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[3476] Differences in Peace
   
日時: 2018/10/01 13:30
名前: あづま◆8kXyVF1umQ ID:1fl2iO3A

※更新鈍足!






◎はじめに
 この小説は、私が小学校高学年〜中学二年生位の間に書いたものを
 再編集したものとなっています。
 再編集とはいっても、ころころ変わる視点を統一(三人称化)したり、発見できた誤字を
 修正する程度であり、矛盾等は修正しきれていません。
 サイトに掲載するときに更なる修正や伏線の為に完全ではありませんが書き足したりしております。

 ジャンルはおそらくファンタジーです。
 常識の無い自分勝手な人物との共同生活のような内容が主となっております。
 この物語らは時代が前後していたり、複数の舞台が出てきますが
 世界観は全て同一となっています。
 稚拙な説明で申し訳ありませんが、どうぞお付き合いください。

◎次回予告
 更新は113話まで完了。
 次回114まで予定。いつ更新できるんでしょうか。
 
◎つぶやき
 取り急ぎ一話だけ。
 無事!内定をもらえました!!2年もかかった!
 本当に面接は万死に値している。
 データが本当に見つからないんだけど、どうしよう。

◎注意
 作品の中には流血や暴力、更には殺人描写があります。
 舞台となっている世界が地球の場合は特にありませんが、それ以外の場合は注意してください。
 また、一部エロのような物もあります。
 修正こそしていますが、考えれば推測可能なので苦手な方はご了承ください。

◎サイト
ブログ
 たまに更新予定なんかが書かれています
 
◎一覧
 Strange Friends      >>1-40
  かなり適当な設定   >>41-42
 Differences in Peace  >>43-

◎絵
 レイと奏音。このコンビは動かしやすい。
 スマホでも描けるもんですね。マウスが書きやすいけど、筆圧ではこっちに軍配。
 サイズがバカデカイかも。
メンテ

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Re: Strange Friends ( No.31 )
   
日時: 2011/12/29 16:08
名前: あづま ID:xusckUwM

あれから奏音は帰って来ず、グリーネルが食事を運んできた。
なんだか見たことが無いようなものばかりで、サクソルの土産のすあまっぽいのを思い出した。
……。

「あの、こう見られていると食べづらいんだが。」
「あぁ…ごめんなさい……。ぼく、あなたたちを…傷つけてばっかり……。」
「いや、謝ることじゃないが。…食べたいのか?」
「うぅん…ぼく、食べ物要らないから。」

グリーネルは私から視線をはずし、今度はルーターを見る。
二人は戦ったのでなにか問題が起きるのではと警戒してしまう。
しかしグリーネルはただじっと見つめるだけでなにも行動しない。何がしたいのだろう。
運ばれてきた食事を終え、話しかける。

「グリーネル、ルーターがどうかしたか?」
「ルーター……一生懸命だよね。…命令なら……守る為なら、なんでも、やる。」
「真面目だよ、こいつは。」
「うん…でもね、勝てないのが…あるの。」
「勝てない?」
「恐怖…!ぼくを、殺したがってた目、が恐怖…に、なった。」
「生命の危機ってやつじゃないか?」
「あの目…目……ぞくぞくする。だぁい、すき…。」

そう言ってグリーネルはルーターの頬を撫でる。
何度か撫でておもしろそうにくすくす笑った。
こちらを振り向き、私が食べ終わったことを知ったらしい。
皿を宙に浮かせ出て行った。
彼の様子になんとなく狂気を感じた。人の危機を喜んでいる…?
それとも、自分に殺意が向くことを喜んでいるのか、恐怖に飲まれたのがおかしかったのか。





食事も終わり、何もやることが無くなった。
サクソルの部屋にも言ったが例の子供がしばらく入らないで欲しいといい入れてもらえなかった。
奏音は相変わらずどこかに行っているのか帰ってこない。
ルーターは起きる様子も無く、小瓶は枕元においておいた。
デストルはもちろんキズナ君もこちらに来ないので暇な時間を過ごす。
その時扉を開ける音が聞こえそちらを向くと小さな女の子…サクソルよりも小さい――が立っていた。

「ねぇ、あんたが華凛?」
「そうだ。…お前は?何か用か?」
「エクリエル。あんたの部屋に案内しろってさ。ついて来な。」
「でも、こいつら…。」
「あんたが気にするこっちゃないよ。さぁ、案内すっから。」

私の返事を待たずエクリエルという少女はずんずん進んでいく。
どうやらこの子は自分の言ったことを曲げないような子だ。
こういう子に逆らうと後で痛い目を見る…そう思った。


しばらく進み、階段を上り突き当りの部屋で彼女が止まる。
そして扉を開け中に入る。
続いて私も中に入るが、ベッドなど見たことがあるものが少なくそれ以上進むのを躊躇する。
そんな私に気づいたのかエクリエルは大げさにため息をつく。

