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[4993] 【2016年度】お題小説スレッド【お題「去る」作品投稿期間】
   
日時: 2016/01/12 23:57
名前: 企画運営委員 ID:7PNV346o



『お題小説スレッド』へようこそ。こちらはあるお題に沿って読みきり小説を書き、その作品をみんなで批評し合う場です。
 初心者も上級者も関係ありません。うまくなりたいとお思いの方であれば、だれでも自由に参加することができます。一生懸命執筆し、一生懸命批評して、小説の技術を高め合いましょう。
 皆様のご参加をお待ちしております。

――――――――――――――――――――

>>002 【ルール説明】:必ず熟読して下さい。(※内容、一言の箇所を訂正しました。ご確認ください)
>>003 【批評のポイント】:批評をする際のポイントをまとめたものです。
>>004 【イベントルール説明】:イベントに関するルールです。必ず熟読してください





▼お題:第32回のお題は「種」です。
 二月に種をまくのか? と思いましたが、調べてみるとじゃがいもは二月にまくそうですね。……さらに調べてみると一年中、なにかしらの種をまいてるみたいです。
 そんなことは置いといて。「種」というお題には「たね」以外にも色々な解釈があると思います。みなさんがどのような作品を投稿してくるのか、楽しみにしております。
※第30回の作品投稿期間は2月1日(土)からです


▼お題:第33回のお題は「姫」です。
 三月なので(笑)
 というのはよくわかりませんが(ひなまつりだから?)「ひめ」というのは可愛らしい語感ですよね。私は緑の黒髪をした和服姿が思い浮かびます。桃色が似合いますよね。桃色……やはりひなまつりでしょうか。それでは、みなさんの作品お待ちしております。
 
※第31回の作品投稿期間は3月1日(土)からです


▼お題:第34回のお題は「嘘」です。
 嘘でした。


▼お題:最終回のお題は「魔法」です。
 奮ってご参加ください。


▼お題:第36回のお題は「友情」です。
 ネタでした。


▼お題:第37回のお題は「音」です。
 奮ってご参加ください。



▼日程(第32回)

1月1日       :お題発表
2月1日〜15日   :作品投稿期間
2月16日〜28日  :批評提出期間


▼日程(第33回) 

2月1日     :お題発表
3月1日〜1月15日 :作品投稿期間
3月16日〜30日 :批評提出期間


▼日程(第35回) 

6月1日     :お題発表
6月1日〜7月31日 :作品投稿期間
8月1日〜   :批評提出期間



▼注意もしくは削除対象となるお書きこみ
・荒らし
・荒らしへの反応
・自分や他人の小説の宣伝
・雑談、チャット化
・ルールに反するもの
・管理人が不適切と判断したもの

――――――――――――――――――――

>目次 >>001


>第32回 お題『種』参加作品(敬称略)

>>404 sakana:シロハの辻褄
>>405 伊達サクット:赤い種、青い種

================================================================================

▼リンク
小説講座/雑談所』(お礼や言い訳等はこちらへ)
旧お題小説スレッド』(前スレはこちらから)
ツイッター』(朔乱のアカウントです。お題の告知などをしています)

管理人:If 空人 朔乱  補佐:伊達サクット
メンテ

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Re: 【十月期のお題は「ジャンケン」】お題小説スレッド【九月期お題「  」:批評提出期間】 ( No.215 )
   
日時: 2012/09/30 00:10
名前: 空人 ID:ayuH0dkA

ギリギリ投稿はやばいっすね。
推敲もしていないような文章を出すと、後悔がついてまわります。

皆さんはどうぞ、余裕を持った投稿を、ね。
批評ですー(敬称略)


>>206  ステハン太郎:思い出のパン

 転校生が体験した学校という社会の厳しさ。しかしそれは画像として映し出されたもので……。
 発想は面白かったと思います。『  』を絶句としてとらえているのも興味深いです。
 ただ、CMを題材としていたなら、物語にインパクトが足りないのではないかと思います。何となく始まったいじめが何となく終わった。そんな印象です。もう少し劇的な展開での解決、もしくはギャグのような終わり方だったら、CMとして面白かったかもしれないですね。
 CMである事を隠したかったのだとは思います。だったら冒頭の一文は要らなかったかも知れませんね。
 あと気になったのは、テレビを見ていた側の最後の台詞です。パンのCMにいじめを扱うのはどうしていけないことなのでしょうか。解決することが前提なのだし、いじめをCMで使うことには制限はないはずなので、『いけない』という表現は適切ではないかも知れません。また、いけないと言うなら『パンの』ではなくどんなCMでも扱うのは良くないことでしょう。
 絶句した事をあらわしたいのなら、別の言い方をしたほうが良かったかもしれないですね。



