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[1072] あらあらまあまあ
   
日時: 2014/02/12 02:45
名前: 十一日 ID:tizYKycs

前より書けなくなっちったんでリハビリのです
しょっちゅう消します
にこにこ
最近はとちゅうでやめたやつばっかのせてます

2013年:>>90
2012年:>>63
2011年:>>23


コマさんとぼく
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メンテ

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コマさんとぼく ( No.87 )
   
日時: 2013/10/27 13:08
名前: 十一日 ID:BBsXFHO6

日曜日/水族館@

 コマさんの小さな両手が、大きな水槽にぴたりと張り付いて、コマさんの両目は、その大きな水槽の中を優美に泳ぐ色鮮やかな魚たちをじっと見つめる。
 コマさん楽しそうだなあ、誘ってよかった。そう思いながらも、ぼくがクリオネたちのいるうしろの小さな水槽を眺めていると、声がかかった。
「羽村くん見て!」
 はしゃぐコマさんの大きな声だった。
 コマさんのほうへまた戻って、なんだなんだと見てみても、とくに水槽の様子は変わっていない。
「どうしたの」
「魚の目おもしろいね」
「そうだね、ビー玉みたい」
「目の中に目があるね」
 ぼくもコマさんといっしょになって魚の目をじっと見つめてみたけれど、コマさんの言っていることは、わかるようでわからなかった。
 じつはここ数日コマさんはどうも元気がないようだった。それはぼくが原因なのかぼくが原因でないのかぼくには見当もつかなかったし、ぼくがコマさんにコマさんが最近元気がないということを言及してみても、コマさんはずっと「うん」としか言わなかったから、ぼくがいくらがんばってみてもコマさんがなにも言ってくれなかったりする限りは、ぼくにはわかることはないのだろう。でも、コマさんに元気がないとぼくの元気もだんだんと薄れていってしまうことはたしかなので、ずっと前から約束していたこともあって、コマさんを水族館に誘った。「日曜日水族館行こうか」と言うとコマさんはぼくに元気がないことを指摘されたときと同じく「うん」と返事をした。
 コマさんはぼくと違って水族館という場所に来たことがこれまで一度もなかったらしく、水族館につくなりコマさんはいつも以上にきょろきょろしだした。相当物珍しかったのだと思う。今もきょろきょろとしている。
 室内は暗く、水槽の青の光がもれる中、青のワンピースを着たコマさんはうっかり水族館と同化してしまいそうで、ぼくはコマさんを見失わないように、コマさんがかってにひとりでふらふらどこかへ行ってしまわないように、クリオネをしっかり見たあとに手を握る。クリオネの水槽の底には、数匹クリオネが沈んでいて、死んでいるんじゃなかろうかとぼくでも不安になったので、コマさんにはあえて見せないことにした。
 前を歩いていたうるさいカップルが原宿のクレープの生クリームの味の話をしながらさっさと数ある水槽を横切っていくなか、コマさんとぼくはひとつの水槽を時間をかけて見る。
「ふしぎだね」コマさんが言った。
「なにが?」
「目」
 まだ言ってる。
 コマさんのそういうところが好きだ。
 コマさんはすっかり元気がでたみたいだった。
 色鮮やかな魚の前に立って楽しそうな表情を見せるコマさんは、まるで、やっと人間になることができた人魚姫のようだった。ぼくにとってみればあまりにも幻想的できれいな光景だったから、もってるiPhoneをとりだして、こっそりコマさんのことを撮影しようとしたけれど、やめた。シャッター音がちょっとでもなれば、ぼくの見ている世界は一瞬で終わってしまうような気がした。
「羽村くんあっち行こう、あっち」
 コマさんが、ぼくの好きなクラゲのコーナーを指差した。
「あ、クラゲだ」
 ぼくが言うと、コマさんがにっこりとほほ笑んだので、ぼくはすっかりうれしくなって、気分はクラゲみたいに、軽くなった。
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コマさんとぼく ( No.88 )
   