「ここがあんたの部屋。向かいはもう一人のお客さんがいるよ。」
「奏音のことか?」
「名前に興味は無いんでね、ただ騒々しい女だよ。連絡機の説明する。質問は後な?
 これが連絡機…離れた部屋にもボタンを押せば通じっから。怪我のおバカさんは青31。…サクソルの野郎は青13。
 ちなみにここは赤08。向かいは赤06。デストルとグリーネルは黄19。あいつらおんなじ部屋だから。」
「便利だな…。」
「関心してんじゃねーよ。まあ青13はしばらく出れないだろうから忘れていいだろうよ。
 で、ボタンを押すと…!」

そういって彼女は青31を押してから近くのクローゼットを蹴る。
するとガタガタと音がしてから勝手に扉が開き、そこから覗くとルーターの頭が見えた。
私が見たことを確認したエクリエルはクローゼットの戸を閉める。

「まぁ、こんな風に通じんだ。間違ってボタン押しちまってもこれに蹴り入れない限り動かないし。」
「どうも。…なんか、進歩してるな。」
「あんたの死後の技術だろうね。」
「そういえばお前って怪我の治療できたりするのか?デストルが名前出してたんだけど。」
「あぁ。でもサクソルはごめんだぞ。あいつは大ッ嫌いだからな。」
「そんなに…?」
「あぁそうさ。あいつのせいでこんなガキになったんだからな。不便で仕方ねえよ。」
「なんか悪かった。」
「もう用事無いな?じゃ、行くから。」

エクリエルは出ていき、部屋にまた一人なる。
連絡機以外の見慣れないものについて彼女は一切説明してくれなかったが、使わなければ問題ないだろう。
そういえばなんだかひどく疲れた。
実際に戦ったわけじゃないし、少し切られただけだが初体験の連続で疲れてしまったのだろう。
ベッドに寝転がり、しばらく考え事をしてから眠りについた。





「幼女!幼女!」
「うるさい!黙ってろよ騒々しい!」
「あぁもっと罵って!」
「だぁぁ…っ!そんなこと言ってっとな、デストルんとこ連れてかねーぞ!」
「あ、困る。ショタには会えないしルー君まだ寝てるしー。」
「じゃあ静かにしてろ。」

婿の部屋にいったら寝てた。寝顔可愛い。
なんもやること無いから放浪してたら案内してくれた幼女発見。レオンのところに案内してもらう。
なんか喋ると必ず反発してくれるのが面白いなあ。

「ここ!覚えたな?」
「んお?意外と近いのかぁ、うん。」
「それは肯定だと受け取っからな!じゃ、もう話しかけんじゃねえよ!」
「あたしが困ったときは許してねー。」

あーあ、無言で行っちゃった。…それは肯定ととるようにしよっか。
とりあえずココの人はみんなノックして入ってくるから一応ノックする。あたし優しい。
なんにも返されない。もう一度。……、いない?

「んじゃ失礼しますー!、なんだいるんじゃん。」
「奏音…あなたは……。」
「あたしは?」
「なんでもないよ。あなたに言っても無駄だろうからね。何か用事かな?」
「別に。婿は寝てるし幼女は行っちゃうし…。暇だったから。」
「私の都合はどうでもいいんだね。あなたらしい。」
「…出てけって言わないの?」
「言っても出て行く人じゃないだろう。むしろそれを言ったら倍は残られる。」
「分かってるね。約一ヶ月の同居は無駄じゃないってかぁ。探索させてねー。」

見たところ普通の部屋で、大きなのはベッドと机と連絡機と本棚があるだけ。
机の上には何も無いし、本を適当にとって見る。読めない、英語だ。
戻して他の本を見てもなんか英語。違うのは訳分からないやつ。…なんだこりゃ。

「レオンーこれなに?っつかなんの本よ。」
「それはあなたには読めない本だよ。」
「馬鹿には読めないって!?くっそ反論できない…!高校行けばよかったか。」
「そういう意味ではないんだけど…。」

本はもう無理だとして他を観察したいけど物が無い。
連絡機はボタンが多いな。
小物は見ても仕方が無いしなぁ…。仕方ないか。

「レオンー話そー。」
「何を?」
「なに…?それはあたしじゃなくってレオンが考えてよ。」
「私がかい?そうだね…奏音は私のことをどう思う。結果敵になったが裏切りだとは考えなかった?」
「別に。あたしはレオンのことイイ人だと思ってるし敵だなんて思ってないよ。
 ってかあのオドオドしたのは演技だったのね、今素でしょ?なんかそっち方面で裏切られたわぁ。」
「話し方に関しては華凛にも言われたよ。…そう思ってもらえるなら嘘でも嬉しいな。」
「わぁ、婿と同じ!…あ、もう戻るよ。なんかやってたんだよね。じゃ、まったね〜!」

レオンの返事を聞いて出てく。うん、場所も覚えた。
ショタは今日は無理だろうなぁ…ルー君もかな。…しゃーない、手入れしておこう。





「ぁ〜…寝た……。」

起きるといつも見る天井ではないことに驚き、すぐに前回もそう思った事が頭を駆け抜ける。
そうだ、拉致されてよく分からない世界に来たんだっけ。
まだ覚醒しきっていない頭で隣を見ると透明のふたがついた食事とメモが置いてあった。
しかしそれには何も書いていなくて不思議に思い手に取ると紙が暖かくなりおもわず手を離す。
今ので完全に目が覚めた。
おそるおそるその落とした紙を見ると文字が現れており、ルーターが初めて来た時と似たものだろうと理解する。
『あなたの時間では朝の九時。それを食べたら食器類はそのままデストルさまの部屋へ』
…どれだけ私は寝たんだ。



