ホームに戻る > スレッド一覧 > 記事閲覧
[1374] LINK〜鈴の音〜【ただいま会議中】
   
日時: 2013/04/24 20:12
名前: 『LINK』リレーメンバー ID:yTzHxzjY

※このスレッドはリレー小説会議用です。メンバー以外の書き込みはお控えください。


【今週の会議議題】
樹・悠編のプロット作成・審議(みどりんはプロット案をスレに投下お願いします)
etc.



【主要】
世界観について
SM(スクールマジック、というか学園魔法)物。
 大昔に魔術という概念があり、それは限られた血統の人間しか使えなかった。多くの人間は魔術を崇めていたが、中には魔術を快く思っていない人間もいた。
 そんな人間達によって、魔術を使える人間の数は減少。やがて受け継がれる血は薄くなり、現代に至るまでに魔術という概念は人々の心の中から忘れ去られていた。
 しかし、ある科学者が魔術について記されている文献を解読する。魔術という概念に魅了された科学者は魔術についての研究を始めた。
 魔術復興のために廃校となった学校を改装修理して再び開いたのが物語の舞台となる星光学園。表向きは私立高校として通っているが、裏では生徒に魔術について教えている。だが、その中には魔術を善の道には使わず、個人の欲望のために使う者もいた。


遺伝子媒体機について
 昔、魔術を使えたのは限られた血統に族しているものだったという。そこで科学者は限られた血統の遺伝子の情報を宝珠に記憶させた『遺伝子媒体機』を作った。
 遺伝子媒体機を身に着けていればどんな人間でも初歩的な魔術程度は使用することが可能である。
 尚、この遺伝子媒体機は藤代家に代々伝わる『持つと水を操る魔術が使用できる』アイテムを元に作られた。
 遺伝子媒体機は武器タイプ、防具タイプ、装飾品タイプと三タイプにわかれる。


魔術について
・物質生成…火や水等の物質系を生み出す
・物体干渉…物体に影響を与える魔術
・生体生成…生き物を生み出す
・生体強化…生物の能力を一時的に強化する

この四つが主な魔術のタイプ。

・基本五種(火<水<自然<火<水……etc、光=闇)
・風
・地
・雷
・空間
・毒
・破壊

基本五種が魔術の属性の大本であり、其処から独自に属性が発展していっている。


意見いろいろ
・血統自体は現在も残っているが、魔術という概念自体が滅んでいるため、血統に属していても使い方を知らない人がほとんど。



敵について
 魔術悪用派、魔術反対派、個人的恨み派の三つのグループに分かれる。
・ラスボスは悪用派で、土壇場で反対派が協力。このとき恨み派は既に反対派と合併しており、主人公たちに加勢するぐらいならと、悪用派についてしまう。
・主人公サイドに反対派のスパイとして鈴堂 悠がいる。鈴堂家は代々魔術反対派。
・反対派には一部の政府の人間が絡んでいる。上には知られず内密的に魔術の存在をもみ消そうとしている。


ストーリー

プロローグ>>26

四月:新学期、テロ編(main:藤代万鈴)詳しくは>>1
五月:生徒会編(main:柴崎由良)詳しくは>>71
六〜七月:反魔術組織と悠編(main:鈴堂悠)>>24 >>68  魔術悪用組織と樹編(main:色葉樹)>>87
八月:夏休み、万鈴の婚約者編(main:藤代万鈴)
八月末〜九月:文化祭の準備、生徒失踪編
九月:文化祭、テロ再び編(main:全員)

未定(そろそろ黒幕の一部と戦闘?)


ストーリー案
万鈴の恋のライバル編>>59


【主人公】
否月とわ>>2 (色葉 樹/男)
まぴこ>>6 (藤代 万鈴/女)
亜緒>>8 (中空 朝焼/女)
碧翠 (鈴堂 悠/男)
にゃんて猫>>10 (柴崎 由良/女)

男:二人 女:三人

【サブキャラ】 >>46-49
スパイ&敵キャラ >>46
生徒会キャラ   >>47
クラスメイトキャラ>>48
先生キャラ    >>49



【参加者(敬称略)】
・否月とわ(いづきとわ>>3 
・まぴこ>>5 
・亜緒(あお >>7
・碧翠(そうすい>>13
・にゃんて猫(にゃんてねこ>>9





【今後の予定】
・世界観について(最重要)
・主人公・キャラクターについて(決定)
・ストーリーについて(一学期は大筋決定?)
・リレーの順番について(多分決定)


