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[3476] Differences in Peace
   
日時: 2018/10/01 13:30
名前: あづま◆8kXyVF1umQ ID:1fl2iO3A

※更新鈍足!






◎はじめに
 この小説は、私が小学校高学年〜中学二年生位の間に書いたものを
 再編集したものとなっています。
 再編集とはいっても、ころころ変わる視点を統一(三人称化)したり、発見できた誤字を
 修正する程度であり、矛盾等は修正しきれていません。
 サイトに掲載するときに更なる修正や伏線の為に完全ではありませんが書き足したりしております。

 ジャンルはおそらくファンタジーです。
 常識の無い自分勝手な人物との共同生活のような内容が主となっております。
 この物語らは時代が前後していたり、複数の舞台が出てきますが
 世界観は全て同一となっています。
 稚拙な説明で申し訳ありませんが、どうぞお付き合いください。

◎次回予告
 更新は113話まで完了。
 次回114まで予定。いつ更新できるんでしょうか。
 
◎つぶやき
 取り急ぎ一話だけ。
 無事!内定をもらえました!!2年もかかった!
 本当に面接は万死に値している。
 データが本当に見つからないんだけど、どうしよう。

◎注意
 作品の中には流血や暴力、更には殺人描写があります。
 舞台となっている世界が地球の場合は特にありませんが、それ以外の場合は注意してください。
 また、一部エロのような物もあります。
 修正こそしていますが、考えれば推測可能なので苦手な方はご了承ください。

◎サイト
ブログ
 たまに更新予定なんかが書かれています
 
◎一覧
 Strange Friends      >>1-40
  かなり適当な設定   >>41-42
 Differences in Peace  >>43-

◎絵
 レイと奏音。このコンビは動かしやすい。
 スマホでも描けるもんですね。マウスが書きやすいけど、筆圧ではこっちに軍配。
 サイズがバカデカイかも。
メンテ

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Re: Strange Friends ( No.21 )
   
日時: 2011/12/11 06:56
名前: あづま ID:FZxyYef.

「ここお前んちなのかー。」
「そう。二階な。」
「へー。」

かばんから鍵を出し中に入る。と、なぜかいい匂いが漂ってきた。
何のにおいかと進んでみるとルーターが台所に立っていた。
…なんか、ごめん。

「あ、お帰りなさい。こんばんは沼川さん。」
「こんばんはー。それとお邪魔します。」
「お前料理作れたのか!」
「いえいえ、テレビでやってたやつを見よう見真似ですよ。それより勝手にやっちゃってすいません。」
「いやいいけど。で、サクソルは?」
「あ…、寝てます?よ。」
「何で疑問系。じゃ、起こしてくるから沼川は座ってて。」
「おっけ。」

寝ているってあいつ睡眠の必要あるのか?
寝室に入ると誰もいないし布団すら敷いていない。
これは呼ぶべきなのか?

「サクソルー。」

返事が無い。というか私達が来る少し前に部屋にいるはずなんじゃなかっただろうか。
そう言っていた気がする。
折角沼川を呼んだのにどうしたものかと悩んでいると居間の方から声が聞こえた。
――ドッキリやったな……。
居間に戻ればサクソルが沼川の耳元で何かを言っている。サクソルは真剣そのものの顔だが沼川はどこか無表情だ。
なんだか話しかけづらい雰囲気にただ眺めているとサクソルがこちらを振り返った。

「やぁ。終わったよ、彼はコレで僕らには何の疑問も持たないから。」
「そうか…沼川?どうした?」
「いやぁ、オレ帰るよ。なんか邪魔しちゃったら悪いし。明日なー!」

酔っ払ったような雰囲気で沼川は出て行く。
それと入れ違いに料理を済ませたルーターが戻ってきた。
彼の表情を見るとなんだか申し訳なさそうな感じで、サクソルは何かやったと確信を持った。

「サクソル…お前沼川に何やった。」
「ん?洗脳みたいな感じだよ。これであいつは何にも僕らには疑問を持たないよ。」
「洗脳?!それ許されっと思ってるのか?」
「ばれなきゃいいじゃん。ね、ルーター…?」
「え!あ、そうですねいいんじゃないですか洗脳ぐらいいいですよそうですね。」
「お前すごい片言だよ?もう少し上手く立ち回れないの?」
「え、う。」
「はいはい、あまりルーターをいじめない。そういえば昼前に電話したんだけどお前でなかったよな?
 どっか行ってたのか?」
「あ、なんか求人誌、っていうのをもっと貰おうと思って探しに行ったんですよ。そしたら声かけてもらって。
 なんか働けそうですよ。」
「うっそ、お前が働けるの?うわ、よっぽどこの国は人材不足なんだ…。」
「サクソルすごい失礼だぞ。で、なにやるんだ?」
「なんか売るんです。チョコ…とか色々。」
「あぁ。」

そうか、と合点が行く。
個人でやっている店ならば案外履歴書が要らないだろう。店主が気に入ればいいのだ。
サクソルはチョコと言う言葉に反応していた。

「チョコを売るのかい?ねぇ、それ何個か貰ってこれない?」
「あ、居候しているって言ったら何個かお試しにってくれましたよ。でもこれからは買ってくれって。」
「だったらそれのお返しできるくらいに働かなきゃな。」
「ねえ、僕それ食べたい!」

