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[8] 第五回短編コンテスト【結果発表】
日時: 2012/01/01 19:39
名前: 新短編コンテスト ID:eNBo.XXY

 あけましておめでとうございます。今年も新短編コンテストをよろしくお願いいたします。今回は2012年最初のコンテストになります。たくさんの方のご参加を待っております! 初心者の方も常連の方も、みなさんどんどん小説書きましょう!

●第五回短編コンテスト
 今月の管理者:葵

 こちらは短編コンテスト、作品投稿スレッドです。短編コンテストに参加される方はこのスレッドに作品をご投稿ください。
 執筆・投稿される前に、規約・企画説明スレッドをお読みください。
 今回は通常コンテスト回になりますので、以下に発表されるテーマを取り入れた原稿用紙20枚以内の短編を執筆するようにしてください。
 なお、ご質問等がございましたら、談話室の方にお願いいたします。

 ☆今回は初旬が冬休みということもありまして、二週間ほど早いテーマ発表となりました。発表は早めましたが、作品投稿はこれまでどおり15日からになります。万が一それ以前に投稿された場合も参加は承認いたしますが、ご遠慮いただくようお願い申し上げます。
 ☆作品提出期間は1月15日〜31日までです。余裕を持った投稿をお願いします。たくさんの方のご参加をお待ちしております!

●今回のテーマ 『ファンタジー』
 今回はテーマというより、ジャンル指定のような形になってしまうかもしれませんが。ファンタジー、大好きです。書いている間は自分が新しい世界を作っているような気持ちになれますし、読んでいる間は新しい世界を旅しているような気持ちになれます。素敵ですよね。何にも囚われず、ただ自由に書いてくださればと思います。個性的で夢のあるお話を待っております。今年最初の執筆は、ぜひ短編コンテストで!

●提出作品(敬称略)
>>2 Raise:『幽霊たまご』(13枚)
>>3 鈴一:『王語り』(6枚)
>>4 春姫:『フォンドネスドール』(6枚)
>>5 オムさん:『三キロメートルの無』(18枚)
>>6 かに:『召喚術師アラベス』(20枚)
>>7 宮塚:『ファンタジア』(20枚)

以上六名の参加を承認いたします。

>>10 結果発表
>>11-13 投票詳細
メンテ

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Re: 第五回短編コンテスト【投票最終日/未提出4名】 ( No.10 )
日時: 2012/02/11 02:08
名前: 管理者 ID:EhNjvu1E

○結果発表(敬称略)
1位 かに:『召喚術師アラベス』(6pt)
2位 春姫:『フォンドネスドール』(4pt)
3位 宮塚:『ファンタジア』(1pt)

投票未提出失格:
Raise:『幽霊たまご』(3pt)
鈴一:『王語り』(0pt)
オムさん:『三キロメートルの無』(4pt)
※全作レビューをペナルティ消化スレッドに提出しなければ、次回の短編コンテストに参加できません。

なお、今回新人賞は該当者なしとなりました。
メンテ
Re: 第五回短編コンテスト【投票最終日/未提出4名】 ( No.11 )
日時: 2012/02/11 02:10
名前: 春姫(投票) ID:EhNjvu1E

※敬称略

::Raise/幽霊たまご
 さあ感想書くぞ、と、思って開いたら、違う話になっていて吃驚しました。ポップ・レクイエムを気に入っていたので、少々残念に思いました。
 もちろんこちらの話も好きになると思います。今にも波の音が聞こえてきそうな、潮の香り漂う作品だと思います。
 主人公のはる、はるのお母さん、友人の夕草、出てくるキャラクター一人一人がちゃんと動いていて、毎回羨ましくなるほどです。
 なにより会話のテンポが気持ちよく進んでいたと思います。
 母親と友人がいることで、はるという人間の多くを見れるというか、上手く言葉に出来ずに申し訳ございません。うーん、勉強させていただきます。
 話は変わりますが、Raiseさんの小説を読むと、たまごをもう一度見直したくなります。冷蔵庫を開けて、いつものところからたまごを手にとって、しげしげと眺めたくなります。
 それに、読み終わりのあと必ず優しい気持ちになります。これからも是非、コンテストをご一緒させてくださいまし。

::鈴一/王語り
 今回で一番ファンタジーに相応しい作品だと思います。
 淡々と進めらていく文章は、すっきりと読みやすいですが、それ故に話の内容とのアンバラスを感じます。まるで映画のような話の流れでした。
 王とジャンヌの間にある確執、過去は想像するしかありませんが、そこをほんの少しでも掘り下げると感情移入しやすいと思います。
 その名はそのためにつけた、という言葉も、意味は分かるんですが深い思いまでは伝わりにくかったです。
 散々言ってしまいましたが、とても良い作品だと思います。また是非ご一緒させてください、ありがとうございました。