会議参加はこちら
携帯から閲覧している方はこちら
簡易版はこちら

にゃんて猫さんが、外部にリレー用掲示板を設置してくださいました
こちら
>>注意!リレーメンバー以外の利用はお控えください。


企画用メアドを作成しました。
gendaif510@gmail.com
リレーメンバーの皆様は、こちらまで連絡先のメールアドレスを記載した状態で届けてください。
(尚、このメアドにて使っている名前は本名との因果性はまったくございませんので、ご了承ください)

>会議は毎週水曜日の午後七時からです。
>ただいまSS(ショートストーリー)投稿期間です。

SSリンク(敬称略)
(樹×朝焼) 執筆者 にゃんて猫 >>17
(由良×朝焼)執筆者 亜緒 >>19
(朝焼×夜風)執筆者 亜緒 >>35

プロローグ(仮) >>26
メンテ

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 全部表示 スレッド一覧 新規スレッド作成

Re: LINK〜鈴の音〜【ただいま会議中】 ( No.90 )
   
日時: 2013/04/29 22:49
名前: まぴこ ID:lxDecGZw

遅くなって申し訳ありません> <;
先週の水曜日の会議内容です!


連休明けにの次の会議の時に1話投稿したいと思います。
なお、導入部分はにゃんてさん、テロ発生は亜緒たんとなっています。
よろしくお願いしますm(_ _)m
なお書く量は特に規定はありません。


あと個人的なことですが、部活の関係で会議に8時か遅くて9時ぐらいに来るかもしれません。すみません;

それと、会議に出席または欠席、遅れるなどの場合はTwitterかこの本スレにてお願いします。

  
みどりんへ
おお!Twitterやってますか!フォローしたいのでよかったらユーザー名を教えてください!!



メンテ
Re: LINK〜鈴の音〜【ただいま会議中】 ( No.91 )
   
日時: 2013/05/05 21:13
名前: にゃんて猫 ID:hSe6EAns

こんにちは。会議出れなくてすみません

近いうちに投稿できると思います。あとノリで担当以外の部分まで書いてしまったので併せて投下しますね

短いですがこれで
メンテ
Re: LINK〜鈴の音〜【ただいま会議中】 ( No.92 )
   
日時: 2013/05/14 23:44
名前: 亜緒 ID:6z5P8Pl2


夜遅くに失礼します
明日の会議…というよりは、五月末までは会議参加はできないかもしれません
中体連や、テストで忙しくなりました…
一応、会議の要約や、プロットを見て話の方は書かせていただいています
出来次第投下します

迷惑かと思いますがよろしくお願いします

メンテ
Re: LINK〜鈴の音〜【ただいま会議中】 ( No.93 )
   
日時: 2013/05/22 23:15
名前: にゃんて猫 ID:7kwZewZk



プロローグ(仮)




聖光鈴学園は彼の日本第三位の人口を誇る都市の外郭、田舎と都市の丁度水平線上とも言える場所に立地している。
東を見れば眩しいばかりの朝日に照らされた高層ビル街が。
西を見れば夕陽に輝いた緑に満ちた農村地帯が。
東西双方向に窓のついた廊下からどこか滑稽な風景が窺える。
立地条件も去ることながら、この地区は都市部の市に属していながら、農村部の町村とも深い結びつきがあったため
東西の人や物を繋ぐ、いわばパイプ役にもなっている。
そんな函南区(カンナミク)の南。一見何も挙げるところの無い住宅街の一角に、そこだけ開発が進んでいるのが一目で分かるほどの地帯があった。

―――――――政府直属機関及び地域開発担当大臣開発推進候補地区第一地区『旧・雛見村』

ここで、太古の昔に失われた『魔法』を復活させる極秘の活動が行われていることを知る人間はあまり多くない。
学園関係者及び地元の上層部。政府関係者に、雛見村一帯に散らばっている複数の魔法家系。反魔法団体を始めとする反発集団。

