ホームに戻る > スレッド一覧 > 記事閲覧
[4993] 【2016年度】お題小説スレッド【お題「去る」作品投稿期間】
   
日時: 2016/01/12 23:57
名前: 企画運営委員 ID:7PNV346o



『お題小説スレッド』へようこそ。こちらはあるお題に沿って読みきり小説を書き、その作品をみんなで批評し合う場です。
 初心者も上級者も関係ありません。うまくなりたいとお思いの方であれば、だれでも自由に参加することができます。一生懸命執筆し、一生懸命批評して、小説の技術を高め合いましょう。
 皆様のご参加をお待ちしております。

――――――――――――――――――――

>>002 【ルール説明】:必ず熟読して下さい。(※内容、一言の箇所を訂正しました。ご確認ください)
>>003 【批評のポイント】:批評をする際のポイントをまとめたものです。
>>004 【イベントルール説明】:イベントに関するルールです。必ず熟読してください





▼お題:第32回のお題は「種」です。
 二月に種をまくのか? と思いましたが、調べてみるとじゃがいもは二月にまくそうですね。……さらに調べてみると一年中、なにかしらの種をまいてるみたいです。
 そんなことは置いといて。「種」というお題には「たね」以外にも色々な解釈があると思います。みなさんがどのような作品を投稿してくるのか、楽しみにしております。
※第30回の作品投稿期間は2月1日(土)からです


▼お題:第33回のお題は「姫」です。
 三月なので(笑)
 というのはよくわかりませんが(ひなまつりだから?)「ひめ」というのは可愛らしい語感ですよね。私は緑の黒髪をした和服姿が思い浮かびます。桃色が似合いますよね。桃色……やはりひなまつりでしょうか。それでは、みなさんの作品お待ちしております。
 
※第31回の作品投稿期間は3月1日(土)からです


▼お題:第34回のお題は「嘘」です。
 嘘でした。


▼お題:最終回のお題は「魔法」です。
 奮ってご参加ください。


▼お題:第36回のお題は「友情」です。
 ネタでした。


▼お題:第37回のお題は「音」です。
 奮ってご参加ください。



▼日程(第32回)

1月1日       :お題発表
2月1日〜15日   :作品投稿期間
2月16日〜28日  :批評提出期間


▼日程(第33回) 

2月1日     :お題発表
3月1日〜1月15日 :作品投稿期間
3月16日〜30日 :批評提出期間


▼日程(第35回) 

6月1日     :お題発表
6月1日〜7月31日 :作品投稿期間
8月1日〜   :批評提出期間



▼注意もしくは削除対象となるお書きこみ
・荒らし
・荒らしへの反応
・自分や他人の小説の宣伝
・雑談、チャット化
・ルールに反するもの
・管理人が不適切と判断したもの

――――――――――――――――――――

>目次 >>001


>第32回 お題『種』参加作品(敬称略)

>>404 sakana:シロハの辻褄
>>405 伊達サクット:赤い種、青い種

================================================================================

▼リンク
小説講座/雑談所』(お礼や言い訳等はこちらへ)
旧お題小説スレッド』(前スレはこちらから)
ツイッター』(朔乱のアカウントです。お題の告知などをしています)

管理人:If 空人 朔乱  補佐:伊達サクット
メンテ

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 全部表示 スレッド一覧 新規スレッド作成

サザン・スノーマン ( No.396 )
   
