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[4993] 【2016年度】お題小説スレッド【お題「去る」作品投稿期間】
   
日時: 2016/01/12 23:57
名前: 企画運営委員 ID:7PNV346o



『お題小説スレッド』へようこそ。こちらはあるお題に沿って読みきり小説を書き、その作品をみんなで批評し合う場です。
 初心者も上級者も関係ありません。うまくなりたいとお思いの方であれば、だれでも自由に参加することができます。一生懸命執筆し、一生懸命批評して、小説の技術を高め合いましょう。
 皆様のご参加をお待ちしております。

――――――――――――――――――――

>>002 【ルール説明】:必ず熟読して下さい。(※内容、一言の箇所を訂正しました。ご確認ください)
>>003 【批評のポイント】:批評をする際のポイントをまとめたものです。
>>004 【イベントルール説明】:イベントに関するルールです。必ず熟読してください





▼お題:第32回のお題は「種」です。
 二月に種をまくのか? と思いましたが、調べてみるとじゃがいもは二月にまくそうですね。……さらに調べてみると一年中、なにかしらの種をまいてるみたいです。
 そんなことは置いといて。「種」というお題には「たね」以外にも色々な解釈があると思います。みなさんがどのような作品を投稿してくるのか、楽しみにしております。
※第30回の作品投稿期間は2月1日(土)からです


▼お題:第33回のお題は「姫」です。
 三月なので(笑)
 というのはよくわかりませんが(ひなまつりだから?)「ひめ」というのは可愛らしい語感ですよね。私は緑の黒髪をした和服姿が思い浮かびます。桃色が似合いますよね。桃色……やはりひなまつりでしょうか。それでは、みなさんの作品お待ちしております。
 
※第31回の作品投稿期間は3月1日(土)からです


▼お題:第34回のお題は「嘘」です。
 嘘でした。


▼お題:最終回のお題は「魔法」です。
 奮ってご参加ください。


▼お題:第36回のお題は「友情」です。
 ネタでした。


▼お題:第37回のお題は「音」です。
 奮ってご参加ください。



▼日程(第32回)

1月1日       :お題発表
2月1日〜15日   :作品投稿期間
2月16日〜28日  :批評提出期間


▼日程(第33回) 

2月1日     :お題発表
3月1日〜1月15日 :作品投稿期間
3月16日〜30日 :批評提出期間


▼日程(第35回) 

6月1日     :お題発表
6月1日〜7月31日 :作品投稿期間
8月1日〜   :批評提出期間



▼注意もしくは削除対象となるお書きこみ
・荒らし
・荒らしへの反応
・自分や他人の小説の宣伝
・雑談、チャット化
・ルールに反するもの
・管理人が不適切と判断したもの

――――――――――――――――――――

>目次 >>001


>第32回 お題『種』参加作品(敬称略)

>>404 sakana:シロハの辻褄
>>405 伊達サクット:赤い種、青い種

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▼リンク
小説講座/雑談所』(お礼や言い訳等はこちらへ)
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ツイッター』(朔乱のアカウントです。お題の告知などをしています)

管理人:If 空人 朔乱  補佐:伊達サクット
メンテ

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時守人:第二章一話 ( No.34 )
   
日時: 2011/10/10 19:46
名前: If◆TeVp8.soUc ID:bTS/adwA

 これは絶対、百年は遡った。もしかすると数百年かもしれない。とにかく記録更新は確実だろう。喜ぶべきこと、なのだけれども。
「うっぷ……」
 見事に酔った。喉元までせり上がってきたものを、すんでのところでどうにか胃に戻す。ああ、だめだ、まだ吐きそう。何回やってもあの奇妙な空間には慣れない。時の狭間なんて洒落た名前がついているけれど、あれは地獄そのものだ。訳の分からない音ががんがん鳴っているし、空気はどんより重くて息が苦しいし、何より真っ逆さまに落ちていくようなあの感覚がひどい。臓器が全部もぎ取られたみたいな、いや、それからさらにかき回されたみたいな、とりあえず気持ち悪いなんてレベルじゃない。死ぬ。その前に吐く。
「お嬢さん、平気?」
 誰かの声が、すぐ傍でした。ここは一体どこ、というより、何年? 聞きたいけれども、声は出てこない。口を開いたら、先に他のものが飛び出してきそうだ。予感は正しかった。青々とした瑞々しい草々の上に、女の子が絶対に人前でぶちまけてはいけないものをぶちまけてしまう。吐瀉物というやつだ。それはもう豪快に、ざばーっと。
「あちゃー」
 よく聞けば、殿方の声だ。本当、あちゃーだ。いっそすがすがしいなと思うと同時、身体が勝手に傾いた。このままじゃ吐瀉物まみれになってしまう。身体を捻ろうとしたが少しも動かない。目が眩んできたそのとき、誰かの腕に優しく受け止められた。
 意識を失う寸前、小さな布袋が揺れるのを見た。故郷の村に伝わるお守り。遠いところで、懐かしいなと思った。