>>207  にゃんて猫:ロリ体型宇宙人系美少女を手懐けるにはカップ麺に粉末唐辛子を盛れ

 宇宙人の侵略と地球の危機。乗り越えた先にある平和な非日常。
 にぎやかでちょっとシリアスで読後感も良く、楽しく読むことが出来ました。
 他の方も言っているように、展開の突飛さは目に付くところでした。やはり、伏線はあるべきでしたし、「カニクリーム」や「唐辛子」も何かしらストーリに絡める事が出来たら、面白かったかもしれないですね。
 高校生探偵や天才ハッカー、発話障害などをにおわす描写がないのもそうなのですが、必要な描写が無くて、それほど重要じゃない日常に文章を使い過ぎている感じでしょうか。
 削れる部分を削ってしまえば、急な展開も生きてくるかもしれないので、やはり推敲は大事ということですね。
 聞こえない声としての『  』は効果的に使えていたと思います。



>>209  アリス:ラブラドール

 幸せな恋人同士の他愛のないやり取り。二人だけの時間。二人だけの世界。けれどそれは、ちょっとだけ世界に影響を与えるもので……。
 物語は本当にそれだけなんですけどね。ただ、彼女の力がどのくらいの地域に影響するのかとか、何でこんな所に居るのかとか一切説明がないので、ちょっと強引な物語だったように感じました。
 短時間で書いたものだと言うことなので、仕方ないのかもしれないですが、二人の馴れ初めくらいはあっても良かったかもしれないですね。
 気になったのは、彼氏が彼女の感情を左右する事で天候を操れるのが「嬉しい」と思っているというところです。「自分の言動が彼女の心を動かしているのが嬉しい」のだと思いますが、この言い方だと「天気を操っているのが自分だから嬉しい」というようにとらえられてしまうかも知れません。
 周囲の天気を操ってしまうのは(特に台風などは)周囲の人々にも迷惑がかかる事だと思うので、彼氏にはもう少し考えて欲しかったです。



>>210  If:ふたりは

 偶然の出会いから、互いに助け合い求め合っていく二人。その未来を阻む呪いと、二人の想いは重なり合って……。
 強く思いのこもった力作だったと思います。ストーリーはオーソドックスながら、丁寧な描写と読みやすい文章で、長文であったにもかかわらずストレス無く読むことが出来ました。
 主人公二人のキャラクターもしっかり設定されていて、特に会話で進む二人の関係が読んでいて楽しかったです。
 もし違う出会い方をしていたら、呪いを解く方法が他にあったなら、二人におとずれたはずの幸せな未来が最後の余白部分に込められているような気がして、読み終わった後とても切なくなりました。
 彼女自身に向けられたものではないからでしょうか、魔術師の呪いをかけたほど強い思いがそれほど伝わってこなかったように感じました。何か一つでもエピソードがあったなら、違った印象が付いてきたのかも知れないですね。
 『誰かに愛され、娘にその命を捧げる』事で呪いが解けるなら、彼女の家族親族はどうしてそうしなかったのか、疑問が残ります。そこで、例えば呪いの解除法を『愛するものをその手で殺す』にしたらどうでしょう。……さすがに酷すぎますかね。
 他に気になるところはありませんでした。文章も過不足無く詰め込まれていたように思います。この長文を削る方法は思いつきません。素晴らしい作品をありがとうございます。
 


>>208  自作:小さな魔女の森〜イイワケタイム〜

 旧お題の第一作目として書いた物語のプレストーリーでした。
 この「小さな森の魔女」がやたら薄味だったことを、今更ながら思い出しました……。
 案の定この話も、味の薄い仕上がりになってしまいました。
 ユフィの心の描写を多くしようと一人称を選び、過去を振り返るけど「〜た」で終わる事を避けたり、敬語口調で語らせたせいでいろいろ制限を受けて大変でした。
 リーダー少年がユフィをはめたのは「彼女が自分の思い通りにならない事がムカついたから」が発端で、仲間に相談したら話が大きくなり、引っ込みがつかなくて実行したら警察沙汰になってビックリ。というのが真相なのですが、まあ普通にわからないですよね。
 一人称にこだわりすぎました。後に教会まで謝りに来ると既に居ない設定なんですけどね。謝罪に来た事をシスターが教えてくれる展開でも良かったのかもしれません。
 お題『  』は空白ととりました。魔道書と、魔女と出会うことで白紙に戻ったユフィの人生を感じて欲しかったわけです。解りにくいですね。
 やっぱり推敲は必要だということです。
 次回はゆっくり読み返せるよう頑張ろうと思います。



そんな訳で、次回は『ジャンケン』です。
ファンタジーになるか不安ですが、皆さんの投稿楽しみにお待ちしています。
ではー
メンテ
Re: 【十月期のお題は「ジャンケン」】お題小説スレッド【九月期お題「  」:批評提出期間】 ( No.216 )
   