最後の一口を食べ、箸をおく。気を使ってくれているのか和食である。食べやすいからいいけど。
デストルの部屋ってどこだったか…と建物の内部を思い出そうとしていると突然扉が開く。

「おっは、婿!いっつもあたしより起きんの早いのにねー。」
「なんか疲れてたんだろうし。そういえばで…レオンの部屋ってどこだか知ってるか?」
「レオンって言ったねー偉い偉い。あたしを嫁にする権利を差し上げよう。
 あたしはレオンに呼んできてくれって言われたから来たんだよ。だからさ、行こう!」
「テンション高いな…。お前修学旅行のとき慣れない環境過ぎて物凄いテンション低かったのに…。」
「経験経験!れっつご!!」
メンテ
Re: Strange Friends ( No.32 )
   
日時: 2011/12/29 16:11
名前: あづま ID:xusckUwM

部屋を出て一歩踏み出すとどこからともなくグリーネルが出てきた。
それに驚き思わず扉にぶつかる。その音に奏音は苦笑しグリーネルは首をかしげた。

「グリちゃんどうしたの?遅かったから迎えに来た?」
「ルーター…目が覚めたから……。彼の部屋に、変更。」
「マジで。え、それでわざわざ来てくれたの?普通に紙寄こしてくれればよかったじゃん。」
「……。」
「行こっか。」
「あ、あぁ…。お前の適応性には恐れ入るよ…。」
「よっしゃ婿に褒められたー。」

一応ルーターの部屋は分かるが二人についていく。
サクソルの部屋を見るがまだ立ち入り禁止らしく扉の前に槍を持った女の子が座っていた。
あんな小さな子供でも槍を使えるのかと疑問に思う。

「…ここの、魂たち…みんな、武器、使えるよ。」
「うわっ…びっくりした。そうなのか。」
「うん…あなたも、練習すれば……?あなた、諦めなさそう。ふ、ふふっ!!」
「おい、何笑って…。」
「はっははははは!!あは、は、あははっ!!!」

いきなり高笑いをはじめるグリーネルに引く。
彼はふらふらとした足取りでそのまま進んでいく。あ、ルーターの部屋通り過ぎた。
何度か呼びかけるが反応せず歩みを進める。

「グリちゃーん、意識飛びそうだよ。あと進みすぎー。」
「あははっ、…、?あ…ごめんなさい……。」

奏音の言葉で正気づいたのか慌ててグリーネルは扉の前にやってくる。
そして軽くノックし扉を開け、私達を中に入れる。
中ではルーターがベッドに横になっていてデストルが開いたスペースに腰掛けている。

「おはよう。ルーター、もう大丈夫なのか。」
「ええ。立って歩けますよ。戦うのも、まあ…。」
「やあ、おはよう。華凛はよく眠れたようだね、一度部屋に行ってみたけど起きなかったし。」
「え、部屋に、はぁっ?!」

寝顔見られた…!
絶対情けない顔してただろうな…うわ恥ずかしい。
そんな私の心境を知ってか知らずかデストルは笑っていた。奏音はにまにまするな。

「大丈夫だよ、何もしていないから。あとグリーネル、怒らないからこちらにおいで。」
「……絶対?」
「絶対だよ。君がそんなに感情を出すことなんてしばらくぶりじゃないか。いつも君は感情の起伏が少ないから
 心配になるしね。もっと笑ったりすればいいのに。」
「…こっち来るんですか。」

デストルの言葉に私達の後ろにいたグリーネルはいつものように彼のそばへと駆け寄った。
しかしそれによってグリーネルと戦い傷つけられたルーターが不満そうな声をあげる。

「ルーター、君は逆らえる立場じゃないんだ。地位から言えばグリーネルのほうが君より上なんだよ。
 君はただの執行隊の一員にしか過ぎないけどグリネールは彼自身にしかできないことをやっているんだから。」
「えー何?グリちゃんしかできない事って何?レオン、なにそれ。」
「奏音さん…。」
「奏音は黙っていようか。」
「ひでえ…。」
「いや当然だろ。お前が話に割り込んだんじゃないか。」
「婿の馬鹿ぁぁっ!あたしの味方だと思ってたのに、思ってたのに!!」

そう叫んで奏音は部屋を出て行く。思ってたのにって二回言ったぞ。
とりあえず扉を閉めて話の続きを促す。

「…奏音は相変わらずだね。何回逃げられそうになったことか、思い出しただけで頭が痛くなりそうだ。」
「え、お前が担当でも逃げられてたのか?」
「まあ家から外には出さなかったけど。そこは津岸さんが感心してたね。
 ルーター、君はグリーネルより身分は低いしなによりも敗者だ。ある程度はしたがってもらうよ。」
「分かりました。でもデストル様、あなたの身分を出せばそれはサクソル様と同等ですし誰も逆らえないじゃないですか。
 なぜ出さなかったんですか?」
「今、私は追放されているから君とは立場が違うからだよ。その点グリーネルは追放者ではないし。」
「そうですか…。」