日時: 2013/10/27 13:08
名前: 十一日 ID:BBsXFHO6

月曜日/首

 英語の授業はレベル別のクラス編成で、三つクラスがあり、ぼくは標準クラスに振り分けられていて、コマさんは、一番レベルの高い応用クラスに振り分けられている。国語のクラスはいっしょだけど、これだから、英語の授業のときぼくたちは同じクラスで授業を受けることはなかった。
 授業が終わる直前に、どうでもいいようなことで(本当にどうでもよかったから、内容は忘れてしまった)となりの席の女子に話しかけられた。あまりいい評判をきかない女子だし、実際、一年生のときぼくは彼女と同じクラスだったけれど、いいイメージはない。適当に相槌を打っていると、他のクラスの授業はもう終わったのか、ぼくらの教室のほうにいくらかの生徒がやってきた。まだ終わらないのかとでも言いたそうな表情で、ドア付近で生徒たちが教室があくのを待ち続ける。
 話はだいたいそこで終わった。丁度授業も終わり、教室に生徒たちが入ってくる。
 その中に、コマさんもいた。
 コマさんと、目が合った。
 コマさんの目は冷たくて、そこでぜーんぶぼくは今後なにが起きるのかを悟る。
 きのう水族館に行ったあと、コマさんは魚の目を「ビー玉みたい」だと言ったけれど、コマさんの目だって、だれかに拾われるのをずっと待つひとりぼっちのビー玉みたいだった。
 友人と昼食をとって、コマさんといっしょに帰る約束をしていたため、ぼくは午後の授業をとっているコマさんのことを図書室で待った。コマさんとすこしでも多く会話ができるようにとなんだか頭のいいひとが読んでいそうな明治の文学みたいなのを手にとってみたけれど、文字を目で追ってもその文字が頭に入ってくることはなく、ぼくは授業二時間分、わけのわからない時間をすごす。
 本を読むのは苦手だ。ぼくは図書室を出てそこらへんでiPhoneでYouTubeでも見ることにしようと外を出る。
 そこでコマさんと再会する。
 とにかくぼくがコマさんに「おつかれ」と言ったときだった。ぼくの「おつかれ」とコマさんの辛辣な言葉が重なった。
「あの女も死ね」
「だれのこと?」
 そこで忘れかけていたことを思い出す。
 あああの授業のときのあの女子―ーそういえばコマさんはひとのことを本気で嫌ったりしないような子だけど――あの女子のことは嫌いだった――
「ごめん」混乱しながら謝る。
 コマさんはよわよわしく細い腕をあげて、両手で持った日本史の分厚い資料集でぼくの胸あたりを思い切りぶん殴った。だれもいない図書室前の廊下で、ばすん、と間抜けな音がして、ぼくは我に返る。涙目になっているのが自分でもわかった。
「あやまれ」
「ごめんなさい」
 言われたとおり心からぼくは謝ったが、コマさんは「委員会の用事いってくる」と棒読みで言ったあとどこかへ行ってしまった。いつものおぼつかない足取りで。
 ぼくは呆然としてそこに体育座りをする。もうiPhoneを使ってYouTubeでホラー映像を見る企画なんかは当然日本史の分厚い資料集で叩かれたあたりからぼくの頭からはすっとんでいた。それがすっとんでぼくの頭の中はからっぽになって、ぼくはそこでただコマさんを待った。
 大体20分くらい。
 するとまたコマさんがくる。
 てくてくと歩く途中、コマさんの真顔は笑顔になった。
「さっきね、ワタナベ先生がおもしろかった」
「ワタナベ先生はいつもおもしろいよ」
「お茶の飲み方がおもしろかったの」
 とりあえずそれは言いたかったらしい。それを言い終えたあと、またすぐにコマさんの笑顔は真顔に戻る。それと同時にコマさんの持っていたスクールバッグがどすんと床に乱暴に置かれた。思わずコマさんの手元を確認すると、もうそこには日本史の分厚い資料集はない、きっと今頃ぼくなんかを殴る道具として使われたことにしょんぼりしているのだろう、ロッカーの中で。
 日本史の分厚い資料集のことなんかどうでもよかった。体育座りをしていたぼくは、胸ぐらをつかまれ、無理やり立たされた。コマさんの片手がゆらりと上がって、ぼくの肩を叩こうとした。部活動で鍛え上げられたぼくの反射神経はすばやく反応してコマさんの小さな片手をキャッチする。
「ごめんね」ぼくは言った。「もう話さないよ」
 今度はもう片方の手がぼくの肩を叩こうとしたけれど、ぼくはそれもキャッチする。
「ごめんね」ぼくは言った。「もう話さないから」
 コマさんの両手がぼくの手を振り払う。そのまま真っ直ぐ伸びてきて、ぼくの首を掴んだ。じょじょにコマさんの手に力がこもる。
「わたしといるときはあんなふうにわらったりしないのに」
「だってあれ、愛想笑いだもの、コマさんといっしょにいるとき愛想笑いなんかしないよ」
 ぼくの首を絞めて殺そうとする両手。けど、そんな力じゃ、ぼくのことなんて、絞め殺せないのだ。
「ごめんね」
「羽村くんのことだいすき」
「おう! 一番よく知ってるよ」
「でもあんなのと話してる羽村くんだいきらい!」
「そうか」
 それなら善処するしかない。
「だいじょうぶだよもうアレとは話さないしコマさんがアレ自体とアレと話しているときのおれのことが大嫌いだっていうのはきょうでじゅうぶんわかったからもうなにもしないよぜったいだよ、うそにならないよ、ぜったいだよ」
 ぼくはうそを一度もつかずに言った。
 ぱっと、コマさんの両手がぼくの首からはなれて、手がそこでパーになって、花が咲いたみたいになる。
 ぼくはコマさんのことを抱きしめた。愛しかったのも当然だけど、また暴れ出すんじゃないかと思って不安だったのもある。
「かえろう」
 ぼくが言うと、コマさんは「うん」と楽しそうに言った。
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しあわせな午後そして空想の東の魔女の終末によるこころのお昼寝と脳みそのとろみをわたしとわたしは忘れない(わたしにしかすぎ ( No.89 )
   