 ◇

「ときもりびと?」
「そうです。時守人」
「さあ、聞いたことないな」
「じゃあ、この時代にはまだ誰も来てないんだわ」
「へー」
 目が覚めたら、木陰に寝かされていた。隣にいたのはちょうど同い年くらいの男の人で、名はラッセというらしい。控えめだがまとまった顔はなかなかのもので、私はさっき目の前で吐いてしまったことを猛烈に後悔していた。恋の見込みがなくなっても、相手は恩人だ、もちろんちゃんと礼は言った。ついでに身の上話をしてみたが、信じてもらえなかったらしい。一応愛想笑いらしきものはしているが、目は口ほどになんとやら、「頭は大丈夫か」と聞いている。
「まあ、質問には答えとくよ。一、今年はセルテェン暦一〇一二年。二、ここはオリタル王国テーム町付近。三、おれはただの――」
「一〇一二年? すっごい、三百二十九年も遡った!」
 話の途中だったが、思わず歓声を上げてしまった。これまでの最高記録は八十一年。つまり、一度に二百四十八年も記録を更新したのだ。我ながらすごい。これでかなり始まりの者に近づいた。小躍りしたい気分だ。少しばかり残っていた吐き気も吹き飛ぶ。
「お喜びのところ悪いんだけどさ、あんたが聞いたんじゃないの?」
 呆れ顔だ。ばつが悪くなって、頭を掻く。
「あ、ごめんごめん、舞い上がっちゃって。構わず続けてください」
「はいはい。三、おれはただの旅人。四、どこかで聞いた気がする」
「聞いたことある? ほんとに? どこで?」
「どこで聞いたんだっけなあ」
 言葉とは反して思い出す努力は一切見せず、ラッセは立ち上がった。
「レーレアって名前だけなら知ってる。何をしたのかは知らないし、どんなやつなのかも知らないけど。どこかで通りがかりに聞いたのかもしれないし、たまたま何かの本で名前を見つけたのかもしれない。要するにそいつについて知りたいんなら、他を当たれってことさ。あんたもう平気? おれ、日暮れまでに町まで行きたいんだけど」
 ラッセは言うだけ言うと、返事を待たずさっさと歩き出してしまった。慌てて腕をつかみ取る。
「待って待って。ようやく見つけた手がかりなのよ。もっとよく思い出してみて。私、その人を見つけるために時間遡上してるの」
「さっきも聞いた」
「うん。必死なの。お願い」
「って言われてもなあ。思い出せないものは思い出せないし」
「そこをなんとか」
「それこそあんたが言う魔法使ってみたら? 数年遡って、おれを見つけてずっとつけてればいい」
「そういうことはできないから頼んでるのよ」
 時間遡上の魔法は、行き先の時代を指定することはできない。面倒そうな顔をして、ラッセはため息を落とした。
「ついてきたいなら好きにすればいいよ。おれはおれのやりたいようにしてるから」
「町に行くんでしょ? 私も情報収集したいから、一緒に行く」
「はいはい」
 気のない応答が返ってきたが、気にしないことにして、先に歩き始めたラッセの背中を追いかけた。

 ◇

 始まりの者、レーレア。時間遡上の魔法は、ずっと昔、彼女が――性別は分かっていないが、名前からしてきっと女性だ――編み出したらしいが、どんな歴史書をあたってみても彼女に関する記述はない。おそらく、生涯の全てをその魔法の研究に捧げたのだろう。しかし、彼女は自らが生み出した魔法の孕む危険をよく理解していた。彼女は研究を封印、そのため近年まで遡上魔法の存在は知られていなかった。だが、封印とて魔法、いつかは解ける。運が悪いことに、彼女の研究文書を最初に見つけたのは、魔法にも通じている歴史学者だった。聡明な彼がその危険性を理解していなかったことはなかろう。だが、歴史の真偽を確かめたいという強い知的好奇心に突き動かされて、彼は遡上魔法の存在を公にし、最初の会得者、そして行使者となった。以来、その魔法はすっかり皆の知るところとなり、多くの会得者と行使者を生んでしまった。過去へ行った彼らは、知らずか故意か、世界の行く末を変えてしまう。誰もが時の破壊者となりうるのだ。そしてセルテェン暦一七三一年、ついに世界は崩壊した。持つべきものを失い、持たないはずのものを手に入れた世界は、本来あるべき姿を見失ったのだ。
 壊れた世界を、元に戻そうと立ち上がった者たち、それが時守人。時守人の目的は、時を遡り、始まりの者レーレアを見つけ出して、彼女に研究を放棄させること。そして世界に平穏を取り戻すこと。
「だから、レーレアに関する情報はどんな些細なものでもほしいの。思い出したら、お願い、教えて」
 さっきよりも熱をこめて数倍丁寧に説明したのに、ラッセは私に一瞥をくれることすらしなかった。大きな欠伸を零して、返してきたのは上の空の「はいはい」
「私、一生懸命説明したんだけど」
「あんたが勝手に話し始めただけだろ」
「ちょっとくらい耳傾けてくれたっていいじゃない」
「おれはおれのやりたいようにしてるからって、言った気がするけど?」
「そーでしたねー」
 確かに言っていたが。ふう、と息をつく。せっかく見つけた手がかりだが、仕方がない。これ以上やっていても埒が明かない。前方に、町らしきものが見えてきた。あそこに行けばたくさん人がいるのだろう。
「じゃあ、私は先に行くわ。助けてくれたのと、案内、ありがとうございました。また、どこかで会えれば」
 急に別れを告げても、やっぱり返事は、抑揚のない「はいはい」だった。