そう答えるがルーターの顔は納得していないと言っていた。

「で、君達に集まってもらったのはいつもとの世界に帰るか…できればこの後すぐがいいかなって思うんだけど。」
「なんでだ?」
「できるだけ早いほうがいいんだよ。兄様が開けてくれた所からなら大体時間も同じくらいに着くし。」
「…サクソルはどうするんだ。」
「それはあなたに抱えてもらうしかないかな。私は触れないからね。ルーター、君はどう思う。」
「別に構いませんよ。俺は皆に従いますから。」
「そう。じゃあグリーネル、奏音を探して広間へ。」
「…分かった。」

一言そういってグリーネルは消えた。
デストルは私にサクソルを迎えてから広間に行くように言った。
彼の言葉に扉を開けサクソルの部屋のほうの覗くと槍を持った少女はいなくなっていた。
部屋に入るとツンとしたにおいが充満しており、治療をさっきまで行っていたことを意味していた。
ベッドの近くに行くと、そこにサクソルがいた。
実際はどうか分からないが普通に寝ているみたいである。
彼を起こさないように抱え、広間と呼ばれる場所へ歩いていった。





昨日、彼らが戦った広間と呼ばれる場所。
戦いで破壊されたものも全て直っており、そこで戦いが行われたことは全く分からないほどだった。
腕の中に確かな重みを感じつつ進めば、奏音・ルーター・デストル・グリーネルがいるのを確認した。
どうやらデストルとルーターは話しているらしい。
そこまで走っていく。

「婿!やっと来たか。」
「できるだけ急いで来たつもりなんだけどな。そんなに待ったのか?」
「いや?ここ三分くらい出し全然。」
「じゃあなんでやっと、なんだよ。」
「カップルの気分?……ごめん。うー…レオン!婿来たよ!!」
「言われるまでも無いよ。」
「なんかひどい。」
「気のせいだよ、奏音。そんな事より君達がやってきたのはこの辺りでいいんだね?」
「ええ。落ちてきたのは多少のずれはあるでしょうがここですよ。」
「そうか。」

ルーターの返答を聞きデストルは何か杖のようなものを掲げる。
彼はしばらくそのままでいたがそれを降ろすとため息をついた。何があったのだろう。
少し考えたようだが、ふと、ルーターを目に止める。

「な、なんですか…。」
「君は今執行者…それも勘違いできたんだったよね。」
「そうですけど。でもそれが何か。」
「兄様はどうやら裂け目をある程度修復した上で攻撃を仕掛けたみたいでね。はっきり言って、今のままじゃ戻れないよ。」

デストルは私達のほうを振り返る。
それは戻れないという事に私達がどのような反応を示すのかを楽しんでいるように見えた。
メンテ
Re: Strange Friends ( No.33 )
   
日時: 2012/01/01 15:26
名前: あづま ID:iU66QbQw

どうせその内帰れるだろうとあたりまえに思っていた。
しかし帰れない、というデストルの発言に考えが遮断される。

「どうやら兄様は私があなたの世界にこの裂け目から行かないようにと考えたらしいけど…。
 余計なことをしてしまったみたいだね。」
「あー…確かになんかやってたわ。手挙げて握るみたいなやつ。」

思い出したように奏音は言う。
だが帰れないと知った今でもあいつの様子は変わらず楽観的だ。
というより事態の深刻さを理解できていないような気がする。

「奏音、お前理解できているか?もう向こうに帰れないかもしれないんだぞ。」
「うん。まあこれが初めてじゃないし。キシからも解放されるじゃん。これから好きなだけ同人でいけるよ!」
「…ここに同人ってあったか?」
「あー!!っ、無いなら作るまで!あ…自給自足じゃん…むなしい。」
「奏音さんの基準同人ってやつなんですか?」
「だろうな。」

奏音の次元での深刻な事態にことの重大さを知ったようだ。顔つきが一気に変わる。
ルーターも交えて話し合ってみるが解決方法はなかなか見つからない。
帰れないという爆弾を落としていった人物は相変わらず私達の様子を楽しんでいるようである。
そういえばこいつは愉快犯って言われてたっけか。
そして彼に従っているグリーネルは相変わらず無表情だ。

「解決策は浮かばないかな?…奏音はなんか自分の世界を作っているね。」
「悔しいけどその通りだ。」
「だってこっちまで飛ばしたのサクソル様ですし。思いつかないですよ…。」
「同人……。」
「私はね。」