日時: 2013/12/28 00:56
名前: 十一日 ID:CpiTr6bU

途中まで書いてやめたので途中までのせます


■外

 東の魔女は、退屈で孤独なのかもしれない。だから、わたしのことを笑うのだ。
 わたしが、黒い星が散りばめられた買ったばかりのタトゥータイツをはいて、その脚を鏡で確認しているときも。友達と、学校の帰りにデザートを食べながらおしゃべりしているときだって、そう、いつでも、東の魔女はわたしのことを笑っている。
 はじめは、甲高い女の人の笑い声がきこえてくるだけで、そのわたしを笑っているのが東の魔女だということを知ったのは、つい最近のことだった。
「それ、魔女だよ」
 わたしがへんな相談をしてみると、とくに訝しむ様子もなく青山くんはわたしに言った。
「魔女」
「そう」青山くんは相変わらずつめたい無表情で、わたしと帰路を歩いていた。「魔女」
 青山くんがへんなひとだと知っていて青山くんとつきあっているので、わたしは「魔女かあ」と納得したふりをして青山くんのあとにのんびりついていった。青山くんのきれいな横顔を見ると、なんだかもう笑い声だの魔女だのどうでもよくなってしまって、わたしは、一瞬でついさっきまでそのことについて悩まされていたことを忘れた。
 それから青山くんの家に行って、青山くんの部屋でふたりで勉強した。正確には、勉強していたのは青山くんだけだった。わたしはいつまでもぐだぐだしたりふざけていたけれど、青山くんだけはずっと静かにまじめに勉強していた。テストでいい点をとりたいのかもしれなかった。それはわたしも同じだけれど、やる気のほうはなかった。
 勉強がある程度おわって休憩時間になっても、わたしと青山くんのあいだにあまり会話はなかった。わたしたちがあまり話さないのは、いつものこと。青山くんは、あまり話すようなひとではない。わたしのほうは他人から迷惑がられるくらいおしゃべりでうるさい子だけれど、青山くんの隣にいると緊張して話せなくなってしまうし、余計に口を開いたら青山くんにすぐにでも嫌われてしまいそうな気がしていたから、青山くんに積極的に話しかけるようなことはあまりなかった。だからふたりがそろえば当然会話はない。