日時: 2012/10/03 22:12
名前: 企画運営委員 ID:FSiNEGeo

【第十六回総評】

 総評が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。
 今回のテーマは「    」と、少々難度の高いものになったのではないかと思います。私たち書き手は、イメージを言葉で語ることで形にしていくものです。空白を突き付けられて何を書けばよいのか、迷われた方も多かったのではないでしょうか。
 参加作品が普段よりは少々少なかったのですが、今回もさまざまな物語を読むことができ、大変楽しめました。比較的ファンタジー色が控えめな回となったでしょうか。物語それ自体を読ませる作品が主だったように感じます。SF・ファンタジー板の企画ですから、やはり設定にはもう少しこだわって欲しかったかな、と思わないではないのですが、奇抜な設定で個性を出すのみではなく物語で勝負していくのもまた味があると思います。
 そして、今回は長さが極端に分かれましたね。短い話には短い話のよさが、長い話には長い話のよさがあったと思います。大切なのは、物語に見合った長さを過不足なく書くことであり、そしてそれこそが最も難しい点ではないでしょうか。書きすぎず、しかし省きすぎず。個人的な話にはなりますが、この匙加減にはいつも苦心しています。適度な長さを選択できるようになりたいですね。
 さて、次回は「ジャンケン」がお題です。日本人は慣れ親しんでいるものですが、これに果たしてどのようにSF・ファンタジー色を加えた作品が現れるのか、今から楽しみです。涼しくなってきました。読書の秋がやってきましたね。皆さん大いに書いて読みましょう! たくさんの方のご参加、お待ちしております。
メンテ
Re: 【十月期のお題は「ジャンケン」】お題小説スレッド【九月期お題「  」:批評提出期間】 ( No.217 )
   
日時: 2012/10/01 00:07
名前: 企画運営委員 ID:xbr0eMTo

第18回「ジャンケン」の作品投稿期間となりました。
作品投稿期間は10月1日(月)〜10月15日(月)までとなります。
ルール説明>>002 を熟読の上、ご参加ください。
皆様の力作お待ちしております。
メンテ
にたものどうし ( No.218 )
   
日時: 2012/10/01 00:30
名前: 太郎、次郎、三郎の汗と涙の結晶 ID:p6ZS1OTs

 授業が終わり騒がしくなった三年二組の教室。あるものはやっていなかった宿題をやり、あるものは受験が近づいていると言い勉強したり、あるものは教室の端で話したり、あるものは教室内でバカ騒ぎしたり。俺もバカ騒ぎに加わるメンバーだが、授業内容をちゃんとノートにとっておきたかった。
 というのも、授業内容をまとめたノートのページが足りなかったのだ。そこで、別の教科のノートをちぎってノートの下に貼りつけようと思い、隣のやんちゃな女子、遥に借りることにした。
「はさみ借りていいか」
「はぁ? いいけど」
 貸してくれるとの事なので俺は手を出した――っておい。
「はさみを開けたまま刃の方を向けて渡すな。危ないだろ」
「貸すんだからいーじゃん」
「まあいいや、ありがとう」
 出した手にはさみを乗せてもらう……が、彼女ははさみを開けたまま乗せた。ちょ、危ない。
 やってしまった。開いたはさみの刃閉じたらそのまま刃で手を切ってしまった。掌を切っただけだからそんなに血は流れないが、血の量に反して痛い。授業中はペンを持った時の痛みと格闘することになりそうだ。だがこのことは彼女に言わない、言えない。なんせ俺の好きな女子が彼女なのだ、格好悪いし心配させる……まあ心配するか分からないが、とにかく気づかれるのは嫌だった。
「好きな奴からはさみ借りたいってか? ヒューヒュー」
「口実考えるのに何時間かかった?」
 と急にバカ騒ぎしていた連中から小声でからかわれる。友達の一人に好きな人を行ったところ、当然と言えば当然なのだが、俺の好きな人が瞬時に広まった。女子でも半分以上が知っているぐらいだ。も しかすると、彼女はもう気づいているかもしれない。
 こいつらに手を切った事バレたら「愛する彼女庇ってんすかあ?」なんてからかわれるだろう。
 でも、ここまでからかわれたって好きな人の隣になれてうれしかった。他人からも席が隣で羨ましいと言われた。しかし、話したくても恥ずかしくて、からかわれるかもしれなくて、こんなに近くにいるのに触れられなくて、
 でも愛しくて、
 隣でも大した交流のなかった俺は、はさみを借りるという大したことのない事でも幸せだった。口実というのもあってるかもしれない。
 考え考え放心状態になっているうちに、あと二分ほどで授業が始まる時間になり、俺はあわてて授業の用意をした。