日時: 2013/12/31 16:54
名前: オレンジ ID:jxYjFHzc

 とある北国。
 この国で一番大きな雪山には、伝説の雪男が住んでいた。
 いつものように、雪男が住処の洞窟で寝ていると、知り合いの山師・イワノフが訪ねてきた。
「雪男さん、しばらくぶりです」
 洞窟に入ってきたイワノフは、コートや帽子、顎に蓄えた髭にかかった雪を払い落とす。
「ああ、イワノフさん。また麻雀ですか?」
 時々、ふもとの村で麻雀の面子が足りないときに雪男が呼ばれることがあった。そういう場合は、大抵雪山を歩き慣れているイワノフが呼びに来た。
 普段村人達は、金を賭けて麻雀をやるのだが、雪男は金を持っていない。そのため、雪男が入る場合は、負けた者がギャグを披露する健康麻雀になっていた。
「いや、今日は違うんです。あなたに会いたいって人が遠くからやってきまして。今、洞窟の入口のところで待ってもらっているんですが、入ってもらってもいいですかね?」
「どうぞどうぞ。外は寒いですから、早く入って下さい」
 雪男は気さくに笑って答えた。
「すみません」
 イワノフは入口の方へ戻っていき、すぐに一人の男を連れてきた。コートに身を包んだ若い男であった。雪山の寒さが辛いらしく、身を縮こませている。雪男には若干不憫な姿に映った。
「お初にお目にかかります。私はパパイヤと申します。遥か南の国からやってきた騎士です」
「初めまして。雪男です」
 パパイヤと名乗る男は丁寧に頭を下げたので、雪男も丁寧に礼を返した。
「あなたが、伝説の雪男さんなのですか?」
 パパイヤが探りを入れるような態度で、おそるおそる語りかけた。   
「伝説かどうかは知りませんが、一応雪男やっとります。一体、どういった御用向きで来られたんですか?」
 雪男は特にパパイヤに警戒もせず、あっけらかんとして尋ねた。
「実は、我が国の姫君が、一度雪を見たいと言っておりまして」
 パパイヤが重々しい口調で切り出した。
「ほう。雪ですか」
「私に命令が下りました。姫様に雪を持ってきて差し上げろ、と」
「それは大変ですね」
「はい。それで私は南の国を旅立ち、雪を手に入れるため、この極寒の北国まで来たのですが。いかんせん雪を持って帰る方法がない」
「まあ、持ち帰る間に溶けるでしょうね」
 雪男が言った。
「雪を持ってこいだなんて。おたくの国の姫様は、あまり頭が良くないんですかね?」
 イワノフが洞窟の地面にあぐらをかき、呆れた様子で言った。
「そう言われると返す言葉もありません。しかし、使命を果たせないと、私の首が切られます」
 パパイヤが悲壮に暮れて、洞窟に腰を下ろす。
「首が!?」
 イワノフが驚愕して目を見開いた。
「そんな下らない使命など捨てて、逃げたらどうです?」
 イワノフは呆れた表情を更に強くして、パパイヤを諭した。
「いやあ、イワノフさん。それは難しいと思いますよ。だって雪を持ってこいだなんて無茶な命令で首を切るってぐらいですから、もし逃げたりしたら、国に住むパパイヤさんの家族がどうなるか」
 雪男はイワノフに横目を流す。雪男の発言は図星だったようだ。パパイヤは肩を落としてうなだれる。
「私は途方にくれました。そんなとき、ふもとの村で雪男の伝説を聞いて、あなたなら何かいい知恵があるのではと思い。藁をもすがる思いでお訪ねしました。何かいい方法はないでしょうか?」
 パパイヤの懇願に対し、雪男はしばし無言で考え込んだ。雪を溶かさず遥かなる南国へ運ぶ方法。ないわけではなかった。
「……私の腹の中は、常に氷のように冷たいんです」
「えっ?」
 顔を上げたパパイヤに、雪男は更に説明を続けた。
「なので、私がここで雪を食べまくって、腹の中で常に冷やしながら南国まで行けば、できないことはないと思います」
「そ、それでは」
「しかし、絶対ではありません。実は、私はこの北国を離れたことがない。ましてや南国までの旅。雪を腹に入れたまま、そこまでの旅ができるかどうかです。問題は」
「まずいんじゃないですか? 南国までは半年はかかる距離ですよ」
 イワノフが険しい顔つきを作った。
「お願いします。成功した暁には多くの褒美がでることでしょう。どうか、私と南国へ向かって頂けないでしょか?」
 パパイヤが必死になって頭を下げた。
「しかし、厳しいんじゃないですかねえ」
 イワノフが大きなため息をつくと、寒さで真っ白に染まった吐息が薄暗い洞窟の空間に立ちこめ、すぐに霧散した。
 雪男は洞窟に座り込んだまま、しばし考えた。考えた末に、口を開いた。
「分かりました。やりましょう」
「雪男さん! ありがとうございます、ありがとうございます!」
 パパイヤは涙を流しながら喜んだ。
「まあまあ、頭を上げて下さい。これからが大変なんですから」
 雪男は笑顔を浮かべながら、パパイヤの肩を叩き、固い握手を交わした。