デストルはルーターの方を向く。

「君を評価しているんだよ。」
「じょ、冗談はよしてくださいよ!俺なんて剣だけが取り得って…でも負けちゃったし……。」
「確かに負けたね。でも人間体だからダメージも蓄積されるし力も抑圧される中でグリーネルと渡り合ったのは素直にすごいと思う。
 それに不意打ちとはいえ私にも一撃入れたからね。」
「でも結果的に負けたじゃないですか。」
「これらを賞して君に力をあげようかなって。」
「えっ?!」
「まあただ単にグリーネルだけじゃ時空を開けるのは無理そうだからね。私はどう足掻いても人間体だから疲労もあるし。
 君に力をあげれば人間の二人は元の世界に戻れる。君は主の世界に戻れる。いい事だと思うんだけど?」

デストルの提案に顔を見合わせる。
確かに彼の案に反対する余地は無いし、私達が話し合った所でこれよりいい案が浮かぶとは思えない。
賛成の意味を込め、頷く。

「お二人は賛成のようだね。あとは君次第だよ。」
「……。」
「それに値する事はやったとは言え信用されてないなぁ。私は試練を与え文明…新たな道を授けるように言われていた。
 この世界での出来事は君達にとって試練だっただろうし、私が力を与えることで道を進めると思うんだけどな。」
「…分かりました。お願いします。」
「お願いされました。」

そうして微笑みながらデストルは一歩前に踏み出す。
そしてルーターに手を差し出し、彼もそれをとり二人は目をつぶった。

「あ、ルー君の方がレオンより背高いんだね。」
「どうでもいい。」

奏音の場違いな発言に思わずそちらを振り向いた瞬間、光があふれて目を開けていられなくなった。
しばらくたってから恐る恐る目を開ければまだ少し眩しいが周りを見れるようになった。
ルーターは膝をついていて息が荒い。それをグリーネルがさすっている。
デストルはそれを眺めていたが疲労の色が見えた。

「っはぁ…あ、戻った!!」
「そりゃあ、ね。じゃあはじめようか。時間もあんまり無いだろうしね。グリーネルが兄様の閉じた所に沿って開く。
 だからルーターはそこに入ったら維持しつつ皆を送り届けるんだ。なにを使うかは…分かるね?」
「ええ。」
「そうか。じゃあ、始めよう。グリーネル!」
「…うん。」

グリーネルが私たちから少し離れた所で両手を頭の上であわせ、それをだんだんと広げていく。
すると徐々にではあるが乳白色の空に赤い線が現れ始めた。
ルーターはグリーネルのそばに行き様子を見ている。

「あら。こっちに来た時は地面が見えたのに。これは向こうの空なわけ?」
「空…奏音の家の庭かな。そこから来たんだね。」
「おお!当たりだよん。…お別れ?」

奏音の寂しそうな声が響く。こいつ、こういう声が出るのか。小学校からの付き合いだが聞いたことがない声色だった。
それに対し、デストルは微笑む。

「分からないよ。未来を見たらつまらないからね。」
「んー…まあ、会うことが不可能だったとしてもあたしは不可能を可能にするからね!
 ちゃんと、ちゃんとそのままあたしの嫁でいること!」
「はいはい、結局嫁か。でも奏音らしいね。じゃあ、そのまま私の同居人兼仕事のパートナーでいてもらおうかな?」
「同居人止まりー?……じゃ、またね。」

奏音は笑顔でそう言い、ルーターたちの方へ歩いていく。
そしてグリーネルの力によって起こっている不思議な出来事にただはしゃいだ声を漏らしていた。
赤はだんだんと広がっており、それが夕焼けだということが誰にでも分かるくらいになった。

「もう通れるかな。華凛、二人のそばへ。」
「……。」
「今、あなたは何を言いたいのかな…。どんなに人間と触れ合っても感情までは理解できなくてね。」
「元々が違うからな…。私は人間、お前は元天使っぽいやつ。」
「天使?兄様が言ったのかな?私は天使みたいなきれいな存在ではないよ。…もう時間だ。」
「和解の可能性…ない、よな。…また。」
「機会があればね。……もう少しだけ兄を、頼みます。」

デストルに軽く体を押され、ルーターの元へ行く。
もう私達が通るくらいには十分な広さの夕焼けが見えたが道のりは遠そうだ。
サクソルをしっかりと抱え、ルーターに向かって頷く。
彼は私と奏音の肩に手をかけ、地を蹴った。すると自然と浮き上がり足の下を風が吹き抜けていく。
驚きで下を見ると真剣な顔で道を作り続けるグリーネルと軽く手を振るデストルが見えた。
瞬間、私達の周りにシャボン玉のような膜が現れ、彼らの世界は遠ざかってやがて見えなくなった。





「…これで、ぼくは終わり。…あとは、ルーター次第……。」
「お疲れ様。…でも華凛は疑問に思わなかったのかな。私はいろいろな国に行っていると言ったしそのためには
 こちらからも道を作らなければならないのに。」
「そう…いえば……。」
「言ってくれれば奏音の家の近くの道を使えたのに。でもこれも試練かな。
 彼女達には新たな道が開けてくれるよ。私がいなくなった後でも試練を与えていることに変わりは無いみたいだしね。」