サクソルの言葉を受けルーターは台所の棚を空ける。
そんなところに置くなんてあとでこっそり食べるつもりだったのだろうか。
戻ってきたルーターがそれをサクソルに渡す。
それは、錠剤。

「……。」
「これはあれかい?ラムネみたいなタイプなのかな?」
「そこまで説明はされませんでした…。ただ見つかったら駄目だってだけ。」
「よっぽど高いのかな?」
「なんか仕入れは安いんですけど高く売るんですよ。それこそ十倍くらいに。」
「…ルーター…。」
「なんですか?あ、華凛さんもいかがですか?」
「それってさ、《エス》とか《スピード》とかって呼ばれてないか?」
「あ、知ってるんですか?なんか種類は別ですけど呼ばれてましたよ。あとこれは《グラス》《葉っぱ》とも呼ばれてます。」
「馬鹿!!」

数時間ほど、麻薬の違法性と危険性を語ることになった。
一通り説教した後ルーターが作った料理を食べ、サクソルが麻薬販売者の記憶の修正に消えた。
彼曰く警察に出頭させてみるとのこと。
ルーターはサクソルに何度か術をかけられぐったりしている。
…仕事、どうしようか。


「ただいまルーター死ね。」
「おい。」
「…すいません。」
「ホント死ね。うん。華凛、なんかまた問題起きちゃったからしばらく来ないよ。」
「またデストル?」
「…こっちの世界じゃないけど。っていうかケナベルが重要人物が生まれる家系をつぶしちゃったから。
 で、代替する人物がいなかったらもっと時間かかるし。じゃ、ルーター死ね!」

一発蹴りをいれ(やけに尖った靴はいてたぞあいつ)サクソルは自分の仕事へと行った。
今回はルーターは避けたりせず素直に彼の攻撃を受けていた。
無言で痛みと戦っている。

「まあ、間違いはあるし…。」
「っ、でも犯罪…じゃないですか。」
「お前らは知らないだろうし…サクソルがいたから事なきを得たから…。」
「すいません本当にすいません!!」
「いいよ。ただ仕事の候補を見つけて私に見せる事にしよう。そうすればそれが犯罪かどうか分かるだろ?」
「はい…本当にすいません…。」
「もういいから、いつまでもくよくよするなって。」





あれから三日、サクソルはまだ帰ってこない。どんだけ重要な人潰しちゃったんだ。
ルーターの仕事も見つからず、個人営業の店も誰かを雇うなんてことはしてくれなかった。
今朝も求人誌の山からルーターの細い声が聞こえた。よほど弱っているのだろうか。
沼川はあれから変わらない様に見えるがサクソルたちのことは全く話題に出さなくなっていた。
定時で切り上げ家に帰ると玄関にはあいつの靴があった。

「なにやってる…。」
「あ!婿〜。ヤバイよキシ復活しちゃったぁ…。」
「華凛さん…お帰りなさい…。今日は早いですね……。」
「ただいま…で、なにやってる。」
「いやショタと遊ぼうと思ったら見慣れないおにーさんがいたので変なもん持ってないかチェックを。」
「ホームステイだから平気…というかどれくらい触ってるんだよ。ルーターも抵抗しろよ。」
「無理です…だめ……。なんか、だるい…。」
「まあ精神的にゴリゴリ削られてる気がするけど減るもんじゃないし。ていうかこの筋肉がいいよ…。」
「…着替えてくる。」

妙に生き生きとした奏音にぐったりとしたルーターを任せ着替えに行く。
あいつはどれだけ男が好きなんだ。セクハラじゃないか、あれは。
ジャージに着替え戻ると奏音はまだルーターの身体を触っていて彼はそれに身を任せている。

「透けブラー!…なんでもないよ。ていうか助けてよ、キシが復活したんだけど。あたし殺される。
 レオンは国に一回帰っちゃうしさぁ、死んじゃう。逃げたい、同人があるキシのいない日本に行きたい。」
「仕事すれば津岸さんも怒らないだろうが。あといい加減ルーターを離せ。なんか可哀想だぞ。」
「…イイ顔だけど。」

鈍い音が部屋にこだました。
メンテ
Re: Strange Friends ( No.22 )
   
日時: 2011/12/11 07:01
名前: あづま ID:FZxyYef.

「すいませんでした。筋肉ありがとうございます幸せ。」
「いいですよ…もう……。」
「よっしゃ許可出た!とっつぎゃあっ!」
「許可は出していない。文脈から察せ同人女。」

ルーターに飛び掛ろうとする奏音を求人誌で叩く。
力は入れていないがそれにオーバーリアクションで奏音は返す。
それをもうどうでもいいような目でルーターは見る。なにされたんだ。

「良かったじゃないか。津岸さん復帰したんだろ?」
「レオンだけでいいのに…二人体制になったんだよ?あたしキシに殺されちゃうんじゃないかな?
 レオンと国外逃亡したい…でも日本語しかわかんない…。」
「いいじゃないか、それで真面目に仕事できるんだったら。」
「でもさぁレオンが仕事少なめにしてくれたからこそ締め切り守れたんだし。キシになったら絶対増える。
 同人出来なくなる、死んじゃう。なんのために中卒になったのあたし。レオン早く帰ってきてー…!」
「…ルーター、向こう行って休んでろ。」
「はい……。」

重たそうにルーターは寝室に消えた。
本当に何されたんだ?