 そして、雪男と騎士の旅は始まった。
 雪男は、雪国の雪を一杯腹の中に詰め込んで旅立った。
 その旅路は壮絶の一言だった。
 詳しい道中のエピソードは『南国騎士冒険譚第四集』に収録されている『王国騎士と雪男の爆笑! 大陸縦断珍道中!』の章に詳しいのでここでは割愛するが、涙あり笑いありのエピソード多々あり。
 雪男とパパイヤの絆は深まっていった。
 南国への旅は、予想されていた半年を大幅に上回る時間がかかった。
 なぜなら、大陸の北側に当たる序盤の旅は、気温が低いこともありハイペースで歩を進めることができたが、気温が高い南部に差しかかるにつれて、雪男の体調が崩れ始めたからだ。
 雪山で生きることが前提の、真っ白な毛皮に覆われ、分厚い皮膚を誇る雪男の体格。それは、暑い地方では雪男の体力をごっそりと奪うものだったのである。
 パパイヤの故郷である南国に差しかかる頃には、雪男はすっかり熱病にうなされ、国境付近の宿場町で身動きが取れなくなった。
 そのため、南国から大勢の応援の兵士達が駆けつけた。男衆の腕力をもって、荷車で息絶え絶えの雪男を搬送したのである。
「早く……早く……私の腹の中の雪が、間もなく溶けようとしてます」
 荷車で顔を真っ赤にした雪男が、うわ言のように呟いていた。
「雪男さん。申し訳ありません。私の勝手なお願いで、こんな目に合わせてしまって」
「いいんですよ。この使命を果たせなかったら、あなたの首が飛ぶのでしょう……」
「雪男さん……」
 苦悶の表情に織り交ざった、雪男の穏やかな笑顔を見た。騎士は落涙を禁じ得なかった。



 長い旅路の末に辿りついた南国には、信じられないような光景が広がっていた。
 なんと、国一面が白一色の銀世界に包まれいたのである。
 パパイヤや、雪男を運んできた兵士達は目の前の現実が信じられなかった。
 学者の話によると、何十年かに一度の大雪とのことだった。文献にも、四十六年前にこの国で雪が降った記録があるらしい。
「雪男さんは元気になったけど……我々は何のために……」
 パパイヤは酷く落胆した。
 とりあえず雪男を町の宿に滞在させ、数年ぶりに登城したのだが、姫は雪を見ることができて満足しているらしく、パパイヤに命じた任務そのものを忘れてしまっているとのことだった。