両手を下ろし、グリーネルは自分の主を目に映す。
その顔からは何も読み取れなかったがただいつもの日常が帰ってきたことは理解した。

「…修正されない限り、ね。
 行こうか。キズナを起こさなければいけないしエクリエルが怒っているだろうからね。なぜ帰したって。」
「はい…いつまでも、おそば…に。」
メンテ
Re: Strange Friends ( No.34 )
   
日時: 2012/01/01 23:39
名前: あづま ID:iU66QbQw

今、私たちの周りは真っ暗で風すらも感じない。
はじめは夕焼けが見えていたのだがそれもしばらく経つうちに消えてしまった。
進んでいるのは間違いないのだろうが風も感じずただ停滞しているようにしか思えない。
奏音は暇だからと言って眠ってしまい、今は私もサクソルを抱えルーターと座っている。

「なかなか着きませんね。多分これであってると思うんですけど。」
「向こうに行ったときはどれ位だったんだ?」
「一瞬でしたよ。まあ力の差なんでしょうね…。」
「あの…お前普通に座ってるけど問題ないんだよな?舵取りとか。」
「大丈夫ですって。」

妙に自信に満ちたルーターの言葉に私も一応安心する。
しかし本当にやることがない。ずっとサクソルを乗せている足も痺れてくるし。

「…あ、見えてきたな。もう後何分かで着きますよ。」
「え?なにも見えないけど。」
「確かに見えない…でも着きますから。奏音さん起こしてください。」
「あぁ。ほら、起きろ!」
「ぅ、っえ?仕事…?」
「起きましたね?じゃ、着くんで準備しててください!奏音さんはサクソル様を抱えて!」
「えー…あ、はい。」

言われたとおりまだ寝ぼけたままのようにしか見えない奏音にサクソルを預ける。
奏音はぼんやりとサクソルを抱きかかえる。大丈夫か、船漕いでるぞこいつ。
がっくんがっくんしている奴に気を取られていると突然周りが明るくなる。
いきなりの事に目がなれず戸惑っていると突然抱きかかえられる。
ルーターだな、と思った瞬間風が吹き抜ける。と同時に衝撃と痛み。

「っつ…!」
「あ、っ大丈夫ですか?!」
「舌噛んだ…ま、大丈夫だ。無事に着いたのか。」
「ええ。なんとかですけど。」

ルーターが微笑む。
一仕事終えて安心した、というような表情だ。私も微笑みを返す。
未だ抱えられたままなので降ろしてもらい奏音とサクソルを探すとすぐ後ろでなにかに衝突したような音がした。

「いったあぁああぁああっっ!!」
「うわっ!おい奏音どうした、…なんだその状況は。」
「いやぁ面目ないー。ちょっとカッコつけようとしたらね、足ひねって木に正面衝突しやしたさーせん。
 あ、でもショタは無事よ。あたしだって一応受身は取れますからぁー?」
「なにやってんだ。あぁ、家上がっていいよな?」
「おとまり?布団ならいっぱいあるよ?むしろ泊まっていっきなさい!」
「なんで。」
「まあいいじゃないですか。折角だし泊まりましょうよ。好意は受け取って損はないですからね。」
「んー…じゃ、よろしく。」
「うっは了解!」

奏音の返事を受け、彼女のあとに続いて私たちも家に入る。
…鍵閉めてなかったのかよ、不用心な。





「ここお部屋ねー…。仕事……してきやーす………。あー…まじキシ死ね。こんなに仕事いらねえ。」
「珍しいな、お前が自分から仕事やるだなんて。」
「んー?コミカライズの方にさっさといきたいんだもん。あのアニメ楽しいんだ……。」
「そうか。頑張れ。」
「うい。」

部屋の案内だけされ私たちは三人になった。
サクソルはベッドに寝かせてあり今私たちは床に座っている。

「あ、そういえばお前力戻ったんだろ?もう戻れるじゃないか。いいのか、戻らなくて。」
「戻ってほしいんですか?」
「戻ってほしいか、って言われたらずっといてほしいのが本音だよ。
 でも、お前は前に戻れるって言われたとき喜んでたし帰るも帰らないもお前の自由だ。」
「…デストル様に力を頂いて俺はもういつでも元の世界に帰れます。でもこちらには命令が下されない限り来れません。
 だからまだいますよ。俺はサクソル様に従っていきます。もちろん、あなたにも。」
「そっか。嬉しいよ……。」

手を差し出し、互いに握手する。それは自然な事だった。
その後しばらくルーターと話した。お互いの世界のこと、仕事のこと、大切な物のこと。
やはり彼は人間と価値観が違う。
なんだかおかしい、そう思ってしまうような発言も何度かあったがその度にお互いに笑った。
時間がただ過ぎていくがそんな事も忘れ、ただひたすらに語り合った。





どうやらいつのまにか寝てしまっていたらしい。毛布がかけられている。
時計を見れば四時半。だめだ、二度寝したら確実に昼夜が逆転してしまいそうだ。
ふとベッドを見ればサクソルの姿が見えず起きたのかと一気に私も目が覚める。
急いで部屋から出て二階に下りると奏音の部屋から明かりが漏れていて話し声も聞こえる。