 ◇

 キーンコーンカーンコーンのチャイムで授業が始まる。俺の通っている学校は授業が始まるときには全員が着席しているので、チャイムがなったらすぐ号令である。
 俺は着席した後、彼女に声をかけた。
「遥、さっきははさみありがと」
「あい」
 そっけない会話もすぐに途切れ、話題もないし俺は授業内容をノートに書き写していった。だがはさみで切ってしまった掌が地味に痛い。呻き声が出るほどでもないが、、全然痛くないこともない微妙な痛さである。普通に過ごしてる分には困らないが、ペンを持つとやはり痛む。
 手の痛みに耐えながら、ふと隣を見ると、ノートをとっていない彼女の姿。受験も近づいているしノートはとらなければまずいだろ。そういう思惑もあったが、一番の理由はノートをとってくれないと同じ学校に行けない可能性が出てくるからである。俺も彼女もあまり賢くなく、志望校も同じだった。俺も受験勉強はあまりやっていないが、ノートぐらいはとっている。また定期テストでも合計で二十点ぐらい俺の方が点数がいい。だが、彼女は志望校の合格ラインギリギリである。せめてノートをとってくれないと、新しく習ったことが身につかなくなり、志望校を諦めることもやむを得なくなるだろう。それは避けたかった。
「ノートとれよ」
「はぁ? 別にいいでしょ」
「志望校行けなくなるぞ」
「関係ない」
「おい、とれって」
「おい、そこ。何コソコソ話してるんだ。秘密の話か?」
  先生は何も知らずにからかったのだろうけど、俺にとっては致命傷である。クラスの男子が急にクスクス笑いだした。次の休み時間はこの話題で持ちきりだなと俺は肩を落とした。

 ◇

「あー腹減った。ようやく飯だ」
 案の定授業を終えてからの休み時間でからかわれ、ヘトヘトである。いつもより余計に腹が減っていた。
 今日の給食は混ぜご飯と卵スープだが、その横にはゼリーがある。給食のゼリーは校内で五本の指に入る人気メニューで、じゃんけん間違いなしのメニューである。
「ゼリー欲しい人ー!」
 給食当番がそう言うと、一斉に男子どもが群がる。そしてその中の一人に俺も入る。大勢でじゃんけんをすることになったが、倍率が高く、ゼリーはおかわりできなかった。まあこれは仕方ない。
 じゃんけんから戻ってくるとグループの女子が、
「誰かゼリー欲しい? あまり好きじゃなくてさ」
 と訊いた。俺は迷わず手をあげた。さらにグループの俺とはあまり親しくない男子一名。そして、
「私も欲しい。このゼリーおいしいから」
 と遥も言った。女子はあまりおかわりをしないイメージがあったから意外だった。そして、ここでもやはり三人でじゃんけんになった。じゃんけんの音頭は俺がとることになった。
 やはり音頭を取ると調子がいい。俺はゼリーのじゃんけんに勝った。そして、彼女もまたゼリーのじゃんけんに勝ったのである。一対一だ。彼女は先程チョキを出した、さあどうでる。
 俺はじゃんけんをする前に分析するタイプで、二回連続チョキを出すという予想はドンピシャだった。俺の作戦勝ちだ。ざまあみろ、俺のゼリーだ。でも好きな女子にゼリーごときでムキになると嫌われるかなと思い、
「やっぱ俺いいや。遥いいよ」
「あ、そう。ありがと」
 好きな女子に感謝されるのは気持ちいいもので、感謝されるならゼリーなんていらないと思った。でも俺が最初から持っているゼリーはさすがに俺が食べたい。
「私がゼリー好きでおかわりするって、言わないでね。恥ずかしい……」
 やんちゃではない彼女が垣間見えたこのセリフに俺がやられたのは言うまでもない。暫く放心状態になった。だがちゃんと休み時間に男子たちがからかいで現実に戻してくれた。悪い意味で。

 ◇

「文化祭の練習も大詰めになってきました。合唱コンクールまではあと二日しかありません。各クラス思い残すことがないように練習しましょう」
 俺が通っている学校の文化祭は、一年の各クラスから三年の各クラスまで歌を歌う合唱コンクールがメインイベントになっている。クラスで協力する行事は体育祭とこの合唱コンクールだけで、これがこのメンバーで団結する最後だと思うとまだ本番ではないのに感極まってなく子もいた。
 合唱は手を抜いているが、やはり女子は団結やらそういうのが大好きで、友達でもないのに友達のふりをしたり、やたら友達に執着する。彼女も例外ではなく、団結と言って一生懸命歌っている。でも彼女だけは素直に、本心で団結しようとしているように見えるのは俺が彼女を好きだからか。
 大事な時に見せる一生懸命さが彼女そのもので、普段のやんちゃはクラスのやんちゃグループに馴染んで楽しい学校生活を送るための物と考えると可愛くてたまらなかった。
 一生懸命歌う彼女を見ると申し訳なくなり、俺は歌を一生懸命歌うことにした。何故か分からないけど、こういう行事に一生懸命になる男子は格好悪いというイメージがあった。彼女の気を惹きたいし、面倒だしで俺は手を抜いていたが、間違いだと俺は思った。
 密かに一人でカラオケに行って練習もした。こんなことしても気を惹けるわけでもないのに、彼女を想うともっと練習しようと思った。