■わたし
 ほんとはだれかに笑われるのがとってもこわい。ずっとそう思っていたらこうやって東の魔女がわたしのことを笑いはじめる。わたしは震えがとまらなくなる。ほんとうにこわくてこわくてしかたなくて部屋の隅っこで震えて泣いて鼻水もでてきて、たとえばわたしの胸元とか手とかが涙と鼻水、それから冷や汗でびちょびちょになる。そうしたら、やっぱりそれは汚いわけだからわたしはお風呂に入りたいなあと思ってひとりでおうちの中をふらふら歩いてお風呂場に向かう。それで、シャワーを浴びる。熱いお湯がわたしの体を流すと汚い液体とかといっしょにそれまでのこわさなんかもきれいさっぱり消えてくれる。シャワーを浴びたあとはお風呂に入って首から下をお湯につからせる。すっかり機嫌をよくして最近はやりの歌を熱唱したりカビがちょっと生えてきたおもちゃのアヒルといっしょに遊んだりしていると、そのうち自分がなにに怯えていたのかを思い出してわたしは泣きだしてしまう。青山くんとふたりでいるときもきっとわたしは今みたいにひとりなのかもしれなかった。泣いてもだれもこないからしかたない。わたしは青山くんのことを個人的に王子様だとほんとに思ってるけど「王子様だから」って学校で言ったりしてるけどわたしがこんなに泣いても青山くんがなにかを予感して白馬に乗ってわたしの家をぶち壊してお風呂場まで救出してくれることはまずありえない。(ありえてほしい)あおうやむあぐんあああああって泣きながら青山くんの名前を言ってみても青山くんまじで来ないしわたしはわたしで泣くだけなのだこうやって「うわーーーーーーーーん」もうひとりなのも疲れたしわたしの頭のちょっと上くらいで東の魔女は笑っている。ほんとに笑っている。ひょっとしたら、彼女は今手に鎌を持っていて、わたしの頭をスパーーーンと軽く一発でちょん切ってしまうかもしれないのだし、こわいこわい魔法で今以上にわたしのことをブサイクにしてくるかもしれない。「やめてよ!!!!!!!!!!!」だってこんな容姿でも好き好きって超本気で超たくさん言った結果ようやくだいすきな青山くんと付き合えた。ほかの男子とかみんな顔で女の子のこと選ぶのに青山くんはそうじゃなかったしわたしのがんばりもあってわたしたち結ばれたんだそれなのに余計にブスにされちゃったらどうしよう。さすがの青山くんもわたしに「さようなら」するかもしれない。「そんなことなくてもどうせいつか捨てられるよ」「はじまったものはいつか終わるんだし」「しょせん高校生の恋愛でしょう」「青山くんはほんとは■■のこと好きなんかじゃないもん。(やさしいから、相手してあげてるだけ)」それはわたしもちょっと思うけど違うよ違うってばアアアアアアアアアほんとにそういうのは笑 嫌い笑 なんでこんなに悩まなきゃいけないんだろうやっぱりくだらないていうか時間の無駄なのかもしれない。時間の無駄っていうのは青山くんと付き合ってることで間違いないなんでかっていうと青山くんがもしほんとにわたしのことを好きではないんだとしたらほら青山くんにもわたしにもかわいそうだし今までのなんだったんだってかんじだし=無駄。無駄なものは切り捨て。それでよい。でもそれってすごい悲しいことじゃんわたしこんなに青山くんのこと好きなのにじゃあわたしはもうどうしたらいいんだろうそれにずっと悩んでるわけだけど、だから切り捨てちまえっつってんだろボケ!!!!! 死ね! 死にたくないよ、まだ青山くんとなにもしてないしてないしてないし「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」←魔女 わたし→「ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
 北の魔女はきません!!!!!!!!!!!!