 ◇

「待て」
 町の門をくぐろうとしたら、物々しい格好をした男たちに呼び止められた。鎧に兜、手には武器。衛兵なのだろう。門もよく見ればずいぶんといかめしい。厳戒体制だ。
「おまえはどこから何の目的でこの町へ来た」
「はい?」
 厳しい顔と声で問われて、思わず首を傾げた。
「まずは通行証を見せろ」
「は?」
 どうして町へ入るのに通行証がいるの。言おうと開いた口を、後ろから誰かに塞がれた。
「すいません、こいつ、おれの連れです。通行証ならここに」
 ラッセの声だった。衛兵は差し出された紙を端々まで眺めて、ひとつ、頷く。
「確かに。だが、おまえ一人の通行しか許可されていないぞ」
「なら、これで」
 まだ口を塞がれていて、自由に顔を動かせない。耳の横から視界に入ってきたラッセの指は、銀貨を一枚挟んでいた。
「銀貨一枚か」
「じゃ、もう一枚」
 手品のように、銀貨が二枚に増える。衛兵はそれをじっと見た後、無表情で頷いた。
「よかろう。おい、門を開けろ」
 なおも口を塞がれたまま、私はラッセに開かれた門の向こうへ引っ張っていかれた。

 ◇

「ありがとう」
 自由になってからすぐに、私は頭を下げた。
「どーいたしまして」
 どうでもいいとでも言いたげな口調だ。意識して、気にしないようにする。
「そう言えば、一〇一二年って、戦時中だったわね。相手はトレム帝国だったかしら? だからこんなに厳しいんだ?」
「数年前から戦況が悪化して、通行証がないとどこにも行けなくなった。あんたたちの時代にはこの戦争も終わってるんだな。ま、三百年以上も後から来たなら当然か」
「別の戦争が勃発したりしてるけどね。それで……お金、どうしよう。三百年後のものなら少し持ってるんだけど」
「いいよ銀貨二枚くらい。じゃ、おれはこれで」
 予想していたから、行ってしまう前に腕をつかんで止める。ぎこちなく振り返ったラッセの顔は、戸惑っているように見えた。
「なに?」
「お礼。さっきのもそうだし、気を失ったときも助けてくれた。何かお礼させて。私、魔法なら自信あるわ。何か壊れたもの直してほしいとか、あと欲しいものあったら作れるかも」
 素っ気ないふりをしているけど、ラッセは優しい。一回目は私を助けた上に目が覚めるまで傍にいてくれたし、二回目も放っておけばいいのにお金を払ってまで門番から救ってくれた。なんだかんだで、普通の人が聞いたら当然嘘にしか聞こえないような話を信じてくれてもいるらしい。いい人だ。
「いいって」
「いいから」
「再生魔法も製造魔法も、おれ、使えるし」
「え、あなたも魔法使うの?」
「ちょっとかじってる」
「かじってるくらいじゃ、再生魔法も製造魔法も会得できないわよ……」
 考えてみれば、町まで移動魔法で移動した私に、ラッセは息を切らさず追いついて見せた。彼も移動魔法を使ったのだろう。
「ま、そういうわけで」
「待ってってば」
 離すものかと逃げかけた腕を両腕で抱きしめるようにしてつかみ直す。ラッセは困りきった顔をして、それから息をついた。
「そしたら、ひとつ、頼みがある」
「なに?」
 しばらく視線をさまよわせながら悩んで、冷たい顔を作った。
「これ以上おれに話しかけるな、以上」
 強い力で、腕は振りほどかれる。
「は? あ、ちょっと、待ってよ!」

 ◇

 町中を駆け回って、宿街でようやくラッセの姿を見つけたとき、日は暮れかけていた。
「やっと見つけた。魔法使ってまで逃げるなんて。かじってるだけとかやっぱり大嘘じゃない。高等魔法ばっかり使っちゃって。おかげで苦労したわ。疲れた」
 撒いたと思ったのにと言ってから、ラッセはまたどうしたらいいか途方にくれるような顔をした。
「話しかけるなって言ったけど?」
 冷たい言葉だけど、冷たくなりきれてない。そうすることに躊躇うような部分があって、私は肩を竦めた。
「気になってたんだけど、あなた、どうして旅なんてしてるの?」
「は?」
「あなたの故郷、ノマ村でしょ」
「なんで知って?」
「一回目に助けてもらったときに見えたの。あなたの剣の鞘についてる布袋。ほら、私も同じの持ってる。ノマ村だけに伝わるお守りらしいわね」
 大事にポケットに入れていたお守りを取り出して、見せる。旅立つときに妹が作って渡してくれたものだ。よく握り締めるせいで少し形が崩れて汚れていたが、私の宝物だ。ラッセは渋々確認してから、顔を上げた。
「だから?」
「家族は? 友達は? 会いたくならないの?」
「なんでそんなこと聞くんだよ」
 答えることに、一瞬迷う。でも。またお守りを握り締めた。意を決して、顔を上げた。大丈夫、もう泣かずに話せる。
「時間遡上の魔法はね、時間を遡ることはできても、戻ることはできないの。私はもう二度と故郷にも帰れないし、家族にも友達にも会えない。だから」
 少しばかり、気まずい沈黙があった。ラッセが身じろいで、ようやく言う。
「……へえ」
「あんまり親不孝してないで、たまには故郷にも帰んなさいよ」
「あんたに言われる筋合いはない」
「まあ、そうなんだけど」
「それで?」
 口調が、ちょっとだけ、しかし確かに柔らかくなった。
「ん?」
「なんか用があっておれを探してたんじゃないの?」
 きょとんとする。特に用なんてなかったことを思い出した。
「ううん、別に。なんか逃げられると追いたくなるの。そういうもんでしょ?」
「なんだそれ」
 そう言って、ラッセは、初めて笑った。