 ◇

「遥、いよいよ本番だな。頑張ろうぜ」
 俺はドキドキしながらも、彼女に声をかけた。隣の女子に励ましの言葉を送るのは普通の事だと思ったので声をかけたが、からかわれるだろう。でもそんなこと考えて自分の気持ちを抑えることができない。俺のリミッターが、
「今日文化祭終わったら打ち上げだな。こうやってクラスで集まるのも最後かもしれないなー」
 彼女の返答なんて聞き取れない。言うつもりのない言葉がポンポン出てくるものだから超テンパり状態である。彼女の返答どころではない。
「今日打ち上げ来るよな?」
 何も聞き取れなかった。緊張の反動に思考停止状態になり、しばらく何も考えられなかった。
「三年一組の皆さんは舞台の上に上がってください」
 いよいよ次である。一年が歌っている時は全く緊張していなかったが、やはり本番が近付くと緊張する。特に三年一組はリハーサルでも男声とソプラノとアルトがうまく合わさりメロディーを奏でている。いや、作りあげているという方が正しい。
 指揮を見ながらも皆声を遠くに飛ばし、体育館中に男声と女性のハーモニーが響き渡る。変声期を過ぎた男子の力強い低音、メロディーの主となるソプラノ、それを支えるアルト。どれか一つでも欠けたらこのハーモニーは存在しないであろう。リハーサルの時よりも仕上げている。
 この勝負、恐らく……。
「蓮、頑張ろうね」
 因みに今更だが蓮とは俺の名前である。待機時間は グループ別に並んでいるので彼女とは席と同様隣である。俺と彼女は常に近いところにいるというのも俺がからかわれる原因でもあった。
「ああ」
 恥ずかしくてそれ以上答えられなかった。一緒に頑張るだけで優しく微笑んだ彼女の顔を見れるなら何度でも頑張って何度でも見てやるさ。

 ◇

「優勝一組だったなー」
 打ち上げでそう口を開いたのは俺と同じグループのニヤニヤ野郎だ。空気が読めないのか。皆が必死で沈まないよう皆が盛り上げてたのに。
「うぅっ……私がもっと声を出してれば……」
「そんなことないよ」
 打ち上げに来た女子の一人が泣き出し懸命に励ます。そして女子たちの非難はそいつに集中する。「デリカシーがないのかしらね」「サイテー」等罵詈雑言の数々。それ以降そいつはうつむいて沈黙したのは言うまでもない。
「さーて、沈んでも楽しくないっしょ! 王様ゲームしましょ!」
 バカ騒ぎの一人が番号の書かれた割り箸と王と書かれた一つの割り箸をごちゃまぜにして、王と書かれた割り箸を引いた人が番号を二つ指名し、なんでも好きな事をやらせる打ち上げでは定番のゲームだ。ちなみにゲームなのでフラグが立つことは殆どないのが残念である。
「じゃあやろうよ」
 と、遥。男子が仕組んで俺と彼女を引っ付けそうだったので心配である……というのは嘘で、仕組め仕組めどんどん仕組め。彼女とハグする機会なんてそうそうない。だがもちろんそんな言葉は口に出さない。まあ皆誰でも好きな人とそんなことするチャンスがあればそう思うだろう。俺も同じである。もしこれを言って気持ち悪いと言われても否定する気はないし、皆そうだろと自信を持って言える。
 でも実際そうなると緊張するだろうなあ……やっぱ仕組まれたくないなあ……。からかわれたくない し……。でも。
「早くくじびき引こうぜ!」
 俺はそれ以上に彼女に触れたくて、王様ゲームの時間を待ちきれなかった。

