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[3476] Differences in Peace
   
日時: 2018/10/01 13:30
名前: あづま◆8kXyVF1umQ ID:1fl2iO3A

※更新鈍足!






◎はじめに
 この小説は、私が小学校高学年〜中学二年生位の間に書いたものを
 再編集したものとなっています。
 再編集とはいっても、ころころ変わる視点を統一(三人称化)したり、発見できた誤字を
 修正する程度であり、矛盾等は修正しきれていません。
 サイトに掲載するときに更なる修正や伏線の為に完全ではありませんが書き足したりしております。

 ジャンルはおそらくファンタジーです。
 常識の無い自分勝手な人物との共同生活のような内容が主となっております。
 この物語らは時代が前後していたり、複数の舞台が出てきますが
 世界観は全て同一となっています。
 稚拙な説明で申し訳ありませんが、どうぞお付き合いください。

◎次回予告
 更新は113話まで完了。
 次回114まで予定。いつ更新できるんでしょうか。
 
◎つぶやき
 取り急ぎ一話だけ。
 無事!内定をもらえました!!2年もかかった!
 本当に面接は万死に値している。
 データが本当に見つからないんだけど、どうしよう。

◎注意
 作品の中には流血や暴力、更には殺人描写があります。
 舞台となっている世界が地球の場合は特にありませんが、それ以外の場合は注意してください。
 また、一部エロのような物もあります。
 修正こそしていますが、考えれば推測可能なので苦手な方はご了承ください。

◎サイト
ブログ
 たまに更新予定なんかが書かれています
 
◎一覧
 Strange Friends      >>1-40
  かなり適当な設定   >>41-42
 Differences in Peace  >>43-

◎絵
 レイと奏音。このコンビは動かしやすい。
 スマホでも描けるもんですね。マウスが書きやすいけど、筆圧ではこっちに軍配。
 サイズがバカデカイかも。
メンテ

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Re: Differences in Peace ( No.155 )
   
日時: 2018/10/01 13:28
名前: あづま◆8kXyVF1umQ ID:1fl2iO3A

慌ただしく宿場町を出てから何時間飛んでいるだろう。
途中で小さな市に寄って足りなくなったものを補給しているが、それを勘定に入れないでいても
パウエルに到着する時間は遅れていた。
もちろん宿場町に賊がやってきて、それに巻き込まれ出発が大きく遅れたことも関係しているが、
それ以上にパウエルへの道中の気候が関係していた。

「野宿は無しになるかもしれないぞ。奏美、奏音、今のうちに眠っていてくれないか?」
「よっしゃおやすみ。」
「ちょっと姉ちゃん!……はやっ。」

エドが眠るように声をかけた瞬間から、奏音は横になってしまう。
奏美の抗議の声を上げると同時に静かな呼吸音が開始する。
いったいいつ寝ていつ起きているのか、と奏美は呆れたがそれ以上に気になる事があったのでエドに質問した。

「野宿なしって言うけどさ、それをしないといつごろに着くの?」
「そうだな…多分ぶっ通しで進んで陽がでる位だなぁ。
 ちょっと仮眠が取れれば幸いで、特に余裕はなさそうだ。だから奏美、寝ていていいぞ。」
「それはいいんだけどさ……エド、交渉とかできるの?」
「……。」
「エド?」
「多分できるんじゃないか?眠らない方が自棄になれてとんとん拍子な感じで。
 実際寝る暇なかったからな!賊のせいで。」
「……本当に大丈夫かなぁ。」
「ま、なるようになるさ。それより……。」

奏美が機体に寝転がったのを確認してからエドが口を開いた。

「風がなさすぎるな……飛ぶのがやっとすぎる…。」
「両脇に山があるから、こっちまでそんなに来ないんだろうね……。」
「…そうだな。おやすみ、奏美。」

奏美は目を閉じた。すると自分が感じていた以上に疲れていたのだろう。
当然だ。自身で武器を持って戦い、その後は怪我人の手当てにあちこち走り回っていたのだから。
エドはそれを見て安心した。二人が寝たことによって、ある事が可能になったからである。

「待っててくれて嬉しいよ。紳士もいるものだな。」
「ふっ、お前が仕掛けてこなければ無粋なことはしないのだ。」

何もない所から声がしたかと思うと、一瞬光が乱れ景色がゆがむ。
歪みが収まると、そこには小さな機体――エドたちが使っている物よりも遥かに小型で、
一人が乗るスペースしかないものに乗った褐色の少女が現れた。
彼女はエドを、そして奏美と奏音を品定めをするような目で見てから口を開く。

「聞いていたところわが国パウエルへの御用命だとか。何かあればお聞きするのだ。」
「わが国…と言うが、本当にあなたはパウエルの人間なのか?」
「あぁ、それは失礼した。」

少女は胸元から小さな石のはまった指輪を出した。
それをはめ、エドに手を向ける。瞬間、金属音と共に両者の獲物がぶつかった。

「察しのいい人は…嫌いだ。私はもちろん、パウエル自身も嫌いだ。」
「そうかい、そりゃあ残念だ。」
「お前を知っているぞ、エドゥアール=パベーニュ。姉が世話になっているそうだ。」
「それじゃ……。」

君はダイアナの――そう続けようとしてエドは口を噤んだ。
ダイアナは支配者の血を持ちながら国を捨てている人物である。
例え中枢にいた時間が短くても、元の国にいる人物たちにとっては恐怖の存在である。
どんな情報を持っているか、彼らに知る事はできないのだ。