「申し訳ありません! 雪男さん! せっかくここまで来てもらったのに」
 宿へ戻ったパパイヤは、雪男に事の次第を報告し、土下座して詫びた。
「いやいや、いいんですよ。こんなことは予測できませんから。結果的に、使命を果たせも同然じゃないですか」
 雪男は、彼と初めて出会ったときのような気さくな笑顔を浮かべ、パパイヤを慰めた。
 そんなところへ、兵士達が宿へなだれ込んできた。
「なんだお前達は!」
 パパイヤが驚いて尋ねる。兵士達はみんな必死そうな権幕だった。
「姫様が、雪男を檻で飼うと仰っている! 来てもらうぞ雪男!」
 兵士達が槍を一斉に雪男へと向けた。
「馬鹿な! 雪男さんは我が国の客人だぞ! 槍をしまえ!」
 パパイヤは声を張り上げて兵士達を一喝したが、彼らは聞く耳を持たない。
「パパイヤ様。申し訳ありませんが、姫様の命令なんです。雪男を庇われるようでしたら、あなたといえども容赦できません」
 パパイヤは一切の躊躇なく鞘から剣を抜き、兵士達と対峙した。
「パパイヤ様……」
 兵士達が苦虫を噛み潰したような表情でパパイヤを見据える。
「そういうことだ。この国の騎士として、はるばるお越し願った客人を檻に入れることなどどうしてできよう」
 自分の行動が何を意味するかはよく分かっていた。王族に反する反逆。この国においては最高の重罪である。
 自身の処刑は言うまでもない。王国の騎士団長として名を馳せる父、更には何の罪もない母や兄弟達にもどんな厳しい処罰が待っているか分からない。
 だが、我が身可愛さ故に、誠意を尽くしてここまで同行してくれた雪男を引き渡したらどうなるか。彼を口先で騙してここまで連れてきたのと同じことになってしまう。
 家族も、事情を知れば、騎士道精神に照らし合わせてパパイヤの行動が決して恥ずべきことではなかったということを、きっと理解してくれるはずだ。
 一人の騎士と兵士達は狭い宿屋の中で激しく睨みを利かせながら対峙する。そんな光景を見て、雪男がのっそりと動き始めた。
 黙ったままパパイヤの前を通り過ぎ兵士達のところへ向かおうとしているのだ。
 雪男の意図を瞬時に悟ったパパイヤは、手を出して雪男を制した。
「駄目だ! そんな理不尽があっちゃいけない!」
 そのとき雪男は、一瞬だけ、いつも旅先でパパイヤに見せたような、あの全てを抱擁するような穏やかな笑顔を浮かべた。
 そして、その表情はすぐに怒りに満ち溢れた皺に刻まれ、凶暴な目つきに豹変した。
「ウウオオオオオ!」
 牙を剥いた大口から発せられた咆哮は、まさに血に飢えた野獣そのものだった。こんな雪男の姿をパパイヤは初めて見た。
 そして、その太い腕でパパイヤにつかみかかり、いとも容易く持ち上げた。
「雪男さん!」
「ウウオオオオオオオオッ!」
 雪男はパパイヤを宿の壁に放り投げた。手ひどく壁に打ち付けられたパパイヤは、痛みのあまり思わずうずくまる。
「この化物め! パパイヤ様に手を上げたな!」
「パパイヤ様はお前を庇ってるんだぞ! 恩知らずの畜生め!」
 兵士達は暴れる雪男を数を恃んで押さえつけた。
「雪男さん!」
 パパイヤは慌てて取っ組み合いの中に入り込んで雪男を援護しようとしたが、雪男の拳が飛んできて、パパイヤはまたしても吹き飛ばされた。
 そうこうしている内に、雪男は捕えられ、城に連行されていった。
 一人宿へ取り残されたパパイヤは、床に拳を叩きつけて号泣した。
 雪男の突然の凶暴性は、パパイヤの立場を悪くしないための演技だったのだ。
 パパイヤの脳裏に、雪男との旅の道中が幾度も浮かび上がっては、虚しく消えていった。
 その後、檻の中でペットとして飼われた雪男は、国に春が訪れ、気候が暖かくなると次第に体が小さくなっていき、最後は溶けて水になってしまった。
 国からの命令だったとはいえ、雪男を死なせる結果となったことは、パパイヤの心にどす黒い影を落とした。



 三年後――

 北国のふもとの村を再び訪れたパパイヤは、暗い気持ちでとある民家を訪れた。
 雪男を連れてくるために村に滞在しているときに世話になった民家である。そこで山師イワノフと再会した。
 そして、事のあらましを全て正直に語った。
 イワノフは、髭に覆われた唇を真一文字に結び、真っ白な鼻息を噴き出した。
「まあ……。あなたのやったことを許すとは言いません。だが、それも仕方のないことだと思っている」
「申し訳ありません。私の任務のために、雪男さんを死なせることとなってしまいました……」
 パパイヤはどう弁解することもできず、イワノフに頭を下げる。
「雪男さんは死にはしない。雪そのものだから」
「えっ?」
「雪男ってのは雪そのものなんです。溶けても、また降り積もる。溶けたと思ったら、また降り積もって溶けていく」
 イワノフの言わんとしていることは迷信か、はたまた心の安らぎか。そう思ったそのときだった。
「パパイヤさん。今丁度卓が割れて一人面子が欠けてるんです。どうです、入りませんか?」
 奥の部屋から聞き慣れた野太い声が聞こえた。忘れもしない、共に大陸を縦断したあの雪男の声だった。
「ああ、あああ……」
 パパイヤの瞳から、溶けた雪のように涙が流れだした。まるで心の雪が溶け、春が訪れたかのように。
「雪男さんがいる卓では金は賭けません。負けたらギャグですよ」
 イワノフが立ち上がり、パパイヤを奥へ案内する。
「ええ! 是非! 是非! もう、そのときはとっておきの南国ギャグを!」
 雪の中、民家からは夜を徹して牌をかき混ぜる音が鳴り続けた。
メンテ
Re: 【二月期お題「種」】お題小説スレッド【十二月期仮面投稿会お題「雪」批評提出期間】 ( No.397 )
   