「なあ、あいつに何したんだ?車で連れまわしたりしたのか。」
「車弱いの?っへーえ!今度遊ぼー。あとあたしは別に何にもしてないよ、ただ危険物持ってないかチェックしただけ。
 で、身体触ってるうちにちょっと思い出しただけ。懐かしかったんだぁ…あの筋肉。」
「何、レオンか?それとも津岸さん?」
「キシは無理。あいつはどーゆー角度から見ても無理。なんで結婚できたかなぁ?奥さんにもっといい男紹介したい。
 それとレオンはもうちょっと筋肉ついてないよ。あたしが思い出したのは違う人。」
「レオンの事も触ったのかよ。」
「減らないし?別に嫌って言わなかったからいいじゃん。あたしは楽しかった。
 ところでその凶器は何?バイトはじめるの?婿、けっこういいとこに就職したじゃん。」
「いや、私じゃないし。」

そこでこれの意味を教える。
もちろん、別世界の人間だとか麻薬の事は省いたが。
その間奏音はニヤニヤしながら聞いており時折別の凶器と言う名の求人誌で叩いたりした。

「そう。なぁんであたしに言わないの?」
「は?」
「だぁから、あたしは婿がホームステイ受け入れるんなら援助するっていったじゃん。そして対価は萌え。
 あたしんところでアシスタントはダメ?ベタとかトーンとかモデル位ならいいでしょ。給料も出す。」
「私は構わないが…ただあいつがどう思うかだぞ?第一印象がいいとは思えないんだが。」
「…そこは覆してみせる。で、おにーぃさん、どう?」

戸を開け寝室に無断で乗り込む奏音。
やっていい事と悪い事があるんじゃないかと抗議の意味をこめて軽く叩く。
それに対し愛が痛いと返されてしまいため息をつく。
しかし一向に返事がなく更に奏音は進み掛け布団を思いっきり引っぺがす。

「あぁら、イイ顔!…っとぉ、じゃないね、うん。どうした?」
「……。」
「おい本当に何やったんだ?体は丈夫だって聞いたんだが。」
「だからチェックだけ…だよ。うん。」
「…大丈夫ですよ…疲れた、だけです……。」
「何で。…とりあえずさ、こいつん所で働かないかって。」
「えっ…。」
「うわぁ〜すんごい嫌そうな顔された!」
「なんかやっただろ絶対!で、どうする?こいつの家は近いから歩いていけるし。」
「…いいですよ。」
「おっしゃ新たなる嫁!じゃさ、来てほしいときは連絡入れるよ。携帯ある?」
「嫁…?え、俺女の人の嫁になるんですか?」
「気にするな。こいつは根っからそうだ。
 携帯は持たせてないんだ。だから家に入れればいいじゃないか。折角あるんだし。」
「ん〜…あ、じゃあたしの携帯一個貸すよ。あと四つあるし。」
「何でそんなにあるんだよ!」
「仕事用同人用プライベート用婿用。」
「…私用って何だ。」
「文字通り婿の電話しか受けないやつ。他は着信拒否だから。じゃ、これプライベートの予備のやつ。じゃねー!」
「おい!ストーカー一歩手前じゃないか!!」
「はっはは!さらばぁ!!」

私の言葉を聞かずあっという間にあいつは外に出、エンジン音が聞こえた。
あいつは自分の欲望の為なら一生破れないような記録を打ち出していそうでハラハラする。
しかしこいつはいったいどうしたんだ?

「なぁ、なにされたんだ?様子がおかしいどころじゃないけど。」
「…いきなり部屋に入ってきて、そのソファに無理矢理座らされてからずっと身体触れてただけです…。
 妙に疲れた……。」
「…これから気をつけろよ。津岸さんいれば抑えられるだろうけどいなけりゃ覚悟しとくように。
 あぁ、あとレオンも常識人だし抑えてくれるだろうから。住み込みらしいし帰ってくればあとずっといるだろ。頑張れ。」
「俺なにされるんですか…?」
「ベタとかトーンは漫画の色塗りみたいな奴だったと思う。妹さんも手伝ってるって言ってたから簡単だろ。
 モデルは…気力で頑張れ。傷が残らない程度ならボコってもいいよ。」
「えぇえぇぇ…。」

奏音の元々低い高感度が更に下がっていくのを感じた。
…津岸さん、よくつきあってられるなぁ。





二週間ほどたったが、ルーターは未だに呼ばれていない。
どうやら奏音は本職の他にアニメのコミック化のストーリーを担当しているらしく趣味にまで手が回らないらしい。
もう九月。そろそろサクソルは帰ってきてもいいんじゃないかと思うが音沙汰はない。
部下の教育の重要性を彼には教えなければいけないだろう。
うちの会社はなぜか九月に夏休みがあり、観光するのにも混雑は避けられるので評判だが行事がないので暇である。