「何話しているんだ。起こしてくれてよかったのに。」
「あ、婿!いや無事仕事が終わったのでお祝いにビール。ルー君は二十歳超えてるんだよ…ね?飲んでるけど。」
「多分。」
「おはよう華凛。色々手間をかけたね、ありがとう。
 でもこいつの方が僕より後に生まれたんだよ?僕が飲んじゃいけないのかい?」
「んー体が未成年だしショタは駄目じゃないかなぁ。」
「じゃあ体を大きくすればいいのかい?」
「駄目だ。お前病み上がりだろ?それに中身がまだ未成年だ。酒を飲むのは私が許さない。」
「ケチ。」
「ケチで結構。」

思いっきりサクソルは気分を害したようで頬を膨らませた。
その様子がおかしかったのか奏音は思い切りビールを噴出す。あ、カーペットにかかった。
咽返っている奏音の背中をサクソルが軽くさする。奏音はそれにお礼を言っていた。

「うぁー、死ぬかとおもったぁっ。ところでルー君、なんでダンマリなの。何、酔った?」
「奏音、こいつ力取り戻したんでしょ?だったら酔ったりなんてしないと思うんだけど。」
「おーいルーター…。駄目だ、完全に目がすわってる。って飲むのかよ!」
「…酒って中から効く、のかい?あ、でも毒は効かないし…特殊な力だけだよなぁ。」
「おい、もうやめろ!飲みすぎ!お前何本あけたんだよ。なんか服が酒臭いんだが。」
「え?なんぼ?…七ですよーぉ?」
「あー!駄目婿に絡んじゃ駄目!はいはい七本ぽっちで酔うおバカしゃんはお寝んねの時間でちゅよー。
 ゆぅっくり寝まちょうねー。」
「かおさー…ことは、へん……。」
「呂律回ってないぞ。もう寝とけ、悪い事は言わない。」

ごねているルーターに奏音はいらついたのか部屋を出て行ったかと思うとすぐに戻ってきてビンを渡す。
それを見て酒だとわかったらしく一気に飲むとそのまま倒れてしまった。
その様子を笑いながら奏音はサクソルに缶を三本渡す。甘酒のようだ…これなら大丈夫だろう。

「…力が戻ったはずだから眠らないのにねぇ。奏音、なにやったんだい?」
「これ度が結構強い奴なのよ、貰い物。割らないときついんだよね、…まぁくれた人は普通に飲んでたけど。」
「じゃあ酒強いのか。へえ、一緒に飲んでみたいな。あと飲み比べとかもか。」
「婿お酒強いもんね〜。上戸ちゃん!でもくれた人ザルだしなぁ…。」
「私は一升くらいなら酔う程度なんだがそれでも負ける感じか?」
「でもそれ日本酒でしょ。あっちはウイスキー一升くらい飲む強さよ。あたしなら死ぬ。」
「ウイスキーか…それは無理だな。でも酒蔵巡りとかしたいな…楽しいだろうし。」
「……まぁ、連絡取れたらまわすよ。」
「僕には何の話か分からないなぁ。あとこれ開けて。開けられない。」
「あーはいはい。」

サクソルから缶を受け取り開けて返す。私たちが話している間格闘していたらしいが開けられなかったらしい。
開けてあげればすぐにひったくられ飲み干す。

「甘いね。なんか苦いにおいしてたから覚悟してたけどこれはおいしいよ。」
「甘酒だもん!」
メンテ
Re: Strange Friends ( No.35 )
   
日時: 2012/01/07 19:25
名前: あづま ID:OQcm08Vs

「本当何なのこいつ!力戻ったのに!」
「まあいいじゃないか、結構活躍したんだぞ?褒美っでことで。」
「なんか華凛ってこいつに甘くないかい?」
「気のせいだ、気のせい。」
「車で送ってっても良いんだけどね。でも酔うんなら仕方ないし頑張ってー!」

一通り飲んだ後軽く睡眠をとり奏音の家を後にする。
ルーターはまだ潰れていてサクソルが力を使って無理矢理動かしている。
平日の午前中なので人通りはないに等しく目を心配する必要はないがやはり家に帰るまでは心配だった。

「あっ。」
「なんだい?」
「鍵ない…そうだ、閉めた後にグリーネルが来たんだった。うわ奏音に連絡入れるかな。」
「なんだ、それだけ?じゃあ僕が開けるよ。」
「開けられるのか?」

サクソルの返事の変わりにガチャッという音が聞こえる。ノブを回せば扉は開いた。
サクソルを先にいれ私は後から入り鍵を閉める。
送れて部屋に入ればルーターがソファに座らされており、その横でサクソルはただ座っていた。

「テレビ見てるかと思ったのに。」
「今の時間はやってないんだよ。夕方ぐらいにまたきたい所だけどお話があるからね。」
「そうか。」

サクソルの言葉に私も腰を下ろす。

「僕の意識がない間いろいろ気にかけてくれてたんだってね…。あいつから聞いたよ。」
「連絡…とったのか。」
「僕が意識を取り戻してすぐあいつが来たんだよ。奏音は仕事やってて気づかなかったみたいだしルーターは手伝ってたし。
 意識のない間のこと話して帰ったよ。ありがとう。僕みたいな訳分からない奴のこと大切だって言ってくれたんだってね。」
「一緒に暮らしてるからな。どんな奴でも大切になっていくよ。」