 ◇

「今日は楽しかったね、蓮」
「そうだな、遥」
 打ち上げがお開きになった後、俺は彼女を公園に誘った。
 誘ったというより、王様ゲームで恥ずかしさが飛んで行った俺は勇気を振り絞り、友達にくじを仕組むよう頼んだ。仕組まれて王様になった俺は「王様と七番はお開きした後公園で話す!」と若干店の迷惑になるであろう声で叫んだ。
 木に囲まれた公園で、ベンチの隣にはライトがある。もうあたりは暗い。俺たち二人だけがそこにいた。
「私ね」
 おおなんだと返事すると、彼女は恥ずかし がりながら答えた。
「好きな人がいてね。その人に好かれ るために、ずっと演じてた。もう一年ぐらいになるかなあ。彼ね、やんちゃな男子とツルんでるから、やんちゃな女子の方が好きと思って」
 ああ、だからか。俺もそれぐらいのころから彼女の事を気になっていた。やんちゃにならなくても可愛かった。もちろんやんちゃでも可愛かった。化粧してゲームセンターにいったり、変わったなと思った。でも彼女の違う一面を見れたようで可愛かった。
「でもね、疲れたの。演じるの。だから、やめようと思って。折角今日話す機会があるんだし、相談しようと思って」
 ああ、そうか。最近の一生懸命な彼女や、優しい言葉遣いは、前の彼女に戻ったのか。……って待てよ。ということは、まさか。
「俺もお前に話すことがあるんだ」「待って」
 彼女は一言で制すると、
「私から先に言わせて」
「俺が先に言う」
「分かった。じゃんけんで負けた方から言う。これで文句ないでしょ?」
「ああ」
 俺が音頭をとってじゃんけんをした。彼女がチョキで、俺がグー。
「ゼリーのときもチョキだったよな。お前、チョキ出すって大体わかったから」
 俺は笑ってそういうと、彼女が「先に言わせてくれてありがとう」と微笑んだ。
「好きだよ、蓮。だから、ありのままの私でいいかな」
 恥ずかしさの混じった照れ笑いがどうにも可愛くて、一瞬固まってしまった。準備していた告白の言葉が全部飛んでしまい、
「ああ、俺もだ。どんなお前も、全部好きだ」という月並みな言葉しか出なかった。
「恥ずかしい。体が火照ってきた……」
「ああ、俺も恥ずかしい」
 幸いベンチの横に明かりがあったので彼女の顔がよく見えた。頬を紅潮させて俺を見つめている。ヤバい。制御できない、
「え……っ」
「もう冬が近いな。この時間だともう寒い。だから、抱かせて」
「う、うん……」
 蚊の鳴くような声で囁いた彼女の声は、ここまで顔を近づけてなければ聞こえなかっただろう。
「ごめん、嘘。お前を抱きたかっただけ」
 彼女の声は聞こえない。恥ずかしすぎて何も聞こえなかったのか、彼女が、恥ずかしすぎて声を出せなかったのかは分からない。
「そういえば、なんでじゃんけんで チョキしかださないの。俺ずっと勝ってる」
「蓮の前だと、恥ずかしくて、テンパっちゃって。蓮ってあまりしゃべってくれないし、私もからかわれるのが嫌でしゃべれなかったし。しゃべるのに慣れてなくて」
「俺もだ。似た者同士だな」

 ◇

「ねぇそういえば」
 次の日、授業が終わった後彼女……というよりマジで俺の彼女が、俺に話しかけてきた。
「掌、大丈夫?」
 掌の傷などすっかり忘れていた。気づかぬうちに傷口が塞がっていたから俺は「大丈夫」と答えた。
「何で知ってるの?」
「そりゃ、好きな人が隣だったら見ちゃうよ。心配だったけど、好きだってバレたくなくて……。っていうか、もうバレてた?」
「いや。俺の方こそお前の事が好きだってバレてた?」
「ううん」
 彼女の方が「バレてた?」なんて訊くとはどういうことだ。俺は内心疑問に思った、だがその疑問はすぐに解けた。
「ああ、もしかしてお前もからかわれてた?」
「うん」
 やっぱり。彼女も彼女でからかわれていたのだ。だから俺があそこまでからかわれていたんだと納得がいった。
「俺たち、好きになった時期も、志望校も同じなんだな。こんなに合う二人っていないよな。からかわれるのも当然だよな」
 彼女が頬を赤らめ「うん」と答えた。俺はその笑顔を抱きしめたくて、……あ。周りの男子がメッチャ面白そうに見ている。ラブラブな空気を壊さないように配慮してくれているのはありがたいが、俺らを見ながらニヤニヤするのはやめてほしい。まあ見てくださいと言っているようなものだから仕方ないと言えば仕方ないのだが。そういえば教室が騒がしくないのはバカ騒ぎ集団が俺らを見ているからか。
「……まあ、掌の心配ありがとう。俺は大丈夫だから」
「ホント、わざわざ手を出してくれたのにはさみ開けたまま出しちゃってゴメン。好きな人に私物持ってもらえると思ったら、うれしくて、でもテンパっちゃって。恥ずかしい……」
「そうだったんだ。うれしいよ。謝らなくていいから」
 ああ、負けてた。触れることに逃げてた過去の俺は全部負けてたんだ。彼女は本来は積極的なガツガツ系じゃないのにこんなことをするなんて、そう とう頑張ったのだろう。
 そう思うと、じゃんけんの時チョキしか出さないから勝てると言った自分が急に恥ずかしく思えた。
メンテ
letter from bad child . ( No.219 )
   