「図書館休みー行事はないー休みはあと二週間…あぁ暇。」
「でもいいじゃないですか、ゆっくりできるのは。」
「そうだが普段が忙しいとなにやるべきか分からないんだよ。…なんか無いかな。」
「そんな君には、じゃーん、お土産!」
「サクソル?!吃驚した…。」
「いいじゃん、折角帰ってきたんだよ?ルーターは死ね。」
「ま、まだ言ってるんですか…!そろそろ許してくださいよ…。」
「冗談かもよ?まぁ、ね。で、お土産。」

そう言い袋から箱を取り出す。中にはよく分からないものが入っていた。
なんだかツヤツヤしていて色はなんか毒々しい。食欲が湧かない色じゃないか、これは。
ルーターも同じように思っているようで顔が引きつっている。
その時、テレビの前においてあった携帯がメールの着信を知らせる。
これを幸いとして先に食べて置くようにいいその場を離れる。
名前を見ると奏音からでルーターに仕事かと思いそれを開く。

『あたしが修羅場してんのに旅行行くなんていい度胸じゃねーか!
 帰ってきたら見てろお前の持ってきた仕事だけぶっちぎってるから明日は覚悟しろ!
 ってか昨日レオンが帰ってきたからお前違う人の担当になれよ』

思いっきりミスっている。そうか、津岸さん復活したんだっけ。あとレオン帰ってきたのか。彼臨時じゃないのか?
というかこれなんで私のところに来たんだ。
疑問に思っていると再び奏音からのメールが来て間違って送った事に対する謝罪と
ルーターに明日来てほしいという内容だった。
それを伝えようと居間に戻るとサクソルに謎の物体を口にぶち込まれているルーターがいた。

「サクソル止めろ。ルーターが窒息死する。」
「大丈夫、死なないから。」
「でも止めろ!」
「じゃ、君も食べてよ。見た目は思いっきり悪いけど美味しい庶民食。」
「…いただきます。」

おそるおそるそれを口に運ぶ。
まぁ、見た目が悪いだけで味は美味しい。

「…すあま?」
「なんだい、それは。」
「なんかよく分からないやつ。あ、ルーター。明日奏音が来てくれってさ。担当二人紹介するって。」
「…いよいよ、ですか。」
「ま、二人は常識人だから。奏音が異常なだけ。頑張れ。」
メンテ
Re: Strange Friends ( No.23 )
   
日時: 2011/12/18 00:21
名前: あづま ID:PfjF7Tho

ルーターは奏音のところに行った。…常識人が二人いれば大丈夫だろう。
今日は図書館はやっているのでサクソルを連れて行ってみた。
本当はルーターも連れて来たいのだが電車を使わなければ時間がかかりすぎるので諦めた。
折角連れて行ったにもかかわらずサクソルは本に興味を示さずずっと外の景色を見ていた。
だから読みたい本を出来るだけ借り、帰りにデパートに寄った。
近くにスーパーがあるのだが近くまで来たしという事が主な理由だ。
サクソル・ルーター共に衣服売り場、レストラン、食料品売り場、雑貨売り場しか見せた事が無く
折角の機会なので全てのフロアを巡ってみた。
サクソルが言うにはデパートも人間の視点で回るのは初めてらしい。

「人間の視点で、という事はデパートに来たことがあるのか?」
「うん。修正のためになら何回かね。それだとあくまで“仕事”でしょ。
 だから仕事じゃなくて人間みたいにこうやって来るのは初めてだなぁって思ったんだよ。」
「結構大変なんだな…。そうだ、なんかほしいものあれば言え。少しくらいなら買ってもいいぞ。」
「本当かい?じゃあ、あれがいいな。おもちゃ。あれってどういうやつなのか僕興味あるんだ。」
「やっぱり年相応だな。…二階か、降りるぞ。」

エスカレーターを使い二階のおもちゃ売り場へと降りる。
そこでサクソルが選んだのは彼がよく見ているアニメのおもちゃだった。
他にもそのアニメとのコラボお菓子もあったので買い、デパートを出る。
帰りの車の中でサクソルはお菓子を開け、それについていた食玩が彼お気に入りのキャラクターだったらしく喜んでいた。





「はー、ただいま。」
「思うんだけどさ、今誰もいないのに何でただいまって言うんだい?」
「あー…クセかな。」
「そうなのかい?よく分からないや。」
「だろうな。あ、手洗えよ。」
「はーい。」

洗面所に行くサクソルを見てから携帯を開く。
電源は面倒だったので切っており、何か連絡があったかもしれないと思ったがそんな事はなかった。
サクソルが居間で買ってきたおもちゃを開封しているのを見てから自分も手を洗いに行く。
それから奏音にルーターはいつごろ帰れるかというメールを入れると電話がすぐに帰ってきた。

『もしもし婿〜?』
「あぁ。なぁ、ルーターはいつごろ帰れるか?」
『んっとね、ルー君どう?帰れるー?……あと一時間位したら帰れるんじゃないかなぁ?』
「おい、今の間は何だ?」
『へっへへモデルしてもらってたのー。レオンも一昨日帰ってきたからいっしょに頑張ってもらったぁ。
 キシがいるとこれはできないからね!あたしの目が萎える。』
「…精神的ダメージを負わせるものだったんだな、把握した。あれ?津岸さん今いないのか?」
『今仕事編集に持ってってる。修正ない事祈ってるよ。あとダメージは失礼じゃね?腐は購買層大きいのに。
 それに今やってるのは商業誌です!属性が無い人には迷惑かけてないもん!』
「…レオンとルーターは属性あったっけ……?」
『レオンははじめこそ辛そうだったけど今じゃちゃんとやってくれてます!むしろアドバイスくれるよ。
 男の気持ちはわかんないしね。ルー君もま、慣れるよ。じっくりやってあげるから。』
「要するに迷惑かけてるじゃ…切った・・・!」