 ◇

 翌日、宿から出てきたラッセに笑顔で手を振って見せると、なんとも言えない変な顔をされた。
「いつまでつきまとうつもりだよ」
「昨日の晩ね、色んな人あたってみたんだけど、何か知ってそうなのは結局あなたしかいなかったのよ。思い出してくれるまでつきまとうことにするわ」
「迷惑なんだけど?」
 つれない言葉は変わらなかったが、いくらか拒絶の響きは薄れていた。
「そう言わずに。だってこの時代で初めて会ったのがあなたで、あなたは何か知ってそうで、それから同郷出身だなんて何か運命じみたものを感じるじゃない」
「つき合わされるこっちの身にもなってくれ」
「ごめんごめん」
 言うだけ無駄だと観念したのか、歩き出したラッセを追っても、ため息をついたきり何も言わなかった。
「あんたの魔法ってさ」
 しばらく歩いてから、唐突に切り出されて、驚く。ラッセから何かを話しかけてくるなんて初めてだ。
「どの魔法?」
「時間遡上の魔法? 行き先指定はできない?」
「どうして?」
「行きたい時代があるんだけど」
 少しむっとして応じる。
「あなた、私の話聞いてた? 歴史を変えることは」
「変えたいわけじゃない。知りたいことというか、思い出したいことがあるんだ」
 妙に思いつめたような顔が引っ掛かって、喉元まで出てきた厳しい言葉は引っ込んだ。新しい言葉を探す。
「……破壊者になってしまう者たちも、最初は皆そう言うの。それで、いつに行きたいの?」
「十五年前」
「十五年前? あなたもう生まれてるんじゃ」
「思い出したいことって言ったろ。おれ、十五歳以下に見える?」
「見えないわよ」
「十五年前――」
 深刻な顔で話し始めかけたラッセを、慌てて止める。
「待って。言っておくけど、時間遡上の魔法は行き先指定はできない」
 緊張していた顔が、緩んで、それから落胆に変わった。
「先に言えよ」
「でも、あなた、思い出したいことって言ったわよね? あなたの目の前で昔起こったことを確認したいだけなら、ひとつ、方法がある。はっきりといつのことか覚えてるならね」
「どんな?」
 魔法のことならどんと来い。伊達に時守人はやってない。
「過去共有の魔法っていうのが、一三一三年に完成されたの。過去に目の前で起きた出来事を映像として再生することができる。それを使えば」
 いつの間にか、ラッセには緊張が戻っていた。喉元が上下する。
「あんたが言ってた『お礼』っての、まだ有効?」
「もちろん」
「なら、頼みがあるんだけど」
 よし来た。笑む。
「任せといて。十五年前のいつ?」
「春の月五十六日、夕刻」
「おっけー!」
 答えたときには既に、私は過去共有の魔法陣を広げていた。それからここが大通りのど真ん中であったのに気付くが、細かいことは気にしちゃいけない。しばらく通行の邪魔をしますがあしからず。
 魔法陣から溢れ出る光は、周囲の景色を残らず飲み込んで、新しい景色を生み出した。