今年で設立十周年を迎えるこの聖光鈴学園で、トラブルが絶えなかった年はない。
開校当初はマスコミによって真相が暴かれてしまうのではないかという程の反対運動。
設立三年後には学園の生徒による魔法を用いた暴行事件。捜査をした警察側と学園側の対立が激化した。
五年目には学園内で魔法使用に対する意見の分かれから、校内で魔法暴行事件。複数の死傷者が出た。
七年目ごろからは反対組織によるテロ攻撃が表面化。学園上層部が報道規制に躍起になる中、生徒会を中心とした学園自治組織が自主防衛することが定着する。
そして昨年、遂に起こった大規模テロ。通称『深紅の月曜日』。
財閥の保護下にあったテログループが地元不良集団や児童託児所の少年少女を徴兵して結成した戦闘部隊。
それらが魔法資源やその有用性を求めて聖光鈴学園へ侵攻。学園の上層部を抹殺し、学園の生徒自主自衛戦線と激突。複数の死傷者を出した。
混乱はそれだけでは収まらず、大本のテログループが手を引いた後も暴走した不良集団が戦闘部隊を率いて戦闘を続行。生徒会長を除く生徒会執行部の殲滅や学園生徒の無差別殺戮が行われた。事態がようやく終結したのは同週の土曜日になってから。極秘で機動隊が出動し、不良集団の中心人物らを逮捕した。背後に居たとされる財閥やテログループの調査は行われず、学園側不良側合わせて五十人を超える死者。並びに千人を超える重軽傷者が出たことが明らかにされた。

にも関わらず、この聖光鈴学園が今日まで存続しているのには理由がある。
一つは、現時点で『魔法』を主体とする魔法学解明に必要不可欠な唯一の機関であるということ。
そしてもう一つが、魔術や魔法の濫用や悪用を目的とした集団から、魔法資源や魔術情報を保護すること。
後者の理由が存在することからも解る通り、この学園では設立当初から『生徒の安全』よりも『魔術の継承と保護』を優先する傾向があり、むしろ生徒はそれらを保護するための実践的な戦力として扱われている。(設立当初から今に至るまで、学園側と一部の生徒の間で主張は対立している)

今年も、聖光鈴学園に百八十二人の新入生がやってきた。
親元を離れ、多くの生徒が隣接して建てられた寮から通学している。
入寮率は全体の九割八分。多くの娯楽施設を始めとする必要な機関が再開発地に集中しているため、帰省する時以外は地区の外に出ることが無い。
外部から通学して来ている者に関しても、学園のことについて周囲に一切洩らさない様に封印術式が掛けられている。
しかし彼らはまだ知らない。この学園に入るということ自体が、囚われの牢獄に入れられることと同義であることに。
多くの監視の目を盗んで、今日も学園内に潜入している組織のスパイがいることも。
一部の組織や個人がこの学園を目の敵にしていること。または悪用しようとしていること。
そして―――――――――