会話から不利を悟ったのだろう、奏音は私の言葉を最後まで聞かないうちに切ってしまった。
ルーターって職業に関する運がとことん低くないだろうか。
暴力罵倒、麻薬販売未遂、精神攻撃……。
レオンもなんか変な扉を開いてしまったのではないか?なんか、二人が気の毒なんだが…。

「華凛、どうしたんだい?顔が暗いよ。」
「私達だけでも…ルーターには優しくしよう……。」
「へましない限りは構わないけど…どうしたんだい?」
「…すごい、哀れだ。」
「…考えておくよ。」





奏音が言ったとおり一時間後に出たらしく帰ってきたのはあの電話から一時間半後だった。
その様子は見ていられないほどで、サクソルもからかう事ができないくらいだった。
何も言わず寝室に入ってしまったルーターを見てからサクソルは私のほうに来た。

「ねぇ奏音ってなんか精神崩壊の術でも使えるのかい?」
「まあ、それに近い事はできるんだろうな…。知らないで近づいていったら終わりを見るよ。」
「…十八歳になったら教えてくれるって言ってた事があったんだけど、それも?」
「確実にそうだな。…お前、見た目が小さくて本当に幸運だな。成人だったら絶対にルーターみたいになってたぞ。」
「うっわあ。」

どこで十八歳になったら、という話題になったのかは知らないが確実にそれ系だろう。
ゲームくれたりお菓子買ってくれたりのいいイメージしかなかったのかサクソルは完全に引いている。
それからしばらくアニメを見ていたが内容が頭に入らないらしくテレビの電源を切ってしまった。
頭を抱えてため息をついている。

「なあ、晩御飯…。」
「食べれる気分じゃないよ……。」
「そうか。…ルーター。」
「どうも。なんとか、復活しましたよ…。」
「なんか、その、頑張ったんだってね。このままヘマしでかさなかったら待遇考えるよ…。」

サクソルの言葉にルーターは微笑み、彼の向かいに座った。
しばらく無言が続いたが、サクソルが仕事の内容をきくと一瞬ためらった後ルーターは話し出した。

「最初は自己紹介でしたよ。奏音さん、津岸さん、レオンさん。みんないい人だなってこの時は思ったんですよ。
 奏音さんは、まあ…。それから奏音さんが仕事を仕上げて津岸さんが会社のほうに持っていったら豹変しました…。」
「豹変って?暴力的になったりとかかい?そういう人には見えないけど。」
「まだ暴力のほうがいいです。最初は漫画を書くからモデルになってくれ、ってポーズをとったんですよ。
 でもだんだん体のラインが分からないから上着脱いで、とか言われて最終的に下着だけ。」
「下着姿くらい別によくないかい?そんなに嫌だったの?」
「…本当、こんな仕事先でごめん。」

この先の展開がなんとなく予想できた私は思わず謝ってしまう。
それにルーターは力なく首を振りサクソルは疑問に思っている顔をこちらに向けた。
しかし私の表情からは何も読み取れなかったのかサクソルが続きを促す。

「なぜか密室に閉じ込められたんですよ、レオンさんと二人で。二人とも汗かいてきたあたりで奏音さんに呼ばれたんです。
 その時レオンさんが気を強くもって、と言ったんですがなんだかよく分からなくて。
 で、ほぼ裸の二人が密着して?奏音さんが俺らの頭を持ってキスさせようとするし…あぁ……。」
「うん…ご苦労様……。待遇、善処するね……。」
「…あんなのが友達でごめん。」
「いいですよ。悪いのはあなたじゃないし。というかあれですよ、一番辛いのはレオンさんがデストル様に似てる事ですよ。」
「…は?あいつが?奏音と一緒に暮らしている人と似ているのかい?」
「まあ、俺は遠くから見たことしかないんで絶対そうだとはいえませんよ。ただ主な特徴が似ているってだけで。
 自分の上司というか大先輩にあたるだろう人を襲うって理解できない……。それに抵抗も無いって…演技だけど…。」
「…レオンの主な特徴は?」
「レオンさんなんで平気…男としてあれはいいんですかね?彼は守備範囲広いんですか?
 でも嫌がってもいいんじゃ…あ、演技してたから普通に受け入れたのかな…でも、それいいのか…。」
「ルーター、待遇変わらなくなるぞ。サクソルの質問に答えておけ。」
「え?…あ、レオンさんの特徴ですか。白人男性。髪は黒で長さはわきの辺りまで。」
「…あいつだ!」

そう叫んだかと思うとサクソルは外に出ようとする。
それを止めようと押さえるができたのはたったの数秒ほどでするりとすり抜けてしまった。玄関から走り抜けるサクソル。
おかげで自分の腕を思い切り痛めることになる。
なぜすり抜けたのかと一瞬気をとられたうちにルーターが私の手をとった。