「君は姉を世話してもらっている人間に武器を向ける無礼な人間なのか?」
「勘違いするな、これはパウエル式の歓迎なのだ。」
「信じられないな、それは……。」

風が少なく、機体を安定させ続けるには余計な動きができない。
それは両者に共通することだった。そのため、大きく動くときは相手を始末するときだった。
互いに武器を合わせ、しかし不戦の意を持っていることを相手に錯覚させようとする。
相手に対しやろうとしていることが同じなのは二人には分かっていた。
そして、先に降参した方が相手に対して劣勢になるのも分かり切っていた。

「君はパウエルの人間だと言うが、俺はその証拠をまだ見せてもらっていないぞ。」
「ならば武器を下してくれないか、証明できるものは服の中にあるのだ。」
「服の中に?だったらその指輪を出す前に証明できるものを出すのが普通じゃないか?」
「お前は誰だかわからない奴に自分の証を求められればほいと見せるのか?」
「君は俺の事を知っていたじゃないか。……どこから流れてるんだ、ったく……。」

憎々しげにエドは言い放った。
ただでさえ他国との交渉と言う苦手分野の仕事をこなして、休めると思えば賊の奇襲。
それの鎮圧も彼本来の戦い方ができなかったので、ストレス発散どころか逆に溜めてしまう。
そして今目の前の少女に対する苛立ちが頂点であった。

「戦場じゃないから首を刎ねるわけにもいかないんだよな。」
「できるのか?」
「やろうと思えばな。だが、君が本当にパウエルの人間だった場合を思うとできない。」
「だから武器を収めれば……。」
「そうしたらとびかかって来るのは、さすがの俺でもわかるぞ?」

少女はただ笑みを見せた。

「じゃあこうしようエドゥアール。私がお前のそれに乗り移るのだ。
 そうして私の体を預けよう。場所を指示するから、お前が目的のものを取り出すといい。」
「あのな、年頃の奴が……。」
「色仕掛けと言いたいのか?残念ながら私には色のかけらもないのだ……。
 い、いやとにかくだな!私がお前に証明を見せればいいだけなのだからそうすればいいのだ!」
「……。」
「…そんな顔をするな、お前の噂を聞いていると色気もなくて悪かったとすら思ってしまう……。
 譲歩しよう、乗り移らない。ギリギリまで機体を近づければ何とかなるはず。」

必死過ぎる、と思いながらもエドは仕方なくその少女の案に乗った。
少女は武器をゆっくりと離した。エドもそれに倣い武器を離す。
だがお互いにその存在を消すことはない。少しでも変な動きをすれば、相手を切れるように注意を向ける。
少女が機体を操り、エドと奏音の乗る機体に近づいてきた。擦れ合う寸前でそれを安定させる。

「…っ、どうぞ……!」

少女が上着をはだけさせた。その下には何も着ておらず、未発達な体が露わになる。
しかしそれは年齢のせいだけでもなさそうだった。
彼女の体には沢山の傷がある。この世界の、戦を生業とする人には多少あるそれとは比べ物にならない。
鞭の痕、刀傷、焼印、刺青――ありとあらゆる方法でその小さな体に傷がつけられていた。
そして、あばらの浮いた腹に獣の皮で作ったとみられる紐で、小さな紙が括り付けられていた。
それをエドがとった瞬間、初めて少女は少女らしい笑みを見せた。

「私はもう無理だから…他の人たちを……その気があったら助けてほしいの……。」
「これは……。」
「姉が世話になっている、それは義理ではあるが本当の事なのだ。手紙もたくさん来ていて、生きてて嬉しい。
 でも、姉が出ていったから私の一族は…一族どころか、一族に仕えてくれた人たちでさえ……。」
「つまり……。」
「そうだ。」

答えは聞くまでもないことだった。
国の中枢の人物が出奔した。だからその家族と関係者が代わりに罰を受けた。
罪のない人たちに……と彼女たちなら憤慨しただろうか、とエドは奏音と奏美を眺めた。
だが、出奔という不敬な人物を生み出したことが既に罪なのだ。
自分達も今抱える問題でありながら、エドはその時が来ないのをひそかに願っていた。

「私の一族はパウエルでも末端の分家筋。姉がいれば本家筋になれたかもしれないが、もう関係が無いのだ。
 だから痛めつけてもそんなに損害はない。
 だが、もう耐えられない……姉はこれを知らなくっていい。でも、私たちはもう……。」
「待ってくれ。助ける助けないの前に質問だ。なぜ俺が来ると分かったんだ?
 あと、どうして襲ってきたんだ?」
「姉が急いで手紙をくれたんだ。姉の手紙は、もう本家は読まない。
 襲ったのは…あんたに頼んでいいことなのか、分からなかった…でも、もう安心した。」
「もう一つ……その気があったら、というのは?」

少女は諦めたように笑った。

「私には何もできない。金も、力も、身体も、なにも捧げられるものはないのだ……。」
「だから、か。」
「……生きて働き、それで返すというのも選択肢としてはあるかもしれない。
 でも、もう……疲れちゃったんだ……。ありがとう、話を聞いてくれて。最期に嬉しかったぞ。」

彼女の乗っていた機体が消えた。彼女自身の最期の精神力でそれはできていたのだろう。
高い上空をそれは飛んでいた。助かる事はありえなかった。
エドは紙の内容を見て、託されたそれをどうするべきか悩んだが、
今はその時でないと言い聞かせ自分たちが今進むべき道を目指して進んでいった。
メンテ

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