入学式から二週間後、まるで洗礼のように訪れた災厄に、新入生達は晒されることになる。
















『この学園は俺たち【赤の魔獣】が占拠した。繰り返す。この学園は俺たち【赤の魔獣】が占拠した』
 突如響いた緊急放送。しかしその声は野太く、放送員のものではなかった。
 声の背後でジャラジャラと音がする。金属器が触れ合う音。数度の爆発。授業中だった二年の教室はすぐに騒然となった。
『一年棟は全て我々の手中にある。抵抗するようなら一年坊主共の命はない』
「何事ですか! 一体何が起こって……」
「先生、避難した方がいいんじゃないですか」
 魔術詠唱担任の山田がおろおろする中、級長が発言する。教室にいた一同は皆青ざめた顔をして頷き合い、机の上のノートや黒板に円を描き始めた。
 軽く五秒程度、慣れた手付きで怪しげな術印を書き終えた生徒たちが、すぐさま『消えた』。また一人、また一人と消えていく。
 移動魔法で体育館に避難しているのだ。ちなみに、魔法の使えない山田先生は駆け足で体育館へ向かった。近頃では珍しい、魔法を使えない魔法学教師である。
 級長の生徒が、みんなが移動し終わるのを見計らって自分も転移しようとした。
 だが、まだ人が残っていた。それも、二人。
「あなたたちも避難しなさいよ」
「分かってますよ。ただ、ちょっとこの部分のノート写しきれてないので」
「馬鹿言ってないで、早く」
 悠長に黒板に書かれた文字をノートに板書している少年に、級長が近づく。
「ノートは後。とにかく今は……」
「彼よりもまずは貴方の方が移動した方がよろしいのでは?」
 級長の耳の後ろから、滑らかな声が響いた。振り返った途端、その肩に術印の描かれたノートの切れ端が張られる。
「私共のことは心配なさらず。では、いってらっしゃいませ」
「ちょ―――」
 級長が何か声を上げる前に、その体がフッと消滅した。
 教室の中にいるのは、少年と少女だけになった。
「無茶をしますね。あとで怒られますよ」
「この状況でノートを取れるあなたの方が余程呑気で御間抜けですわよ」
 少女は黒い少し長めのショートカットで、スカートは規定よりだいぶ短い。顔立ちはどちらかと言えば日本女子だが、ややつり上がった目の色は、燃えるような深紅に染まっている。
 一方少年の方は深緑のような、微妙な色合いの髪が、これまた微妙な感じでハネており、そのうちの一本が絶妙な微妙加減でアンテナのように生えている。それ以外は、いたって普通の高校生のように見えなくもない。
「……よっし、写し終わった」
 少年が起き上がって伸びをする。
「で、どうしますの?」
 少女が呆れた顔で少年に聞く。
「どうするとは?」
「ここに残った理由」
「ノートを取るためですが?」
「本当に脳天気な頭をお持ちでいらっしゃるみたいね」
「個人的には天然だと思うんだけどなあ」
「やってることが一緒なら天然であろうと何であろうと変わりませんよ」
 そんなやり取りをしているうちにも、かけっ放しの校内放送からは爆音や発砲音、魔法機構の起動音も聞こえてくる。状況から考えれば、二人がこうして平然と会話していることが、すでに異常だった。
「どうする? なんかヤバいみたいだし私達も避難しますか?」
「馬鹿言いなさんな。わざわざ残っておいて遅れて避難するなど格好付きませんわ」
「格好付ける事態でもなさそうだけど」
「あなたは一生馬鹿やっていてくださいな。私は行きますよ」
 少女が盛大に溜息を零して廊下へ出る。その背中に向かって、少年は声をかけた。
「転移魔法は?」
「使いません。転移した先が戦場の真っ直中では拉致があきませんからね」
「じゃあこっちがオススメですよ」
 少年は、廊下と正反対の窓を指で示して言った。
「一年棟は二年棟の真向かいだ。転移魔法を使わないなら、こっちから行った方が断然早い」
「中庭を飛び越えるんですの? いったいどこまで天然……って、ちょっと」
 言いかけた少女の手首を少年が掴んで、走り出す。開け放たれた窓を一足跳びで乗り越えて――――
「しっかり捕まってて」
 瞬間、少年のあいた方の手に光が生じる。
 それはまるで糊のように彼の手に巻き付いて、それから細い棒状のものになって分離した。そのまま、どんどんと大きく成長して、武器の形を纏った。
 植物系魔導銃槍『華幻センプリチ』である。
「よっ」
 一息のうちに、空中で少年がそれを反対側の校舎に向かって投げる。槍投げのようになって飛んでいった銃槍は窓ガラスを破り、廊下の壁に突き刺さった。
 その途端に、落下していた二人の体がぎゅっと横方向に凪いだ。そのまま、ほぼ地面に水平に引っ張られるようにして槍の元へと運ばれていく。少年の手に巻き付いた長いツルが、あたかもリールのように巻き取っているのだ。
「窓のフチに当たって怪我しないように」
 半壊した窓ガラスを両足で突き破って着地する。ガラスの破片は小さく砕け散り、二人の体にはほとんど傷をつくらなかった。
「まさか物理で移動するとは……恐れ入りましたわ。主に発想が」
「魔法学園を襲撃するような連中です。おそらく転移しようとしても何かしらの妨害がされていたでしょう」
 少年の言葉通り、廊下の内側は乱雑に描かれた魔方陣と思しき大量のコピー用紙が、窓際の壁を覆うようにして張られていた。そしてそれは、棟の端から反対側まで続いている。
「何ですのね。こんな面倒なことをするくらいなら、それこそ防壁でも作ればよかったでしょうに」
「いや、この学園の力を以てすれば、外部の魔術師の防壁なんてあって無いようなものでしょう。ならばせめて無人区域に進入されないように――――まあ、要するに保険ですね」
「ガサツな集団かと思ってましたけど、思いの外変なこだわりもあるようですわね」
 そう言って少女が周囲を見渡す。この廊下は運良く無人だったようだ。しかし、どこからともなく怒号や罵言、爆発音が響いてきて絶え間なく校舎が小刻みに揺れている。
「一年棟を狙ったのも、まだ魔術師として未熟な集団を狙ってのことでしょう。おまけにこの時間一年は自主研修。監督の先生方はほとんどが中央棟で会議をしていたはずです」
「留守を狙ったってわけか……やけに段取りが良くないかい?」
「そうですか? まあ、内通者なんていない方がおかしいですけど」
 その時、廊下の向こうからパラパラと足音が聞こえてきた。上の階から、こちらの階へ下りてきている。
「誰だ! そこにいるのは!」
 野太い男の声。銃火器で武装した数人の男達が十メートル先に現れる。
「自分達の仲間じゃないなら敵でしかあり得ないだろ普通に考えて……」
「ぶつくさ言ってないで応戦しますわよ。連中が私たちのことを舐めているうちに」
「そうだね」
 男達が銃火器の狙いを二人に合わせる。少年は不気味なくらいニコニコと笑みを浮かべており、少女の方は眼力だけで殺してやろうかという眼差しである。
「お前達、一体何者だ。どうやってここに侵入した!」
「侵入したのはそっちでしょ……」
 少年がぼそぼそとぼやくのを、少女が足先で軽く小突く。やれやれと手で頭を掻いて、少年が再び不敵にも微笑んだ。
「二年一組、色葉樹(いろは いつき)。趣味は虫取りと植物栽培」
「同じく一組の中空朝焼(なかぞら あさやけ)と申します。以後お見知り置きを」
「あ、ちなみに侵入経路は窓です」
 二人が余裕の自己紹介を終えると、男達が半歩引いている。特に何かしたわけではない。二人の出で立ち、言葉、存在そのものが与えるプレッシャーが、無意識のうちに彼らをそうさせたのだ。
「ビ、ビビってんじゃねーぞテメーら! たかだか餓鬼二人だ!」
 そう言う先頭の大男も、すでに二歩近く足を引いている。
「撃てぇ!」
 号令の下、一斉に放たれる銃弾、弾幕。
「サポートは任せましたわよ」
「はいはい」
 短く言葉を交わし、二人は敵群めがけて突撃した。