「追いかけましょう!」
「あ、でもいますり抜けた…。」
「分かります!でもサクソル様は奏音さんの家を知っているし、今は自分で作った服を着ていました。
 ならば自分の力を使いすぐに家の前に行くことも可能なのにそれをしなかった。それほど動転しているのだと思います。
 だから多分走っているはず。」
「え、あぁ。」
「サクソル様はデストル様を恨んでいます。もしこの世界で見つけたならば、彼を討つのに多少の犠牲は構わないはずです。
 でも、そうする訳には行かないじゃないですか?だから追いかけましょう。」
「わ、分かった。」

二人で玄関を飛び出し、奏音の家の方角へと走る。
メンテ
Re: Strange Friends ( No.24 )
   
日時: 2011/12/18 00:22
名前: あづま ID:PfjF7Tho

走っていくとすぐにサクソルに追いつく。
ルーターが推測した通りサクソルは気が動転しているのか力は使わなかったようだ。
一度帰ろうとルーターが言うがサクソルはそれに耳も貸さず走り続けた。
もう言うことは聞かないつもりだろうと諦め、私たちは奏音の家に走った。

「あれ?みんな勢ぞろいで。」
「っはぁ…。」
「婿、その息切れが色っぽい。」
「っねぇ、ここにレオンっていうのがいるんでしょ?そいつどこにいるんだい?」
「レオン?今買い物行かせちゃった。…ショタ、レオンに会った事無いよね?なんで会いたいの?」
「なんでもいいでしょ?ねぇ、どこ行ったの?」
「あー…そういえばどこで買い物してるんだろ。でもいっつも一時間以内で帰ってくるしトーアじゃないかな?
 …なんか用があるんだったらあたし伝言してもいいけど。」
「トーア?スーパーの事?」
「そう。…何かあるんだったらうちで待って、ていいのに走ってったよ。」
「体力、馬鹿にならない…。」
「婿、ルー君大丈夫?息切れ酷いよ。ずっと走ってきたの?」
「あぁ。…ルーター、奏音のところで待っててくれ。レオンが来たら携帯に連絡くれ。」
「いいですけど…。」
「じゃ、行くから!」

そう言い残し華凛はサクソルを追いかけていった。
後に残された二人はそれが見えなくなるまで見送った。
そして、奏音が口を開く。

「なにがあったの、あれらは。」
「…サクソル様の、因縁ってやつ、ですかね?」
「サクソル“様”。」
「え、あ。」
「…話、してくれるんなら聞くよ。してくれないんなら、話させるから。」





「待て…、待てって!」

奏音の家に行くまでに全力で走ったからかなかなかサクソルに追いつけない。
小学生くらいとはいえ彼に疲労感が無いのかペースは全く落ちない。
だから私がいくら彼より走るのが速くても、こちらには疲労感もあるし、息切れもする。
そのせいか追いつけたのはスーパーの駐車場だった。
サクソルの格好は目立つし、私は息切れをしているので周りの視線が思い切り集まる。
だが、そんな事を気にしている場合ではなかった。

「なあ、人違いって事も……、髪が黒い白人も、珍しいってくらい、少ないわけじゃ、ないだろう…。」
「人違いなら別にいいよ。でも、あいつだったらどうするんだい?取り逃がしたら?」
「……今の時間、お前の外見じゃ補導されるだろう。…一緒に、行動しよう。」
「…足手まといに、ならないでね?」

二人で手を繋ぎ、スーパーの中に入る。
全ての売り場を念入りに調べたがレオンはいなかった。
もう帰ってしまったのではと言ったがサクソルはそれを否定した。
仕方なく周辺の住宅街なども探し、通行人には見かけなかったか質問するがだれも見たという人はいなかった。

「絶対、あいつだ。こんなに探しているのに、誰も見ていないなんておかしい。」
「たまたま…かもしれないだろ?」
「なんであいつを庇うの?何、華凛はあいつの事好きになったの?!」
「いや、それは違うって!」
「でもさ、レオンのときに言い寄られたんだろう?それで君の会社の人が嫉妬してたじゃないか!」
「いや…あれは…、……。」
「ねぇ、なんでそこで喋らなくなるの?お前もあいつの味方なわけ?僕の事、どうでもいいの?
 お前もあいつを選ぶの?あいつのほうが大事なの?」
「おい…。」
「……。僕、自分の時間で探すから。お前は僕の事どうでもいいみたいだからもう帰りなよ。」
「サクソル…。」
「否定、しないんだ。僕の事、お前もどうでもいいんじゃん…。」

ただ、そう呟いてサクソルは消えた。消える前の顔は初めて見る顔だった。
サクソルの事がどうでもいい訳じゃない。
突然現れて、最初は面倒な奴だと思っていたけど今はとても大切な人、だ。
大切な人をどうでもいいなんて思う事なんて私には出来ない。
でも、それは私の一瞬の躊躇によって伝わらないどころか真逆に伝わってしまった。
それは、レオンはデストルなんかじゃなくて、普通の人かもしれないという考え。
ルーターから以前聞いたデストルの外見とレオンのそれは一致する。
でも、レオンと会ったのはルーターから話をきく前だった。それのせいかもしれないが、
彼とデストルが同一人物かもしれないなんて一度も考えた事はなかった。
…探しながら、奏音の家に行こう。
もしかしたら本当に人違いで、レオンは奏音の家にいるかもしれない。