日時: 2012/10/11 22:43
名前: にゃんて猫 ID:ihh4BVxU




 手紙が届いた。

 もう記憶も遥か彼方へと遠のいてしまった、遠い過去から。

 別れた女のことは、彼女には話していない。

 私は彼女から無言で手紙を受け取り、見えないようにそっと便箋を開いた。

 折りたたまれたくしゃくしゃの画用紙といっしょに、丸っこい文字の載った白い紙が中から滑り落ちた。









 まどろむ空気に体を包まれて、私は目覚めた。暗い、夜を描いた空には星一つ見えない。ぼんやりとした水面に映った天上に映った月が、わずかに地上を照らしている。
 重い目蓋をうっすらと開けて、最初に見えたのは暗い空に浮かんだ海だった。細波が誘う、月の光に、暗褐色に染まった雲海。綺麗。
 
「はやく……こっちだよ」

 唄を謡うような声がどこからともなく聞こえていく。呼ばれている。まだまどろんでいる意識の最中、頭のねじがきりきりと回った。私は、呼ばれている。


―――――――だれに?

「ちがう。そっちじゃない。こっち、ほら。ホタルが光ってる」

 謡う声は少女を誘う。
 視界の隅に、眩い光が見えた。ゆらゆらと揺れている。私はぼんやりとした、曖昧な、それでいて軽快な足取りで、光るホタルに近づいた。
 ホタルは、私を先導するようにゆっくりと進んだ。ゆらゆらと揺れている。自分が何をしているのか分からない。私はどこの、だれなんだろう。
 しばらく進んでいると、ホタルがすっ、とどこかへ消えた。ふうふう吹く緩い風に揺れる、赤い葉に緑の花をつけた不格好な花たち。そのまんなかに。

「会いたかったよ。ここがどこか、知りたい?」

 あなたは、だれ? そう聞きたかったけど、そんなことはおかまいなしにその子は手を引いてきた。私と同じ、柔らかい手だった。髪は短いのかな。女の子。

「ここはね、君がいた世界の裏側なんだ。だから海は空にあるし、月の光は水面で跳ね返ってから地上に降り注ぐ」

 変だな、って思った。何でかは、分からない。ただ、女の子の説明がひどくあべこべで、私に純粋な嘘を吹き込もうとしていることは、何となく分かった。

「だからね、心配することは何もない。ずっと二人でここで遊べるの」

 遊ぶって。何をするんだろう。ここにはすべり台もなければ、砂場もない。眼下に広がるこの花を摘むのも、なぜか嫌だった。

「じゃんけん、しようよ」

「……じゃんけん?」

 ここへ来て初めて開けた口は、錆びた鉄のような味がした。唇の先が切れて、真っ赤な絵の具が顎を伝ってぽつぽつと緑の花を濡らす。

「そう、じゃんけん」

 そう言って女の子は手を差し出した。きれいな手だけど、てのひらが真っ赤に腫れていた。手首には包帯がぐるぐる巻きにされていて、すごく痛そうだった。
 私も手を出してみた。指先から手首までいたるところが青くなっていた。小指は変な方向に曲がっていて、うまく開くことができない。爪も剥げていた。