大切になっていく、という私の言葉にサクソルは驚いたような顔をした。
しかしそれはすぐに消え、一瞬つらそうな顔をする。そしてまたいつもの表情に戻った。
次々と変わる彼の表情に私も驚いたが彼は気づかなかったようだ。

「僕みたいなのが、ね…。僕は君と同じ立場なら犯罪者だよ。エクリエルに会ったでしょ?
 あれは僕が殺したみたいなもんだし。」
「でも、世界は違うとはいえ生きていたじゃないか。でもお前が修正しきれないって結構危険人物なのか?」
「そうだね…根本を狂わしかけたというか宗教関連かな。でも考えてみればあいつの世界に僕はやったんだよなぁ。
 存在を消さなかった……あいつの事、どっかで信頼してるのかな……。」
「お前たち、兄弟なんだろ?だったらどんなに恨んでもどっかで信頼してるんだろう。
 デストルが反乱を起こす前は結構仲良かったんだろ?私にはそういう人がいないから羨ましいよ。」
「まだあいつ僕の事兄って言ってるのかい?いい加減やめてくれないかなぁ…せめて言うなら僕の前だけにしてほしいよ。」

そう言ってサクソルは頭を抱えた。体は小さいが、兄なんだと思わせるような様子だった。

「こういうの聞くのはあれかもしれないが…グリーネルについてはどう思う?」
「グリーネル…か。色々な世界を見るのが好きなやつだったよ。あいつにも懐いてたなぁ。
 ルーター負けちゃったけどあいつと渡り合ったんだよね。僕じゃ多分無理だっただろうな。」
「え、という事はお前よりルーターのほうが強いのか?」
「僕が力を失った場合って事。グリーネルは光があるところなら自由に移動できるから神出鬼没って感じなんだよ。
 僕が刺された時は水の反射光から出てきたみたいだし。」

サクソルの言ったグリーネルの能力に納得する。
外ならばほぼ間違いなく彼に利があるだろうし、部屋の中では鏡で移動していた。それも反射光だろう。

「でもグリーネルってあいつの事好きすぎるなぁって思ったことはあるよ。
 マスターじゃなくってあいつに忠実すぎる。何回も戻るようにいったんだけど一緒にいたいってね。」
「まあそれは仕方ないかもな。接する態度が違ってたから。」
「…じゃ、ちょっと戻ってくるよ。報告しなきゃいけないしケナベルがまたなにかやらかさない様にしなきゃ。」
「ケナベルって問題児なんだな。その点スウィノーっていうのは普通なのか?」
「問題児、は同意かな。指示を控えめに出さないとやり過ぎて支障が出るから。スウィノーは捜索だからね。
 ただ手駒に苦労して…楽しんでるか、あれは。」
「手駒?」
「暇になるとそれの気に入ってる奴を虐めてるんだよね。干渉したくないって言って駒作ってるのに虐めるときは
 下りてってるし。…今気に入ってる奴はこの時代にいるし会おうと思えば会えるかもね。」
「本当か?会ってみたい。」
「じゃ、もし気が向いたら行くようにとでも言っておくよ。」

そう言って笑顔でサクソルは消えていった。そういえばこれを見るのも久しぶりだ。
あいつが帰ってきたらどっか遊びに行こう。
ルーターが車酔いが激しいのでどっか歩いていける場所がいいか…と計画を立てる。





あれから幾日か。遅い夏休みも終わってしまい、また日常に戻った。
計画こそ立てていたものの遊びに行くこともできず、休日に歩いてデパートに行く程度だ。
ただ、奏音が仕事を放り出して二人とどこかに遊びに行ったりはしているらしく何度か津岸さんから連絡もきたりしている。
その度に電話越しでお詫びと奏音が行きそうな場所を挙げるのが常となった。
ただ留学してきている外国人を案内している、という事で大目に見ているらしいが。本当にごめんなさい…。

「竹谷ー…また電話ぁ?何、彼氏でもできた…のか?」
「まさか。今回は津岸さん。また奏音が脱走したんだろうな。じゃ、失礼。」
「ふーん。ま、頑張れ。」

廊下に出てから電話に出る。案の定奏音が脱走したらしくまたお詫びを入れる。
そして彼女が行きそうな場所を挙げていき、電話を切った。
そしてまた仕事に取り掛かる。
数時間後、奏音を見つけたというメールが入っていた。どうやら三人であのケーキ屋に行っていたらしい。
諦めて編集社に帰ろうとしたところで発見したとか。お土産持っていましたよ、という補足もついていた。
サクソルが歩いていったことに驚いた。ルーターは力が戻った後でも車がトラウマになり乗ろうとしないし当たり前か。
彼らの土産を楽しみにしながら今日のノルマを終わらせるべく意識を仕事に持っていった。
メンテ

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