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[8] 第五回短編コンテスト【結果発表】
日時: 2012/01/01 19:39
名前: 新短編コンテスト ID:eNBo.XXY

 あけましておめでとうございます。今年も新短編コンテストをよろしくお願いいたします。今回は2012年最初のコンテストになります。たくさんの方のご参加を待っております! 初心者の方も常連の方も、みなさんどんどん小説書きましょう!

●第五回短編コンテスト
 今月の管理者:葵

 こちらは短編コンテスト、作品投稿スレッドです。短編コンテストに参加される方はこのスレッドに作品をご投稿ください。
 執筆・投稿される前に、規約・企画説明スレッドをお読みください。
 今回は通常コンテスト回になりますので、以下に発表されるテーマを取り入れた原稿用紙20枚以内の短編を執筆するようにしてください。
 なお、ご質問等がございましたら、談話室の方にお願いいたします。

 ☆今回は初旬が冬休みということもありまして、二週間ほど早いテーマ発表となりました。発表は早めましたが、作品投稿はこれまでどおり15日からになります。万が一それ以前に投稿された場合も参加は承認いたしますが、ご遠慮いただくようお願い申し上げます。
 ☆作品提出期間は1月15日〜31日までです。余裕を持った投稿をお願いします。たくさんの方のご参加をお待ちしております!

●今回のテーマ 『ファンタジー』
 今回はテーマというより、ジャンル指定のような形になってしまうかもしれませんが。ファンタジー、大好きです。書いている間は自分が新しい世界を作っているような気持ちになれますし、読んでいる間は新しい世界を旅しているような気持ちになれます。素敵ですよね。何にも囚われず、ただ自由に書いてくださればと思います。個性的で夢のあるお話を待っております。今年最初の執筆は、ぜひ短編コンテストで!

●提出作品(敬称略)
>>2 Raise:『幽霊たまご』(13枚)
>>3 鈴一:『王語り』(6枚)
>>4 春姫:『フォンドネスドール』(6枚)
>>5 オムさん:『三キロメートルの無』(18枚)
>>6 かに:『召喚術師アラベス』(20枚)
>>7 宮塚:『ファンタジア』(20枚)

以上六名の参加を承認いたします。

>>10 結果発表
>>11-13 投票詳細
メンテ

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Re: 第五回短編コンテスト【結果発表】 ( No.12 )
日時: 2012/02/11 02:13
名前: かに(投票) ID:EhNjvu1E

これといって1位にしたい作品がなく、順位をつけるのに悩みます。
敬称略。

■ベスト1位 春姫:「フォンドネスドール」(3点)
多少の粗はありますが、物語として楽しめたのが本作なので1位です。

■ベスト2位 オムさん:「三キロメートルの無」(2点)
なんだかんだで紆余曲折なエピソードに楽しみました。

■ベスト3位 Raise:「幽霊たまご」(1点)
差し替え前なら1位でした。物語としての体はあるのでこの順位に。


以下、レビュー。自作のあとがきも含む。

>>2 Raise:『幽霊たまご』(13枚)
差し替え前の「ポップ・レクイエム」のほうが話としては面白く、完成度も高かったです。差し替えの理由は想像の域を出ないのですが、ファンタジー要素が希薄だったということでしょうか。ただし何にファンタジーを組みこもうとしているのかという意図は「ポップ・レクイエム」のほうが意欲的に感じました。
一方でこちらの「幽霊たまご」は、幽霊という単語でテーマ消化を測ろうとしているのでしょうけど、こちらもファンタジー要素は希薄なように思います。
坂の上から卵をころころ転がす、主人公はるの奇妙な習慣。なんでころころ転がしているのか、卵もったいない、と思いながら読み進める。
母の手は荒れている。主人公は冬なのに春服を着る。母子家庭。母は看護婦。卵をころがす奇妙な幽霊は、過労で死んだ看護婦だとはるは語る。夕草とGLっぽい。
幽霊に性別があるのかを考えるのは、夕草とラブラブしたい願望になるのでしょうか。卵というキーワードは性別が区別される前の生まれる前を表しているのかもしれないですね。
卵を海へ転がすのは、海もまた生死を表す単語なので、人生みたいなものなのでしょう。卵が海まで到達できれば、寿命を全うしたという私の解釈が大いに入ってしまうけれど、これでいいのかな。父を失った主人公が卵を海まで転がせれば、父は坂の上での人生上では途中で死なずに全うできたということになるのでしょう。ラストで4つ転がしたのは、主人公の分と母の分と父の分と夕草の分、かな。夕草だけ家族でないのが少しモヤモヤしていますが、坂の上だけでも夕草と家族になりたいと思っているのでしょうかね。
なんかほとんど憶測でレビューを書いていますが、もう少しキーワードを掘り下げて結びつきを強くすればよかったかと思います。父が死んだことに対する寂しさもそれほどストレートには伝わってこない。
「岸のお母さんって、あそこの病院だっけ」の質問をしている人物が誰なのかがわかりません。