 ◇

「昔も今――というか未来も、そんなに変わらないのね」
 過去共有の魔法は、過去を現在に呼び起こすだけだから、時の狭間は通らなくていい。楽なものだ。目の前に広がったのは、懐かしい山間の小村。山の緑がぼんやり橙に霞んで、夕暮れ時は特に綺麗だ。田舎なのは昔からのようで、でも、それはそれなりに情緒がある。父と、母と、妹と、友達と。みんなの顔が眼裏を駆けていった。ポケットの中のお守りを、また握る。本当に、懐かしい。
 世界が揺れる。ラッセの記憶を共有しているのだ、過去に彼が見たものそのままが再現されている。今は走っているのだろう。視界が低い。十五年前ということは、まだ十にはなっていない頃の年だろう。五歳くらいかもしれない。
 小さな木造の建物が近づいてきた。家だろう。走って、走って、その前までたどり着くと、「ただいま!」と言いながら背伸びをして――ちょっと視線が上がったから、たぶんそうだ――小さいラッセは扉を開けて、中に入る。
「かわいい声ねー」
「うるさい。頼むからちょっと黙っててくれ」
 横目で見たラッセの顔は、本格的に緊張していた。これから何が起こるというのか。家の中では若くて優しそうな両親が待っていた。いたって平和な――いや、十五年前といえば九九七年だ。ならば、トレム帝国との戦争は既に始まっていたはずだ。ノマ村は、ちょうどトレム帝国との国境付近にある。そして、確か……トレム帝国との戦に破れたオリタル王国は、ノマ村を含む国の北東の一部の領土を賠償として明け渡すはず。それから二百年後に再び起こった戦争に勝って取り戻すまで、ノマ村はトレム帝国の支配下に――いや、待てよ、戦争が終わるのは一〇一九年だ、これは関係ない。一〇〇〇年ごろまではオリタル王国が優勢だった。それでも普通の民家であろうラッセの家に長槍やら斧やらの武器が平然と鎮座しているのは、きっと戦争の影響なのだろう。
 父親が帰ってきたラッセを笑顔で抱え上げようとした、そのときだった。母親がさっき夕食を並べたばかりのテーブルの上に、突如、浮かび上がった魔法陣。私はラッセと一緒に息を呑む。中央の基本陣に東西南北の副陣を組み合わせたあの複雑な魔法陣は、紛れもなく時間遡上の魔法陣。
 音がした。落ちた食器が割れて、美味しそうな食事が床にばら撒かれて、テーブルの木が割かれる音が。魔法陣の光が消えて、中から現れたひとりの青年の姿に、私はまた、息を呑む。
「デュッセル」
 同時代出身で、同郷出身の時守人だった。昔から何でもできた彼は、私よりはるかに優秀な時守人になって――だから、私が三百年以上遡っても、追いつけないくらい先へ遡っていた。
「て、敵襲か?」
 ラッセの父親は、急いで武器のところに駆け寄り、長槍を手に取った。母親がラッセを背中に庇いながら、金切り声を上げる。
「ま、待ってください。僕は、ただ」
 そう。デュッセルはトレム帝国の兵士でも、悪人でもない。私が知る限り、誠実で、優秀で、真面目な時守人だ。ただ、時間遡上の魔法は時代と同じく出現する場所も選べない。だから、そう、運が悪かっただけ。悪意なんてない。
「す、すみません。人の家の中に出現するなんて。ごめんなさい。お願いです、武器を、お願いです」
 予想外の出来事に焦ったのは、ラッセの一家だけではなくて、デュッセルもだった。冷静なら、魔法で眠ってもらうなり、すぐに移動するなり、彼ならなんだってできた。でも、運が悪すぎた。ラッセの父親は、悲しいかな、勇敢だった。妻と息子を守るために、真っ先に侵入者に挑んでいった。武器を手にして、デュッセルを殺す気で。
 時守人は、自己防衛のための戦闘訓練を受けている。その分野においても、デュッセルは優秀だった。彼自身が冷静を欠いていても、身に染みついた訓練は、勝手に彼の身体を動かす。反射的に放たれた氷の刃の魔法は、過たず、ラッセの父親の腹を刺し貫いた。
「あ……あ……」
 浴びた返り血に、ますますデュッセルは自分を失った。
「あの、あの……生きてますか……」
 返事はない。父親は事切れていた。その事実がさらに彼を苛む。
「あなた! あなたっ! ひ、人殺し! 人殺し!」
 母親が、父親に駆け寄り、泣き叫ぶ。
「お願いです……静かに……お願い……」
 デュッセルがゆらゆら、母親に近づく。母親の声はそのたび大きくなる。
「お願いします……静かに」
 口を塞ごうと、デュッセルが持ち上げた手を振り払って、母親は手にしていた包丁を振り上げた。
「こ、来ないで!」
「違うんです……僕は、僕は……僕はただ、レーレアという女性を……」
「来ないでえ!」
 二度目も、やはり、彼の身体は勝手に反応した。呼び出した無数の蔓は、母親の身体をあっけなく絡めとり、締め上げた。彼女が動かなくなるまで、ずっと。
「あ……違う……違うんだ……なんで、なんでこんな」
 デュッセルはうわ言のように言う。小さいラッセは、泣くことも、喚くこともしないで、じっと両親の仇を見ていた。細かく揺れる世界が、彼が震えていることを示している。ゆっくりゆっくり歩いて、母親の取り落とした包丁を持ち上げた。
「あああ」
 それは、とても小さな男の子の声だった。
「ああああああああっ!」
 絶叫しながら、デュッセルに駆けていく。でも、小さい子供の身長では、デュッセルの大腿に届くのがやっとだった。力も足りない。包丁はほんの少しだけ、デュッセルの足を傷つけただけだった。しかし、デュッセルは、痛みで我に返った。目の前の惨状を見、返り血に染まった自分の姿を見、そして小さいラッセを見て。
「僕は……僕は、なんてことを」
「ああああ! あああああああっ!」
 小さいラッセはずっと、言葉にならない何かを叫び続けている。視界が曇って、それで彼が泣いているのが分かる。デュッセルも、泣いていた。泣き続けながら、贖罪の言葉を、口にした。
「ごめん。ごめんなさい……ごめんなさい……」
 その瞬間床に浮かび上がった魔法陣に、背筋が冷える。駄目。止めようと延ばした手は、無論、映像だけの彼には届かない。
「償います」
 デュッセルが使ったのは、自分を跡形なく消し去る、完全自爆の魔法だった。

 ◇

 テーム町の景色と喧騒が戻ってくる。何を言ったらいいのか。ラッセを見た。青ざめた顔。目が合う。
「なんで、あんたが泣いてるんだよ」
 おかしいなと思っていた。過去共有の魔法が終わっても、視界が曇ったままだったので。泣いていたのは、小さなラッセではなくて、私のほうだったらしい。
「ごめんなさい。あなたの方が辛いのに」
「おれはさ」
 ラッセは、泣いても、怒ってもいなかった。信じられないくらい穏やかな声音で言う。
「両親はずっと……おれが殺したと思ってたんだ。あの日のこと、綺麗に忘れてて。村人たちも、あの光景見たら、おれがやったって思ったんだろうな。追い出されたよ。殺されなかっただけましだけど。それが旅の理由。行くところがないだけなんだ」
「ごめんなさい」
 謝ることしかできなかった。そうする以外、どうしたらいいのか、分からなかった。
「なんであんたが謝る?」
「何も知らないで、たまには帰れなんて言った。それに……あの時守人、私の知り合いなの。友達だった。ごめんなさい」
 やっぱり、ラッセは穏やかに答える。
「友達だからって、あんたが謝る必要はないだろ」
「でも」
「正直言って、どんな事情があろうと、あんたの友達のことは許せない。だけど、死んじまったもの、今さら恨んだってどうにもできない。おれは、あんたのお陰で自分がやったんじゃなかったって知れた。感謝こそすれ、恨んだりしないよ」
 こんなときでも、ラッセは優しかった。
「だけど」
「昨日から、あんたしつこい」
「だって……」
 少しの沈黙のあと、ラッセは何かを思いついたらしく、私の前へ回ってきた。正面から泣き顔を見られる。恥ずかしくなって、顔を俯けた。
「なら、頼みがあるんだけど」
「なに?」
「時間遡上の魔法、教えてくれ」
 信じられない言葉を聞いた。
「え? どうして?」
「さっきも言った。行くところがない。やることもない。だったらおれも、あんたの言うレーレアってやつ、探してみようと思って」
「いや、でも」
「元はといえば、そいつのせいなんだろ。そいつが変な魔法作らなければ、あんたの友達がおれの両親を殺すこともなかった」
 正論。だから、反論はできない。
「そうかもしれないけど」
「はい、決まり」
「え、いや……あっ、そう、時間遡上の魔法ってすごく難易度高いの。魔法かじってるだけの人にはちょっと」
 どうにか諦めてもらおうと頭を捻ったが、相手の方が一枚上手だった。
「移動魔法でおれに追いつけないあんたでも使えるんだろ?」
「すっごい嫌な言いかたね。仮にも教えてもらうんだから」
 言ってしまってから、「教える」と宣言してしまったことに気付く。もう遅い。
「よろしくお願いします。えーと、何先生?」
「名前?」
「そう」
 女に二言はない。観念して、答えた。
「アンヌ」
「よろしく、アンヌ先生」
 そうしてラッセは、二度目に笑った。それで私は三度目に救われる。涙はもう、止まっていた。