「ええ。すでに馬鹿が二人、特攻して行きましたよ」
 無人の教室。その窓際で少年が呟く。
「……いえ、俺はまだ。もう少し様子を見てから介入します」
 無線機のような、それでいてどこか不安定な物体を左耳にあて、少年が会話している。その視線の先には、銃声と悲鳴の飛び交う一年棟があった。
「……分かりました。ではそういうことで」
 少年が耳から物体を離しかけて、止まる。まだ話は続いていたらしい。少年は適当な返事でそれを流して、通信を打ち切ろうとする。
「ええ……ええ、はい……安心してください。分かってますよ」
 少年はやけに自信にあふれた声で通信している相手に告げた。
「俺が止めますよ。今はまだ、この学園で好き勝手やられたら困りますから」
 少年が耳から物体を離す。それは離した瞬間周囲に霧散して光の塵となり、空を漂って消えていった。
 一年棟では相変わらず、耳障りな音が一度も止むことなく続いている。少年は眼前の光景を一瞥し、教室をあとにして去って行く。
「鈴堂悠(りんどう ゆう)」
 誰かがそう呟いた。低い女の声だった。
 少年がバッと振り向く。あるのは、照明の消えた薄暗い教室の風景だけ。
「……誰だ?」
 影を縫うようにして消えたそれは彼の問いには答えず、もっと深い闇の色をした廊下の方へと消えて行った。
「……監視、か」
 少年――――鈴堂悠が一人呟く。うすうす勘付いていたことだ、と胸の内で自分を落ち着かせるように言葉を吐く。
「監視を撒いて、目立たないようにやればいいさ」
 そう言った彼も、廊下の薄暗い闇の向こうへと消えて行った。
 そうして、無人の教室だけがその場に残された。