>>2 Raise:『ポップ・レクイエム』(20枚)
差し替え前の作品。書いてしまったので、載せておきます。
日常生活のディティールがすごいですね。主人公の生活感がこまやかに伝わります。
父は文学部の教授だけど、先生と呼ばれるのは嫌う。代わりに「先生」と呼ぶべき人がいる。なんで先生なのかというと、主人公の家庭教師だからという目線ですね。んー、なるほど。けれどそれだけではないかもしれない。主人公と先生の絶妙な関係。先生は小説を昔書いていたけど小説家になれなかった。運、と言われるのはせつないですね。
軽い眠り、軽い音楽。軽やかでないと眠れない。先生のつらい過去から剥離された軽やかな世界がレクイエムとして癒されるのでしょうかね。読み進めると、このへんがファンタジーに暗喩しているのかも、と読みとります。
主人公は良い子を作る。人を楽しませられたら、そのご褒美に自分へチョコレートという密かなルール。受験は出題者を喜ばせる回答をしなくちゃいけない。将来の夢は医者というのも親を喜ばせるためだが、本当は小説家になりたいことを先生に告白。先生の心境の変化はここからはじまる。海に連れていったのは、現実逃避かな。先生自身が逃避したかった、これも軽やかな音楽と関連しているとも見ています。違う世界=現実逃避=ファンタジーの構造でしょうか。
二足草鞋。先生は主人公に昔の自分を重ねていたのかもしれないですね。家庭教師としてやる気をなくしたのは、トラウマのせいなのかな。酒を飲めない人が酒を飲むほどにつらい過去を思い出し、今の状況にやるせなさを感じてしまったのかなと。「だめな人間なんだよ」という台詞が先生の自虐気味な落胆を表していますね。せつないです。
先生は主人公が二の轍を踏むことを恐れている。同じようになってほしくない。
主人公は幸いにも医学部に合格した、親たちは先生を追い出し、ポップスのレクエイムだけが残された。作家になったら主人公は先生が眠れるために書きたい、小説はそもそも違う世界で軽くて逃避できるもの、それが癒しになる。ファンタジー小説を読めば先生は眠れるかもしれない、ということなのでしょうか。
ただ、ファンタジーが軽いものとされているのは疑問です。ファンタジーはポップスではなくメタルであり、もっと濃ゆーいものだと私は思っています。これは譲れません。
なのでテーマが消化されているかというと、首を横に振らざるを得ない。
話はよかったです。先生がいつか報われるといいですね。


>>3 鈴一:『王語り』(6枚)
前半パートでは王様の権力の時代。後半パートでは王様の失墜の時代。
王様とジャンヌの関係が逆転する構図ですね。軽やかな文体での小話。
王様は前半も後半も前を向いているので、役割を演じていたことに後悔はしていないのでしょう。ジャンヌが反旗を翻すことも計算済みのようですね。そうすることを望んでおり、ゆえに娘をジャンヌと名付けた。
とはいえジャンヌをWikiってみると、フランス人のよくある女性の名なんですが、ここではジャンヌ・ダルクを意味しているのでしょう。この世界でもジャンヌという名は英雄として通っているんでしょうね。
ジャンヌは姫様なのに、その権力にしがみつかない偉い人。それも国と民を思ってのことで、王様とは思想が違う。
王が富を独占していた時代は返らない。だからジャンヌは王を許さないし処刑をする、ということですかね。
王の残す言葉「無力」に何がこもっているのか、無力である自分をジャンヌの手で倒して欲しいと願っていたのかもしれません。
ラストの、「けれど、だから、いいえ、そして」はちょっと読みづらかったです。
目新しさはなく、そういうもの、とすればそれまでですね。
テーマの消化にはディティールが足りないかもしれない。西洋っぽい国があるだけでは、ファンタジー世界を表現するには物足りないかなと思います。


>>4 春姫:『フォンドネスドール』(6枚)
「機械的」って単語に違和感があります。中世の世界観なら、この語彙は使わないほうがよいです。
一人称の語りも少しぎこちないですね。
主人公とメルディは綺麗だから地下に保管して独占したいっていう王様の趣味ですかね。
その趣味に巻きこまれて、人形みたいな生活をしている。メルディは人形みたいに表情の変化が乏しいけれど、主人公よりはよほど働き者で、何もしない主人公のほうが人形という状況。昔から何もさせてくれない苦しみ。だからメルディが羨ましく思っているんですね。
メルディも綺麗なのに待遇は侍女だった。どうして逆にならなかったのかはわからず。メルディの過去も主人公と似たようなものなのでしょうかね。メルディの過去の描写もあれば、似た者同士の待遇の違いをより効果的に浮き出せたと思います。メルディが普段は無表情な理由もほしいですね。
人形みたいに着飾るだけの主人公が、はじめて「何かをやった」転機が王家の失墜。メルディを逃がすこと。捕まったけど、人形から脱して満足でしょうね。
よくまとまった小話でした。
ラストで逃げるメルディが笑みを浮かべていた理由が気になりました。これ理解できません。