 それからラッセはたった三日で時間遡上の魔法を会得してみせ、私を驚かせたのは、また別の話。
メンテ
時と光と ( No.35 )
   
日時: 2011/10/10 23:03
名前: 伊達サクット ID:0Ri04pik

 光の速さで移動する宇宙船が発明された。人類は技術の発展に歓喜した。
 その翌年、人類に更なる吉報がもたらされる。
 70年前に地球から、まだ見ぬ宇宙の隣人へ向けて飛ばした光電波。何と、そのメッセージが答えとなって帰ってきたのだ。これにより、地球の他にも文明を持つ星が宇宙に存在していたことが証明された。遥か宇宙の彼方から飛んできた電波信号を解読すると、こういった内容であった。

『初めましてストテラ。我々はあなたたちの星から光の速さで20年の距離に位置するストテラ星のエフバン人でストテラ。我々は宇宙で孤独な存在かと不安でしたが、遥か遠くに同じ宇宙の仲間がいると知って感無量ストテラ。地球という星は美しいそうですが、我々のストテラ星も負けずと美しいストテラ。現在我々は地球に飛び立つほどの科学力は持ち合わせていませんが、いつか出会う日を楽しみにしているでストテラ。ごきげんよう。ストテラ』

 その5年後、光速宇宙船でストテラ星へ飛び立つことが決まった。片道20年、往復40年、選りすぐりの宇宙飛行士たちは自分の人生を犠牲にし、地球人類の期待を載せて遥か宇宙へと旅立った。
 航海が始まり10年後、光速宇宙船に他の宇宙船がコンタクトをとってきた。初め乗組員はエフバン人とばったり出会ったのかと思ったが、接触してみると船から出てきたのは人間だった。しかも、彼らの代表者というのが祖国の政府の高級官僚であった。彼は松沢と名乗り、宇宙服越しに光速宇宙船の船長に事の次第を話し始めた。
「実は、君たちが宇宙を進んでいる10年の間に我々人類は空間を瞬間移動する方法を発見してしまったのだ。そのため20光年離れたストテラ星にも1日で行けるようになってしまった。技術の進歩の速さが光の速さを超えてしまったのだ。そして、既に我々はエフバン人との交流を始めている。君たちにとっては本当に残念な結果だが、この旅はここで終わりとなる。しかし、君たちは祖国に戻れば英雄だ。当然10年分の補償も国がする。さあ、我々と地球へ戻ろう」
 しかし、その話を聞いた船長はじめ乗組員は驚きもせず平然としていた。そして船長がゆっくりと口を開いた。
「そのことは知っていました」
「な、なんだって、そんなはずないじゃないか」
「いえ、未来の我々から聞かされたんです」
「未来?」
「はい、未来の私たちがタイムマシンに乗ってやってきたのです。10年前に。宇宙へ飛び立つ直前でした。そして我々に警告したのです。彼らは20年後の未来からやってきたと言いました。そして我々に、10年後にはワープの技術が実用化されてこの計画は頓挫すると伝えたのです。この光速宇宙船がストテラ星に着いた少し後に、ストテラ星でタイムマシンが発明されたとのことでした。そして、2つの星の友好の証として、地球のワープ技術、ストテラ星のタイムマシンの技術が交換されたのです」
「なんかややこしい話だな。それならそうと、なぜこんな不毛な旅にでたのかね?」
「誰も信じないでしょう。それに、我々はこの船に誇りを持っております。船乗りとしての。もちろん、この航海に自分の時間を犠牲にできないという乗組員は全員この計画から外しました、この船にいるのは全員志願者です。我々は是非この旅を成功させたいのです」
 松沢はしばらく考えていたが、決意が固いことを見取って彼らの意志を尊重することにした。
「分かった、宇宙局にはそう伝えておこう。必ず成功させろ、全員生きて帰ってこい」
 松沢が船長の肩をしっかりとつかんだ。互いに礼を交わした後、船長が思い出したように言った。
「松沢さん、話によると実は、地球製タイムマシンの初の乗組員って私たちなんですって。松沢さんが任命してくらたらしいですよ」
「馬鹿な、何で私にそんな権限があるんだ」
「科学省を引退した後、パイプのある宇宙局へ天下りするんですよ。そのおかげで我々は未来の自分達と会えたのです。感謝してます」
「我々の未来のためにも、軽率な発言は控えたまえ」
 松沢は苦笑して踵を返した。

(終)
メンテ
ヘッドフォン・マリー ( No.36 )
   
