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[721] 桔梗の時雨 -第一部- 
   
日時: 2010/12/24 20:13
名前: 匿名 ID:B7XEJidc

戦士は、なおも立ち上がる。


敵に勝つためではなく、自分に勝つために。











・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本拳法、合気柔術
メンテ

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Re: 桔梗の時雨 -第一部-  ( No.1 )
   
日時: 2010/12/25 10:13
名前: 匿名 ID:a0XXEZEc

第1話 【桔梗】

茹だるように暑い夏の日の昼、桔梗は何時もの様に校舎裏に呼び出されていた。桔梗の周りには、先輩や同じ学年、クラスの不良少女達がいた。
 「お前さー。何時も思うんだけど名前負けしてない?桔梗 なんて爽やかな感じじゃないじゃん」
秋月 桔梗はお世辞にも可愛いとは言いかねる少女だった。
荒い息で何時も曇りがちの丸眼鏡に、顔が全部隠れてしまいそうな長髪、90キロは余裕でありそうな体つき。嫌われる要素しか見えず、常に周りからは避けられていた。
しかも、陰気な性格が災いして、恋人は勿論、友達の一人もできなかった。

 「そ、そんなこと言われても…」
桔梗は呟く様に低い言った。一応本人は聞こえるつもりで言ったが、その瞬間彼女の腹を不良のパンチが貫いた。
 「うっ…」
 「聞こえねーんだよ、このクソデブ!!」
桔梗はその場に倒れこんだ。こんな痛みにはもう慣れているはずなのに。
口から血が出た。

 「許して欲しいか?」
不良の一人が蹲った桔梗を上から見下ろしながらそう言った。
すると桔梗は何も言わずに頷いた。

 「なら、てめーの家から5万金持って来い。そうしたら許してやる」

メンテ
Re: 桔梗の時雨 -第一部-  ( No.2 )
   
日時: 2011/04/02 11:46
名前: 匿名 ID:/Bxgqf9.

第2話 【闇】

桔梗は5万円を用意するためにすぐさま家に帰った。
両親は共働きなので、夜にならないと帰ってこない。
その間に家中のあらゆるところを探ってお金を集めなければ、桔梗は必死の形相で箪笥の中や額縁の裏や本棚など探し始めた。

「な、ない…。そんな大金、家にあるわけないわ」
桔梗がひざをついてがっくりすると、その目線には乱雑に置かれた本の山が映った。
慌てて本棚から出したからであろう。その中で一番上にあった赤い本を手に取った。

「『君も強くなれる!日本拳法・合気柔術』、か。お父さんの本かしら?」
桔梗は興味本位で本のページを開いた。
すると、まばゆい光とともに一匹の妖精が飛び出してきた。
体長15センチぐらいの柔道着を着たまりものような体系の男の子だった。
「やあ、僕は合気道専門の妖精・エイヤ。僕がここにいるってことは、君が何か困っているってことだよね?」
桔梗はこれまでのいきさつをエイヤに話した。

「なんだって?5万円!?そんなの払わなくてもいいぞ!」
「でも、それを用意しないと、いじめられる…」
ウジウジする桔梗に、エイヤは痺れを切らした。
「そんなんだからなおさらいじめられるんだよ!闘え!」
「…そんなこと言われても私」
「ふっふーん、じゃあ僕が必殺技を教えてやる。君の身体を生かした、ね」
こうしてエイヤの格闘技に関するレクチャーが始まった。

2時間後。
家の電話が鳴った。
「おい、いつになったら金持ってくるんだよ、え?」
クラスの不良・エリカからだった。
おどおどする桔梗のそばで、エイヤがささやいた。
「…そいつを家に来させるんだ」
桔梗は頷き、
「じゃ、じゃあ、私の家に取りに来て」
「あぁ?しょうがねえな!交通費もいただくからな!」
エリカのどなり声とともに、電話は勢い良く切れた。
それを見て、エイヤはにやりとした。
「じゃ、あとはさっき説明したとおりにやるんだぜ」

30分後、エリカがひとりで桔梗の家にやってきた。
「へえ、あいついい家に住んでんだな」
門をくぐり、中庭を眺めながら玄関まで来た。
「おーい、桔梗。出てらっしゃい!」
「私は、ここよ」
エリカが声のするほうを振り向くと、2階の屋根に桔梗が立っていた。
「な、何でそんなところに!?まあいいわ、5万用意できたんでしょうね?」
その問いかけにこたえるまでもなく、桔梗はエリカめがけて屋根から飛び降りた。
「食らえ、桔梗ドロップ!!」
10m近くある高さから落ちる90キロの体は、まさに大きな岩と化した。

ドグヮシャアアアア

「ぎゃああああああああ!」
エリカのきゃしゃな体はばらばらになって地面に散らばり、気体となって消えた。
それを眺めたエイヤは深刻な顔つきで、
「やはりこいつは暗黒武術会の手先だったか…」
「え、なんなのそれ?」
「おそらく君を悪の道に引き込むつもりだったんだろう。入会金5万とともに、な。
 いわばこいつも被害者だ。まだいるはずだろ、君をいじめてたやつは?」
桔梗はその時、自分がとんでもない世界に引き込まれたことに実感した。

謎の妖精、
謎の組織・暗黒武術会、
そして人間界に潜むその手先、

桔梗の戦いの幕開けとなった。


おわり
メンテ

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