>>5 オムさん:『三キロメートルの無』(18枚)
出だしにインパクトありました。便座が倒れかかったってw
掴みはいいですね。軽妙な文体でつづられる、主人公の生活の状況。田舎、牧畜、雪国、実家暮らし。アンニュイな雰囲気がいいですね。
小説を書くという行為がプロとしてなのかアマとしてなのかが気になります。ニートなのか職業としてなのか。このへんははっきりさせておきたかった。後に講義の話が出てくるけど、読む限りでは回想っぽいので学生ではない可能性も考えられます。主人公の立場がはっきりしてれば、母から菓子折りを届けに頼まれた場合の反応も、ニートだったら後ろめたいから行くとか、そういうリアクションができて生活感のディティールがより増したと思います。それにファンタジーの考察も、プロとアマでは読者に訴える説得力のレベルも違います。このへんがわからないので、読み進めても地に足が着かない状態でモヤモヤしました。
契機は発想のきっかけ、ネタみたいなものでしょうか。
車の横転というV字の転落。そして帰宅という再生。雪の中に囲まれている状況で、閉鎖的で、そこだけまるでフィクションのような、という展開。「事実は小説より奇なり」で起こった出来事をファンタジーと重ねたいのだろう、とテーマの消化を測ってるのかと読みとってます。ファンタジーは特に転落と再生が色濃いジャンルであると物語は語っている。ファンタジーの定義は曖昧ですけど、私はもっと夢があってもよいのではないかと思いますね。
メタな話ですが、メタの視点が主人公なのか筆者なのか。V字の説明は筆者視点ですし、ファンタジーの構想を練るのは主人公視点ですね。二重のメタが掛かっていると判断してます。ただこれが成功しているかは疑問で、筆者の書かれたこの小説自体が起承転結が緩く、およそファンタジーらしくないと思いました。捻くれた意見ですが、メタで挑まれると読む方も捻くれた見方になってしまいます。


>>6 かに:『召喚術師アラベス』(20枚)
久しぶりの参戦ですが、新しい短コンは何気に初参加ですね。
詰めこみすぎました。枚数ギリギリです。もっと描写をしたかったのですが、紙面の問題で極力カットしてしまいました。後半なんか酷いものです。
設定や話は気に入ってますが、枚数があれなので伝えきれなかった部分もあり、悔しさが残ります。でもしょうがないことですね。完全版を書けたら書きたいものですね。
テーマがファンタジーなので、ファンタジーらしい要素をとにかくぶちこんでみました。
国とか騎士とか魔法(ここでは術)とか魔物とか竜とかいいですよね。ファンタジーでも特にエピックものが好きです。時代の変革を書きたがるのはファンタジーに限ったことではないですけどね。
召喚の原理を妄想してたらこんな話になりました。召喚獣が人間の味方をするのはなんでだろうと思ってみたり。召喚獣はなんでいきなり現れるんだろうって考えるうちに、転送へと至りました。術のギミックを考えるのも楽しいです。
魔法という単語は世界観を考慮して避けました。「魔」って言葉にこの世界の住人たちは嫌悪感を示すので、「魔法」ではなく「術法」なのです。
あとはそれっぽい単語を並べてそれっぽくしています。固有名詞は考えるのが面倒なので、8割くらいは石の名前から拝借しました。「アラベスカート」で検索するとなんか出ますw
タイトルは相変わらずです。いいタイトルが思いつかないと、主人公の名前をつけるという癖は抜けません。


>>7 宮塚:『ファンタジア』(20枚)
あまり好きな作風ではないので、レビューを書くのが少し大変です。
冒頭のアンチョコについての説明は、この物語においてどのくらい意味があるのか判断しかねます。アンチョコという単語をはじめて知りましたが、本来は虎の巻という意味合いなんでしょうけど、ここでは意味のない文章の羅列と解釈しておきます。
この物語もメタ的なもので、主人公は意味のない文章の羅列を書いているということでしょうね。
つまりこういうスタンスなので、読み手としては困惑します。こういうスタンスが好きであればよいのですが、私には合いませんでした。
もう一段、内層に入れば悪魔が存在するかもしれないという物語が展開される。悪魔と性交したことが夢のように感じられたが、結末で「息子に会ってくる」と書かれているので、悪魔の存在や悪魔との性交は夢ではなく現実ということでしょうね。
中盤はミステリー風味で単体のエピソードとして見れば面白いですが、謎は解消されることなく、ウンコ屋が「変」だと三賀は語ったけれど何が変なのかわからずじまい、そして失踪した三賀はどうなったのかもわからずじまいで、中途半端に終わったのが残念に思えました。というよりも、悪魔で締めくくったのがミステリー風味のエピソードには合わなかったようにも思えます。
物語を構成するピースがバラバラで、不可解。これもメタで「アンチョコ」なのでしょうか。
私にはアンチョコが言い訳にも思えてきます。


総評。
ファンタジーというせっかく楽しいテーマなのに、ストレートにファンタジーな物語がないのが寂しかった。もっとみんな夢を持とうよ!
傾向としては、中世世界のテーマ消化と、メタにテーマを語る消化と、現代に不可思議要素を入れる消化の3つに分かれたかなと思います。

新短編コンテスト、参加して楽しかったです。小説って書くの楽しいです。
素敵なテーマを与えてくださった葵さんに感謝。ありがとうございました。
メンテ

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