスメイトであったことから警察は同じ容疑者の仕業だと判断し、調査を――…。』




――――あと、24人。





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