「おかえり。…ショタは?」
「先帰るって…。」
「ふぅん。婿、あたしは何があっても味方だからね。」
「ありがとう。…ルーターは?」
「寝てる。仕事、結構無理させたしね。抗体が無い人には辛いよね…あれはさ。」
「知っててやらせたのか?」
「知らないからこそ、どんな風になるのか見たかったから。悪い事したなぁ…給料弾ませないとね。
 婿も少し休んでいきなよ。…レオンは、帰って来てない。いつもはもう帰ってるのになぁ。」
「……。」

奏音の家にあがる。
そこは、お世辞にもきれいとは言えない家だが今の私にはなぜか居心地がよかった。
部屋の隅ではルーターが寝ていて、タオルケットがかかっている。
二人、向き合って椅子に座る。
しばらく、無言が続いた。

「…折角あげてもらったけどさ、帰るよ。」
「えぇっ、もう!?」
「鍵、開けっ放しなんだ。盗られるような物無いけど、泥棒入ったら困るし。」
「そっか…。」
「ルーターは起きたら来る様に行ってくれ。」
「分かった。」
「…面倒ごとに巻き込んで、ごめん。」
「気にしないで!いっつもあたしが巻き込んでるし?」
「じゃ。」

玄関まで来て、振り返ると奏音が笑顔で手を振っていた。
私が彼女を知ってからずっと変わらない笑顔を見て、心も少し晴れる。
軽く手を振り、家までの道を走り出す。





「婿も、バカだね……。」

扉が閉まる音。聞こえなくなっていく足音。

「ショタが帰ってるんだったら、鍵の心配いらないじゃん。」

二階に上がりカーテンを開ければ、通りを曲がる華凛が見えた。
…あの顔、一生懸命の顔。
からかわれてたあたしを助けてくれた、顔。

「大事なんだね、ショタの事。なんか嫉妬しちゃうなぁ。」

おんなじ、顔。





アパートの一室。
一ヶ月くらい前と同じく、静かでなんの返事も無い部屋だった。
サクソルは戻ってきていないし、デストルも来ていない。まぁデストルは来ないか。
一息つき、気分を入れ替える為顔を洗う。
視線を感じ、その方向を見ると子供が立っていた。

「なっ…!」
「チクタニカリン?」
「鍵、閉めてたよな。どうやって入ってきた!」
「貴女…チクタニカリン?」
「…なに。」
「チクタニカリンなのね…?」

子供が手を差し出す。その手をとらずただじっと見る。
これは危険だ――警察を呼ぼう。迷惑と叱られても構わない。
こっそりと、身体の後ろで携帯を取り出す。ボタンを押そうとした瞬間、白に視界を奪われた。
メンテ
Re: Strange Friends ( No.25 )
   
日時: 2011/12/23 14:34
名前: あづま ID:M0qpmRBk

なんでお母さん、いないの?
お仕事?そっか、なら我慢する……。


―ねぇ、名前なぁに?
華凛だけど。
―お家、どこ?遊びに行っていい?
……。
―遠いの?それとも習い事であそべないの?
家、ない。
―え?
お父さんとお母さんが忙しくていっつも家にいないからシセツにいる。
―寂しくない?
お仕事でいないだけだから。夏休みとお正月には帰ってきてくれてるし。シセツには会えない人もいるから。


他人の嗜好は他人のだろ?お前らがなんか言うことか?
―はぁ?だってよ、こいつキモいじゃん。キモいのにキモいっつって何が悪いんだよ!
―男同士でちゅーさせたりさぁ。お笑いならいいけどこれはキモい。サイテー。
―それに、ウチら思うんだけどさぁアニメ好きすぎじゃない?フィギュアも持ってるよこいつ。
―あとお前ウザイ。いっつも一人だし親なしのくせに!
親は、関係ない。私の悪口言いたいんだったら私のことだけ言えよ。あ、馬鹿だから言えないのか。
―お前、ふざけ
――ていっ!
―…っ、うわぁっ!
―ぎゃあぁぁっ!
……。

――ありがとー、初めてだよ。あたしのこれ見てもキモいって言わなかったの。
み、見せるなよ…。
――あっはは、ごめん。でもキモいって言われるのは分かってるし止めなくていいのに。華凛って優しいの?
なんで、私のこと知ってるんだ?
――ひどっ!あたし転校生、人見奏音。でももう一ヶ月前だよ?
そうだっけ…まぁ、宜しく。





「う…。」

どうやら昔の夢を見ていたようだ。…奏音は会った時から腐ってたんだな……。
喧嘩になりそうだった私達を止めるためになぜかあいつをからかっていた男子二人をキスさせたんだっけ。
それに驚いて相手は逃げて行ったんだったか。
起き上がると自分の部屋じゃないことに気づきまだ夢を見ているのかと疑ったが意識を失ったときのことを思い出す。
子供がいて、名前を呼ばれた。警察を呼ぼうとしたら、視界が白くなった。
辺りを見回すと整った広い部屋だということがわかった。
窓から外を見るとここは三階くらいの高さで、広い建物なのだろう。
となると、勝手に出歩くより誰かが来るのを待つほうがいいかもしれない。
ベッドに腰掛けるとタイミングを見計らったようにドアがノックされる。
返事をすると、そこには少年がいた。サクソルよりは大きい。小学校高学年。