「嘘……こんなことって……」
 見えるのは血痕と、血痕と、血痕。血痕だけ。
「まだ入学して一週間だってのに……」
「最低……最低よ」
「もう無理だ、御終いだ……何で誰も助けに来ないんだよ……」
「お父さん……お母さん……」
 団子状に教室の隅に押し込められた少年少女。クラスメイト達は皆、呪詛のように言葉を溢す。それはどれも悲哀に満ちていて、希望はどこにも見えない。
「どうにかしないと……でも、どうすれば……」
 藤代万鈴(ふじしろ まりん)は一週間前に入学したばかりの一年だ。よって、大した魔術を使えるわけでもないし、博学でも何でもないのでこの状況を打開する名案も思い付かない。
「でも、どうにかしないと……」
 そう思い、彼女が考えを巡らせていると、それまで教壇の上に腰かけて私達を監視していた男が怒鳴った。
「おい餓鬼共! ギャーギャーやかましいんだよ、一生口がきけないようにしてやろうか!?」
 男の手には、大口径のデリンジャー。更に三人の男達がベランダや窓際に立っていて、逃げように逃げられない。
 ここ一組だけではないだろう。他のクラスも同じ状況のはずだ。
 先ほどまで一年は自主研修中だった。先生が職員会議だった関係もあり、この一年棟に教師は一人として居ない。
 そんな時を狙っていたのか、どうなのか。ともあれ彼らは突然襲撃してきた。一斉に各ホームルーム教室に立ち入り、入口近くにいた生徒の足やら手やら撃ち抜いて威嚇した。
 撃たれた子は気絶したまま眼を覚ましていない。皆がタオルやハンカチで止血しているが、早く処置をしないと死んでしまう。
「……助けを待っていては、死んでしまいます」
 万鈴はそう考えた。ではどうすべきか。
 彼らに処置を頼むか? それはどう考えても無駄というものだ。もしかしたらトドメを刺されてしまうかもしれない。
 ではこのまま助けが来るのを待つか? 男達は先ほど一年棟の上階にある放送設備を使って全校に犯行声明を流した。これは二年棟や三年棟にも伝わったはずだ。ならば助けも間もなく来るのではないだろうか。
 でも、撃たれた子はすでに顔面蒼白で、呼吸もどんどん切れ切れになっている。助けが来ても、すでに手遅れになってしまうかもしれない。
 なら、選択肢は一つしかない。
「皆さん、聞いてください」
 男達に聞こえないよう、声をひそめて万鈴が呼びかけた。全員が一斉に万鈴の方を向く。
「ここから逃げます。手伝ってください」
 魔術は使えなくとも、できることはあるはず。左手首のブレスレッドがキラキラと光る。
(きっと大丈夫だ、って私に呼びかけているみたい)
 深呼吸を一度。吸って、吐いて。
 反抗の狼煙が静かに上がった。










「どうかしら、三年前のことを思い出してる?」
 普段と変わらず、嫌味気な口調で聞いてくる副会長を無視して、少女は席を立った。
「監視に行く、鈴堂悠の」
 短く告げて、生徒会室を去る。後手にドアを閉める寸前に、中の会話が外に漏れて耳に入った。
「まったく、いいタイミングで仕掛けてくれたな」
「ええ、これで生徒会としても活躍の場が増えます」
「だな。これを機に我々の支持を上げ、生徒会の権威をより確かなものに……」

「……憎らしい」
 ドアを閉めた後、少女が空を見上げてぽつり零した。
「私はこんなものに忠誠を誓っているのか」
 答える声はない。
 少女はいつものように黒いコートを制服の上から羽織り、体躯よりも一回り大きい漆黒の大鎌をどこからともなく取り出し、右手に握った。
「柴崎由良(しばさき ゆら)。これより職務を遂行する」
 左手に持った通信機へ唾を吐くように言い捨て、彼女は騒乱の中に影となって身を投じた。
















二○XX年 四月二十一日  聖光鈴学園ジャックテロ 勃発


















お気づきかもしれませんが、だいたい前回と同じ+シーン追加しただけです。
自分の担当外については「こんなイメージなんですけど皆さんとめっちゃズレたりしてないですよね?」くらいの確認で取ってくれたらと思います。書くのは個人個人なので……

会議全然出席できてないですが、見れるときにスレ見るようにはしてます。
相変わらずの体たらくですがお許しください。

でわでわ。



追記
書いてて困ったのは樹の口調。設定通りしようとすると違和感ありすぎて変なことなっちゃいます
おまけに朝焼と似ててどっちがどっちか分からなくなるっていう……何とかなりませんかね
 
メンテ
Re: LINK〜鈴の音〜【ただいま会議中】 ( No.94 )
   
日時: 2013/05/22 23:41
名前: 亜緒 ID:pbwuhyLE


こんばんは
にゃんてさんのプロローグとお話にただただ感動しています
テロ部分が、私の担当と言う事でした….が…
にゃんてさんの、続きとして書くか、少し書きたさせていただくのか…
どちらが、いいのでしょうか?

とりあえずこの続きとして書かせていただきます!
あと、にゃんてさんと朝焼と樹の話し方が似ていると言う事ですが…
朝焼の口調をもう少し荒めにすると言う事でどうでしょうか
必要であれば朝焼の性格等は変えて下さって構いません!

それでは、おやすみなさい
メンテ

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 全部表示 スレッド一覧 新規スレッド作成

題名 スレッドをトップへソート
名前
パスワード (記事メンテ時に使用)
コメント

   クッキー保存