日時: 2011/10/10 23:59
名前: アリス ID:6W2YXxJU


「何なの、部屋に呼び出して」
「実は見せたいものが」
「だが断る」
「まだ見せてねーよ」
「え、指輪じゃないの?」
「ねーよ」
「早とちりしちゃった恥ずかしい」
「その恥ずかしがり方がまずねーよ」
「ウルセー」
「で、本題だけど」
「だが断る」
「何なの君」
「こんな質素な、男一人の下宿の部屋で見せられるものなんてロクなものじゃないわ」
「まあごもっともだけど」
「ばいばい」
「待て待て。質素なのは認めるけど帰るのは認めてない」
「何よ、早く本題に入ってよ」
「いや君だからね、本題に入るのを妨げたの」
「指輪だったら高級レストランの方が雰囲気あるわよ」
「だから違うって。見てくれ」
「なにこれ。ヘッドフォン?」
「そう。だがところがどっこい、実はこれ、ヘッドフォン型のタイムマシンなのさ」
「へえ。どうやって操作するの?」
「教えてもいいけど、別の時代に吹っ飛ぶよ」
「私、ジョン・レノンに会ってみたいわ」
「まあできなくはない」
「でも、時を超えるのって怖いイメージが」
「うん。失敗したら、二度と戻ってこれないぜ」
「なにこのポンコツ。リスクがでかすぎるわよゴミめ」
「ひでーよ」
「そうだ、野口英世も」
「お前のギャグがひでーよ」
「で、なんでこんなの私に見せてきたの?」
「君、ウェルズの『タイムマシン』読んでただろう。こういうのに興味があるのかなって」
「ねーよ」
「ねーのかよ」
「最近名作を読み漁るのにはまってて」
「なんだ、拍子抜け」
「で、タイムマシンを私に見せた理由はそれだけ?」
「それが違うんだ」
「早く言ってね。この後、教育テレビで『THE相対性理論と量子力学』を見なきゃいけないのよ」
「しっかり興味あるじゃねーか」
「教養よ教養。で、ほかの理由は?」
「実はね、君、将来僕と結婚するみたいだぜ」
「へー」
「うん」
「は?」
「ひ?」
「ふ?」
「へ?」
「ほんとうに?」
「昨日試しに未来に飛んでみたんだ。そしたら、僕と君、女の子を連れて公園を歩いてた」
「親戚の子かもしれないわよ」
「君にそっくりな子だったけど」
「実は七十歳年下の姪がいてね」
「何歳だよ君。それ、もはや曾孫だろ」
「私たち二人が歩いてた近くにたまたま私に似てる女の子がいただけかも」
「君の事、ママって呼んでたぞ」
「それ、私じゃないかもよ」
「ヘッドフォンしてた」
「えっ?」
「これを付けてたんだ」
「……」
「だから、今日は、これを君にあげようと思って」
「いいの? 大切なタイムマシンなんでしょう」
「いいんだよ別に。それに、未来の君、結構似合ってたしねヘッドフォン」
「……なによ。結局、これが指輪ってことになるじゃないの」
「まだわからないよ。あれはあくまで未来だから、変わるかもしれないぜ」
「変わってほしい?」
「さあどうだか。なるようになる」
「そうね」
「だけど、君にヘッドフォンを預けとく」
「どうして?」
「そこは、ご想像にお任せするよ」
「……変わってほしくないってことでしょ、それって」
「えっ?」
「なんでもない。わかったわ。預かる。大切にしてあげるわよ」
「よろしく」
「……」
「なんだその、不満足そうな顔」
「これからもよろしく、でしょ」




メンテ
Re: お題小説スレッド【第7回:作品投稿期間】 ( No.37 )
   
日時: 2011/10/15 20:02
名前: 企画運営委員 ID:/.dt6UGk

作品のご投稿お疲れ様でした。
 11日(火)〜31日(月)は批評期間です。作品をご提出なされた方は必ず全作品の批評を行ってください。批評だけのご参加もお待ちしております。


第7回『時間』:参加作品 >>32-36(敬称略)

>>32 空人:タイムパラドクスとミドルネームの関係性についての考察
>>33 sakana:境に佇む彼は
>>34 If:時守人:第二章一話
>>35 伊達サクット:時と光と
>>36 アリス:ヘッドフォン・マリー
メンテ
Re: お題小説スレッド【第7回:作品投稿期間】 ( No.38 )
   
日時: 2011/10/16 04:51
名前: If◆TeVp8.soUc ID:69.bh3MY

眠気に負けて間違えて雑談所に投稿しちゃったのは内緒の話。ということで、こんにちは!
学校ってなんでこんな疲れるんでしょうか! 毎日同じ時間に起きるとか無理すぎる。
学校には遅刻してもお題の締め切りに遅れるわけにはいかないので、時間があるうちに投下します。私にしては珍しく余裕な時期。いつもこうでありたい。いや、無理ですが^q^
私が一番乗りとか雪降るかもね、って言おうとしたんですが、そろそろ雪降ってもおかしくない時期ですね。昼夜の気温の差が激しいので、みなさんお風邪など召されませんよう。
前置き長くなっちゃった。では、批評の方に。批評というか感想です。