「…目、覚めたのか?」
「見ての通り。…ここはどこだ。お前は。」
「ここは、デストルさんの家…?俺は…と、キズナ。」
「キズナ?キズナ君でいいのか?」
「そう!あ、デストルさん呼んでくる!そこ動かないで待ってろよ!」

ビシッという効果音がつきそうな勢いで私を指差し、それからキズナ君は走っていった。
私をここに連れ去ってきたのもデストルの部下なら、案外子供好き?
一分とたたず、再びドアがノックされ男性が入ってくる。
その姿を一瞬見て誰だかを判別した後、下を見て視界に入れないようにした。
豪華な刺繍の入ったソファに、男性が座る。

「…レオン、か。」
「そうなるね。結構楽しかったんだけどな、あそこの暮らしは。」
「お前は誰。」
「私は、レオン=フレスキ。奏音の、担当。…そんな顔しないで。本当のことを言うから。
 名前はデストルでサクソルは私の兄。あちらの世界で結果的には反乱を起こし、ここに追放されてしまった。」
「ここは?」
「簡単に言えば、魂の牢獄。ここに来た魂は転生させられないような魂なんだ。そして力を持てないように
 弱いものになっている。だからほとんどが子供だよ。」
「…なんか、喋り方が違うな。」
「そりゃ、私は見た目を変えられないし。だったらすこし弱気な感じがいいかなって。」
「なんで、サクソルを裏切った?あいつ、けっこうお前を恨んでいるように見えた。」

答えが返ってこないことに疑問を持ち、顔を上げる。
レオン…デストルの表情はなんだか困っているような表情だった。

「ルーター…って言っていたかな。あの子に聞かなかったのかな?彼、君に話したと思うよ。」
「あれは、又聞きだといっていた。本当のこと、おまえの感情を聞きたい。」
「…私の感情を。……興味だったよ。ただ、私個人の興味に多くの無関係を巻き込んでしまった。
 そこは反省しているよ。三人が消され、一人は無実でここに繋がれてしまっている。」
「興味…?興味で、反乱を起こして、何人も消されて、無実の罪でここにつながれている人も…?!」
「兄の力は修正だろう?それで、修正されるだろうと思っていたんだ。人間と同じように。でも、違った。
 私と一緒に反乱を起こした三人は兄と直属の二人によって消された。無実の一人…あなたも会ったはずだよ。」
「…キズナ君?」
「彼は違う。彼の魂は依存で他の魂を殺してしまうんだ。私が言っているのはグリーネル…君をここに連れてきた子供だよ。」
「…あの子が?」
「呼ぼうか。」

デストルは微笑み、首に下げていた装飾品の一部に息を吹きかける。
すると壁にかかっていた鏡が光り、そこから私を連れ去った子供が現れた。

「グリーネル、彼女に挨拶しなかったんだね?」
「デストル…さま、ごめんなさい…。」
「謝るのは私ではなく彼女に、だよ。それから、ちゃんと自己紹介して。」
「ぼくは、グリーネル。いきなり連れてってごめんなさい…。」
「あ、うん。私は竹谷華凛。…男の子?」
「まぁ、女の子に見えなくも無いよね。グリーネル、ここにいる?それとも、席をはずす?」
「デストルさまの…おそばに…。」

そう答えたグリーネルは、デストルの隣にちょこんと腰掛ける。
その様子を見ると、つい彼らが親子のように見えてしまいふき出してしまった。
それに、二人は驚いた顔をする。

「どこがおかしかったのかな?」
「いや…親子に見えてしまって。…なんで奏音のところに来たんだ?」
「偶然。私は他の国にも行って色々な人物になっているからね。一般市民だから兄の目にも留まらないのがほとんどだよ。
 ホームステイの話、あれは私がいろいろな国に行って働いたりして思ったことを言ったから信用してほしいな。」
「でも、戸籍もないし…どうやって働いたんだ?」
「洗脳だね。編集長さんもそうだし、君の同僚の沼川さん。彼にも一度洗脳をかけたよ。」
「え?」
「ほら、編集者であった時。君について行こうとしていたのに大人しくなっただろう?あの時だよ。」
「あぁ、あれ…。そういえばあの時何を話そうとしたんだ?」
「…君に関すること。でも、もう遅いからね。聞いても無駄だよ。」
「でも…。」
「過ぎた時間はどんなに悔いても戻せない。それに、いずれ忘れてしまう。時間がどんな感情も薄めてしまうからね。
 あぁ、悪いけどこれから見回りに行かなくてはいけないので失礼させてもらうよ。話し相手は必要かい?」
「まぁ…そうだな。色々な事聞きたいし。」
「そうか。グリーネルでいいかな。彼は私と同じ位…いや、私はたまに違うところに行っているからそれ以上だね。
 この世界にいるから質問したりしていて。なにかあれば彼が私を呼ぶから。グリーネル、よろしくね。」
メンテ

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