■外
「青山くん」
 やっぱり耐え切れなくなって、わたしは青山くんに声をかける。勉強を再開しようとペンをとろうとしていた青山くんの瞳が、わたしを見た。
 わたしは青山くんの制服の裾を引っ張った。
「どうしたの」
 こわくなったとか悲しくなったとかではなくて、ただ単純にわたしは青山くんと話したかったから、無意識に甘えていた。青山くんのことだから相手はしてくれないんだろうなと思ってあきらめかけていたけれど、青山くんはペンを置いて、わたしの手をそっと握った。


■わたし
 (脳みそお休み中)


■わたし
 (死亡)


■外
 いまわたしは青山くんといっしょにいる。と、いうのが、わたしの体の外から見える。と、いうか、わたしが見える。わたしはわたしの体から抜け出していた。これが「そう、幽体離脱」。いや、これは「魔女による魔女のための魔法」。
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2013〜 ( No.90 )
   
日時: 2014/01/04 14:43
名前: 十一日 ID:.bHY9Esw

2013〜

アーちゃん、しあわせのくに/しあわせのゆめ >>65
マナミとマリア >>66
ゲロ >>67
わたし、Aくん、「政治:『無為』=『無能』」 >>68
うさぎ >>69
最夜 >>70
死にたい子 >>71
ヨーちゃんとルゥちゃんの終わらない夢 >>72
しね >>73
青い鳥 >>74
BよりはむしろAしたい >>78
無題 >>79
よかった >>81
責任 >>82
蝉 >>83
ありくんはわたしの >>85
しあわせな午後そして空想の東の魔女の終末によるこころのお昼寝と
脳みそのとろみをわたしとわたしは忘れない(わたしにしかすぎない)>>89
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Re: あらあらまあまあ ( No.91 )
   
日時: 2014/02/12 02:47
名前: 十一日 ID:tizYKycs

無題、途中

平和

PCメガネを手に入れてからは安心している。画面の見過ぎで最近目が疲れてきた、と笑い飛ばしながら言ったら、バイト先の景品だった安物を、そのバイト先の先輩がなんでもないようなそぶりで簡単にそれをくれたから、今ではそれをつけてからスマートフォンをいじったり、テレビをみたり、パソコンでYouTubeをみたりしている。そういう、なんでもないような、つまらないことをはじめに書くというのは、わたし自身がとりあえずはしかたのないくらいに平和だ、ということになる。

非・平和

前回の文章(平和)によりわたしは読者を失い、ここで自由になる。頭の中で、モーツァルトのアイネなんちゃらを流す。よく耳にするクラシック。軽快かつ美しいクラシックの曲に合わせて、ひとが殺されたり自殺していく映画がみたいとさえ考える。そこでわたしの恋人におすすめされたのは、時計じかけのオレンジ、という映画だった。結局、鑑賞はいまだにしていない。生きる上で必要なものを見出してからは、もう映画を鑑賞する必要はなくなったし、音楽や、たとえば絵なんかも、わたしには必要のないものとなってしまった。まあ、たしかに、たまに、息抜きなんかで、音楽をきいたり絵をかいたりはしたくなるし、他のことだっていちいちしたくなるけれど、その新しく見出すことのできた生きる上で必要なものというものがわたしの前に現れてから、わたしはいつも以上に芸術に染まることはなくなった。
わたしはさっき、読者を失い、自由になった。だから、これを書く。今のわたしの生きる上で必要なもの/生きる理由というのは、さっき言った、時計じかけのオレンジという映画をすすめてきた人物そのものだ。彼はいたって自由な人間で(おそらく、読者を失っているときのわたしよりも)、かつ、彼に対するわたしにあまり自由というものを与えない人間だった。
メンテ

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