>>32 空人さん:タイムパラドクスとミドルネームの関係性についての考察
文章が、また読みやすくなっていますね。この上達速度は本当に羨ましい限りです。すごく努力されてるんだろうなあ。
ところどころ笑えて、楽しかったです。長いミドルネームは特に笑いました。そして直美さんかわいいです。本当に空人さんの女性キャラは毎度魅力的。
ただ、今回はお話の方が……ちょっと物足りなかったかなと思います。発想で押し切ってしまったような印象を受けました。だからこそ会話などで工夫を凝らしていらっしゃったんだと思いますし、それはもちろんとても良かったのですが、それでももう一歩何かがほしかったかなあと。(ご本人もチャットで仰ってましたが)
せっかくいい発想だったので、それを活かせるようなストーリー、話の展開があればもっと良かったかなあ。あと、終わりにも、もうちょっと何かあればよかったかもしれません。これから先が気になって気になって、そっちに注意が流れちゃう。短編とはいってもやっぱり物語ですから、終わりってインパクト欲しくなるんです。わがままです。私もできてません^q^
会話主体の話で読者を楽しませるのは、とても難しいと思います。「動」がほしかった。このタイプのお話では難しいとは思うんですが。
SF難しいですよね。私も挑戦してみればよかったかな。タイトルがいつもの空人さんらしくなくて、どんなお話なんだろうって興味を惹かれました。

>>33 sakanaさん:境に佇む彼は
いつもとはちょっと違うお話ですね。漂う雰囲気は一緒でいつものsakanaさんらしいんですけど、形式が違う。こういうチャレンジャーなところはすばらしいと思います。読んでみても、新鮮な感じがして、面白かったです。
個性豊かな登場人物たちの語りが小気味よくて楽しかったです。ついこっちまで微笑みたくなる。門番の心情は何も書かれてないんですけど、なんとなく話を聞けるうれしさと言うかそういう感情を共有しているような気分になります。
少し思ったのは、いつもより時間がなかったのでしょうか。sakanaさんのお話で物足りなさを感じることはそんなにないんですけど、今回はちょっと、特に最後急いでるなあと思ってしまいました。
旅人の話があって、それから町が滅びてしまうまでの間がかなり飛んでるように感じました。それまでがじっくりじっくり進んでいたので、それもその部分を際立ててしまった原因のひとつかもしれません。
門番に関してもう少し情報が欲しかったのも、もうひとつ。門番に何も語らせないところはすばらしかったので、語り手たちにあと少しだけ門番に関して喋らせてほしかったかなあ。
ラストの悲しさは強烈で、すごく印象的でした。最後の一文が特にすごい。心に響きます。

>>34 If:時守人:第二章一話
とりあえずタイトルが。夜通し書いてもう疲れてしまって、適当度が半端ない。言い訳しましたが、今考え直してみてもロクなものが思いつきません。これはなんてタイトルをつければよかったのかな。
薄味ですね、中身も。色々突っ込みすぎて失敗した感。いつかこれは長編で書きたいと思います。もっとしっかり練り直してから。
短編ってどうやればいいのかなあ。試行錯誤を繰り返していますが、中々上手くいきません。今回もちょっと新しい試みでした。始めから短編の中で収めきることを放棄して書いたので。でも、上手くいかなかった^q^
手厳しい批評をいただければ、と思います。

>>35 伊達サクットさん:時と光と
「ストテラ」とか展開とか、端的な文章と話の流れとか、全体的にサクットさんらしいお話だなあという印象です。
これだけ短いのに、ドラマチックでびっくりしました。光速宇宙船の乗組員たちの男気がかっこいいです。
たぶん好みの話になってしまうと思うんですが、さきほど「端的」と書かせていただいた文章のことで少し。
必要不可欠な情報はきちんと書かれていますし、一文一文が短くて率直な文はリズムよく読めるのですが、個人的には、ちょっと物足りないかなあと思います。
かなり登場人物と距離をとった三人称で書かれているので、その中で心理描写しろって要求するのは酷かもしれないですけど、読みたかったです。これもわがまま。
この場合は松沢さんに寄って書くのがいいのかなあ……誰かに移入して読みたかったなと思います。移入できないと、どうしても物語との距離を感じてしまうので。
ですが、絶対にそうしなくてはならないというのではなくて、やっぱりこれは私の好みの問題だと思います。神視点の物語だって存在しますし。

>>36 アリスさん:ヘッドフォン・マリー
いつも本当にアリスさんのタイトルはセンス抜群で羨ましすぎます。どこから出てくるんですかその発想は!
一回目のお題と一緒で会話文だけのお話になっていましたが、どうしてこうも面白いのかなあ。ちょいちょい横道にそれるのもいいです。はひふへほんとうに、とかリズムもいいし。
最後もとても微笑ましくて、良かったです。ただ、私はやっぱり地の文も書いてほしかったなあと思ってしまいます。というのは、物足りない。もっと読みたいと思っちゃう。
例えば男の人が未来の女の子を見つけた瞬間とか、そのときの気持ちとか、あとはプロポーズまがいのことをされて女の人側はどう思ったのかとか……今のままでもすごく想像させてくれるし、それがこの形式の物語の魅力だとも思うんですけど、アリスさんの文章でそういうのが読みたいと思うんです。(時間がなかったのは知ってるので、無理な要求ですが)
ただ、もともと会話形式で書こうって決められてから書かれてたのも知っています。最初から会話形式として見るなら、かなり完成度の高い物語であることは間違いない。さすがです。
しばらくアリスさんの物語が読めないと思うと寂しいです。また春、戻ってこられるのを楽しみにしています。大変かと思いますが、がんばってください。



面白かったですが、今回は前回と比べるとちょっとみなさんお急ぎモードかなという印象でした。もちろん私も含めて。
みんなお忙しいのかな。参加者数も控えめですね。月一ですから参加しましょうぜ! 短編なのでお手軽ですよ!
では、勧誘もしたことですし、今回はこれにて! 参加者と管理の皆さんお疲れ様です。作品と批評を読んでくださった方、ありがとうございました!
メンテ

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