日時: 2014/01/05 03:05
名前: 企画運営委員 ID:jcAzxl12

作品のご投稿お疲れ様でした。
1月1日(元)〜31日(金)は批評期間です。
作品をご提出なされた方は必ず全作品の批評を行ってください。
批評だけのご参加もお待ちしております。


>第31回『仮面投稿会お題「雪」』参加作品(敬称略)

>>394 びい玉子;VS雪ロボ
>>395 ダンボー:グロリオサ・ハッピー・タクスイン
>>396 オレンジ:サザン・スノーマン
メンテ
Re: 【二月期お題「種」】お題小説スレッド【十二月期仮面投稿会お題「雪」批評提出期間】 ( No.398 )
   
日時: 2014/01/29 13:32
名前: ダンボー ID:XvP0zpuk

>>394 びい玉子:VS雪ロボ

とても丁寧な物語です。鋭い言葉遣いがよいアクセントになっていますし、そんな言葉を扱いきれる器量が見て取れます。あまりカタカナに抵抗がありません。これは読み手にとっても書き手にとってもそうで、読み手は当然カタカナが入り混じりつつも簡単に読めるのですが、書き手にもまったく抵抗が無くロボの内側を描写する力があるように思います。そういう一見ストーリーの動き方に関係ない部分に『書き手の力が入っていなくても入っているように見える』というのは、大変に難しいことです。それ故、何気ないギャグ描写に印象が向きがちなお話にも絶妙な技量が光ります。同時に、失礼な言い方かもしれませんがものすごく馬鹿馬鹿しい話であり、くすくす笑うことができる。遊び心に溢れていますね。そして熱い。低音ながら異様にテンションの高いナレーターが、あらすじを語り、そして次なる戦いを示唆する、そんな音声が思わず浮かんでくるようです。もう少し展開に捻りが欲しかったところですが、こういったお話には一直線なところがふさわしいでしょうから、そんな感想はナンセンスですね。「ッ!」の使い方が素晴らしすぎました。シンプルなだけじゃない面白さです。


>>395 ダンボー:グロリオサ・ハッピー・タクスイン

「グロリオサ」は検索を掛けると花しか出てきませんが、ラテン語のグロリオーサ(グレゴリオ聖歌)のことです。クリスマスに合わせて書いたものなので、何か聖歌の名前をタイトルにつけてみようとのことで、まったく適当に聖歌の名前を持ち出してしまいました。クリスマスとはまったく関係のない歌だと思います。詳しい方、その筋の方、申し訳ありません。タクスインは、税込のことです。こんな大仰な物語にしたにもかかわらず、最後は会話劇で終わらせるという、風呂敷を畳み切れない感じがひしひしと。ちなみに、クリスマスが誕生日の知り合いは実際にいます。

>>396 オレンジ:サザン・スノーマン

傑作。リーダビリティ、発想、構成の三本柱が確実な安定感を持って物語を支えています。また、その柱がどれかひとつずば抜けて高いですよ、といった類いのものではなく、どれもが同じ高さでありながら高水準というのが素晴らしいです。完成度は圧倒的で、纏まりとしても申し分が無い。起承転結も揺るぎが無く、一度物語を暗闇に突き落としてから、ふっと希望に持ち上げていく展開はまるでお手本のようです。キャラクターも個性的で、麻雀といった地味な小道具が笑いを取る中、後半で鮮やかに締め上げる手腕には脱帽という他ありません。タイトルもかっこよさに磨きが掛かった秀逸さであり、冒頭が「北国」で始まり、ラストは「南国」で終わるという、物語自体の締め方もお見事。余計なものが一切ない、精錬された作品でしょう。こんな風に褒めちぎっては、作者様のためにならないかなあなどと勘ぐりますが、素敵なお話を書いていただいてありがとうございました、と言うしかありません。ありがとうございました。
メンテ
Re: 【二月期お題「種」】お題小説スレッド【十二月期仮面投稿会お題「雪」批評提出期間】 ( No.399 )
   