「それじゃあ、いくよ」

 女の子が拍子とともに手を軽く振る。私も真似した。女の子は手をにぎってグー。私はひとさし指と中指を出してチョキ。私の負けだった。

「あ、負けちゃったね。もう一回しようよ」

 私はぼんやりとした様子で頷いた。二回目は手の平を広げてパー。女の子はグーだった。私が勝ったのだと思うのに、少し時間がかかった。

「やった! 勝ったね。おめでとう」

 負けたのに、自分が勝ったみたいに女の子は喜んで言った。私は、開いた手を動かせずにいた。

「……勝ってないよ」

 乾いた唇が凍えたような、か細い声で啼いた。

「だって、ママはグーで殴るから、私がパーを出したって勝てない」

「そんなことないよ。……もう一回しよう」

 女の子が寂しそうな様相でこちらを見つめてくる。私たちはもう一度じゃんけんをした。私がチョキ、女の子はパーだった。

「また、勝ったね!」

 喜ぶ女の子の方は少しも見ずに、私の口から切れかけた音の羅列だけが漏れ出ていく。

「ママはパーで、私をたたくの。背中とか、ふとももとか、腕とか、ほっぺとかを。ばっちんって。私が悪い子だって言って。何度も、何度も」

「そんなことないよ……ほら」

 女の子が三また手を出してきた。私はもうじゃんけんなんてどうでも良かったけど、女の子に言われるがままに手を出した。
 私がグー。女の子がチョキだった。

「ほら、三連勝だよ!」

 女の子が泣きそうな顔で笑う。妙に引きつったその顔が面白くて、私は少し笑って――――苦い物を嚼んだみたいに、歯で舌を噛み潰した。

「――――チョキはハサミなの。それで、ママはハサミで私の腕と足を切るの。チョキチョキって。紙みたいに。髪も切って、ぐちゃぐちゃにするの」

「そんなことないよ!」

 ついに女の子は泣き出した。白い白い涙が、目尻を伝って赤い葉を濡らす。

「そんなことないよ……そんなことしたい訳じゃない」

「すっごく、痛いの」

「やめてよ」

「ママ、やめてって言っても、やめてくれない」

「ごめんね、だからもうやめて」

「何度も何度も痛いことをして言うの、『あなたは――――

「やめて!」




























                            ――――悪い子だ』って」





















 眼が覚めたら、白いダンボールの筒が見えた。ああこれはトイレットペーパーの芯だなって分かるまでに、しばらく時間がかかった。
 トイレに篭もって、そのまま寝てしまっていたのだろう。腕の下に敷かれた便座が暖かかった。
 顔を上げて、小さな木製の扉の窓を見上げる。凸凹なガラスの向こうでは、ママがきっとお腹をすかしてる。
「早く……学校行こう」
 パパがいなくなって、もう二年がたつ。私は昨日の始業式で小学三年生になった。ママは最近は家に閉じこもってばかりで、一歩も外に出ようとしない。
 早く学校に行って友達に会いたい。優しい先生に会いたい。ママのことは好きだけど、あんまりいっしょにいたくない。
 静かにトイレの扉を開ける。ママはソファーに顔をうずめて寝ていた。昨日の夜、私や自分の腕を切った図工のハサミと、空になった酒瓶が床に転がっている。
 ハサミを拾い、血のりを洗面所で落とす。寝ている間に切れていた舌の先から血が零れ出す。抉るような痛みに胃の中のものを全部吐いた。
「はぁっ……はっ……」
 もう吐く物も無くなった。私は急いで口をすすぎ、寝ているママを起こさないよう、ひっそりと冷蔵庫へ近寄り、中に入っている冷や飯を取り出した。
 それをボロボロになった赤いランドセルに詰め、そっと玄関へ向かう。
 静かに靴を履き、慎重に扉を開けて、外へ出た。
「……いってきます」
 誰にも聞こえない、小さな声でそう呟いて、私は玄関に背を向けた。
 ランドセルの中の冷や飯は、マンションの受付に置いてある魔法瓶のお湯でくずして食べるつもりだ。だから、制服のポケットにはいつもお茶漬けのもとを入れている。
 一晩が過ぎ、かさぶたになった切り傷をそっと指でなぞる。鈍い痛みとともにぞくぞくとした寒気が背筋から広がり、全身を襲った。
 今日もまた、帰ってきてから痛いことをされるのだろうか。殴られたり、蹴られたり、叩かれたり、切られたり。でも、仕方がない。だって私は悪い子だから。
 ママは悪い子が嫌いだ。だから、きっと私のことも嫌いなんだ。だから痛いことをする。私は嫌われないように、もっと良い子にならないといけない。
 ママがよく家にいるようになったのは、パパがどこかへ行ってからだ。長い長い出張だってママは言ったけど、本当に長いと思う。
 もう二年が経つけど、パパとは去年の冬に電話で話したきりだ。それに、ママはパパの話をしようとすると私に痛いことをする。パパのことを話すのも悪いことみたい。
 ママ。今日も、痛いことするの?

 おととい、出張に行っているパパに手紙を書いた。赤い葉っぱと緑のお花。黒い海が空にあって。女の子が二人、手をつないで遊んでる。
 パパといっしょに描いたその絵を折りたたんで、手紙といっしょに封筒に入れた。

 ママは、私の手紙を見て少しだけ泣いた。それから、いつもみたいに私を殴った。でも、その日は怒ってるんじゃなくて、泣きながら殴った。
 ママもパパに会えないから寂しいって。パパ、早く帰ってきてね。ママ、指輪外して捨てちゃったよ。







「ちがうの……そうじゃないの、めぐみ。許して」
 女は泣いていた。先ほどまで見ていた夢を思い出していた。

「ちがうの……ちがうのよめぐみ。オカアサンはね。めぐみ――――」
 女はずっと、泣いていた。













  パパへ

 いつ、帰ってくる?

 おみやげは?

 ママは、いつも優しいです。


  私は、今日も元気です。はやく帰ってきてね。

                    めぐみより







fin.


メンテ

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