日時: 2014/01/31 02:53
名前: オレンジ ID:jxYjFHzc

◎びい玉子様「VS雪ロボ」

 作品の節々に、ネタを散りばめていこうという意図を感じるのですが、どうもギャグ中心に走りきれていないと言うか、王道モノの枠から脱却しきれていない印象を受けました。「普通の王道ロボットモノ+小ネタ」で、起承転結の、ストーリーとしての大枠に面白みがなく、ありきたりなものになってしまっているのが残念でした。普通のストーリーの中身に、小ネタの衣をつけているから、見せられ感が強いというか。
 なまじ、雪を喚起口に入れて招いたピンチとか、それを熱を放射して打開する展開など、しっかりかけている部分のせいで余計その傾向が強まっていると思います。
 ロボットアニメなどは絵で魅せる部分もあって、観る人にカルタシスを与えていると思うのです。小説という手段を使っているのなら、雪ロボを倒して終わりではなくて、最後に「大オチ」で笑わせてほしかったです。
 とはいえ、妙に皮肉めいた説明口調の台詞や、真剣そうに見えて間抜けなやりとりは面白かったです。「これからも、そうするだけですよっぜ!」に笑いました。どんなんだよwwwって。あと、個人的に「ヤツの攻撃さえ、当たらなければ良いんです」も。そりゃあ誰が敵の場合だってそうだろうとツッコミました。


◎ダンホー様「グロリオサ・ハッピー・タスクイン」

 ファンタジーものとして、ストーリーのアイディアはかなりいいものを考えてきたと思いました。広げた風呂敷をどう畳むのかと気になって読んでいましたが、お金が普通にぼわんと戻ってきたというところで、改めてファンタジーってジャンルでやっているのかと再確認されられてしまいました。妙に感心したというか納得したというか。グラサンタは魔法使いの類でしょうかね(笑)。
 残念なところは、そのアイディアをお題の「雪」をうまく組みこめていないところだと思います。「クリスマス=雪」という前提で書いている感じになってしまっているような気がしました。実際は「クリスマス=雪」とは限らないし、本作に限って言えば、地の分から雪の描写を全部カットしても成立するような気がします。
 ですが、クリスマスに税金をかけるという発想、それに誕生日とクリスマスを一緒にやってしまうという生活感溢れる生々しいエピソードを組み込んだ着眼点等は、この作品の個性を際立たせるのにうまく機能していて、面白いと思いました。


◎自作「サザン・スノーマン」

 個人的には、南国の姫が理不尽過ぎて、ただの舞台装置になってしまったところが気に食わないんだよなあ……。あとパパイヤが泣く回数が多すぎて、最後の涙が安っぽくなった。
メンテ
Re: 【二月期お題「種」】お題小説スレッド【十二月期仮面投稿会お題「雪」批評提出期間】 ( No.400 )
   
日時: 2014/01/31 19:49
名前: びい玉子 ID:L2qONXtA

※敬称略

>>394 自作;VS雪ロボ
なんだか二番煎じっぽい
精進します


>>395 ダンボー:グロリオサ・ハッピー・タクスイン
真面目なお話だった! というのが、しばらくサンタさん→ギャグかな? という先入観が植え付けられてしまっていたので、肝を抜かれた気分です
頭の足りないグラサンタの狼狽えっぷりが、一番の見所のように思いました。己の考えにたくさんの綻びがあると気づき、ひどく狼狽えながら、主人公の元を去っていきながら、ちゃっかり誕生日とクリスマスをお祝いするのも律儀で好印象です
会話文でのネタばらし部分が、少し説明くさい印象もありましたが、ラストのシメもしんみりと丁寧で、とても面白かったです
素敵な家族だなあというのがありありと伝わり、本当に良かったです


>>396  オレンジ:サザン・スノーマン
これもまた、良いお話でした
ともかく、なぜか固有名詞が出てくる度ににやけてしまいます。素敵!
「山師、イワノフ」ではなく、中点を使用するところも細部に渡るこだわりを感じますね
また、ひとつひとつのセリフが清々しい印象を受け、すっきり読めます。全体もすっきり。……なんでだろう、すごいなあ
このお話は、冒頭とラストのみで構成されています。中間部は沢山のやりとりあります云々の説明だけて省いているのですが、それが長すぎず、短すぎずの良いアクセントになっていました。中間エピソードもなんだか読んだ気になりますね。ごっそり省いてしまったのも、すっきり読める一因かもしれません。特に雪男が暴れてパパイヤを庇うところなんて、余計な部分が一切なく、すっきりすっきり。……すっきりばっかり言ってますが、内容ともどもとても素敵なお話でした
メンテ

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 全部表示 スレッド一覧 新規スレッド作成

題名 スレッドをトップへソート
名前
パスワード (記事メンテ時に使用)
コメント

   クッキー保存