::オムさん/三キロメートルの無
 この作品のおかげでファンタジーが何か、という謎が解けた気がします。というより、ファンタジーをこのように使用するのは、考えもしなかったことなので脱帽です。
 実に頭の悪い感想ですが、この話は頭の良い人が書いた論文のようだと思います。
 映画化すれば面白そう、と、勝手に脳内で映像化したりしました。全体的に枯れている雰囲気が、冬の景色とよくあっていました。
 この感想を作者様に読まれるなんて、とっても申し訳ない気持ちになりますが、許しを得れたら良いと思います。
 またご一緒させてください、お疲れ様でした。

::かに/召喚術師アラベス
 面白い! 単純に面白かったです。短いながらに上手くまとまっていて、子供に読み聞かせるのにピッタリだと思います。
 主人公のキャラクターも、嫌味が無く、心根の優しさが文章から伝わってきました。竜との対話シーンが一番印象的です。
 常なら、幽閉されているのはお姫様で、ドラゴンを倒してハッピーエンド(偏見)だと思いますが、この作品はそれを覆しています。
 私はこんなお話しを書くことは出来ないので、素直に凄いと感嘆します。
 次のコンテストでも、是非作品を拝見したいです。

::宮塚/ファンタジア
 う○こを売る人間がいるとは世の中も広いなあ、と、全て読んだあとの感想とは思えない発言ですみません。
 正直夢魔よりもそっちのほうが、私にとってファンタジーに近かったです。いえ、幻想的とは間違ってもいえないので、リアリティーに欠けているという意味です。
 それは良いとして、主人公は友人を見捨てるほど薄情ではない、と言っているのに、最後さっぱり忘れているというのに驚きです。
 しかし、私もあの場で、あのような状況になったら、友人の事など昨日の夜ご飯並に忘れるのは明白です。
 とても勉強になりました、次回もご一緒したいです、ありがとうございました。

::最後に私/フォンドネスドール
 直訳で愛玩人形、だった気がします。英語なんて小学校以来、げふんげふん。
 この作品はファンタジーを何度も何度もぐぐった結果、もう訳分かんないと匙を投げ捨てて生まれた作品です。とりあえず王家とか出たらファンタジーだろ、みたいなテンションです。
 メルディ視点も書いたんですが、妹に読ませたところ「蛇足」と切り捨てられたので、吐き出し場に吐き出してきました。
 皆さんの作品の感想を書くにあたって、自分の作品の粗がよく見えてきました。見えたと言っても、それに手が届くかはまた別のお話しなので、気長に行こうと思います。
 今回も素敵な作品ばかりで、ランキング付けが憂鬱でたまりません。


※敬称略
 ▼ベスト1位 かに/召喚術師アラベス (短いながらにファンタジーを詰め込んだ作品でした!)

 ▼ベスト2位 Raise/幽霊たまご (崩れない作品が魅力的でした!)

 ▼ベスト3位 宮塚/ファンタジア (オムさんと悩んで、悩んで、インパクトの強さで決定しました!)
メンテ
Re: 第五回短編コンテスト【結果発表】 ( No.12 )
日時: 2012/02/11 02:13
名前: かに(投票) ID:EhNjvu1E

これといって1位にしたい作品がなく、順位をつけるのに悩みます。
敬称略。

■ベスト1位 春姫:「フォンドネスドール」(3点)
多少の粗はありますが、物語として楽しめたのが本作なので1位です。

■ベスト2位 オムさん:「三キロメートルの無」(2点)
なんだかんだで紆余曲折なエピソードに楽しみました。

■ベスト3位 Raise:「幽霊たまご」(1点)
差し替え前なら1位でした。物語としての体はあるのでこの順位に。


以下、レビュー。自作のあとがきも含む。

>>2 Raise:『幽霊たまご』(13枚)
差し替え前の「ポップ・レクイエム」のほうが話としては面白く、完成度も高かったです。差し替えの理由は想像の域を出ないのですが、ファンタジー要素が希薄だったということでしょうか。ただし何にファンタジーを組みこもうとしているのかという意図は「ポップ・レクイエム」のほうが意欲的に感じました。
一方でこちらの「幽霊たまご」は、幽霊という単語でテーマ消化を測ろうとしているのでしょうけど、こちらもファンタジー要素は希薄なように思います。
坂の上から卵をころころ転がす、主人公はるの奇妙な習慣。なんでころころ転がしているのか、卵もったいない、と思いながら読み進める。
母の手は荒れている。主人公は冬なのに春服を着る。母子家庭。母は看護婦。卵をころがす奇妙な幽霊は、過労で死んだ看護婦だとはるは語る。夕草とGLっぽい。
幽霊に性別があるのかを考えるのは、夕草とラブラブしたい願望になるのでしょうか。卵というキーワードは性別が区別される前の生まれる前を表しているのかもしれないですね。
卵を海へ転がすのは、海もまた生死を表す単語なので、人生みたいなものなのでしょう。卵が海まで到達できれば、寿命を全うしたという私の解釈が大いに入ってしまうけれど、これでいいのかな。父を失った主人公が卵を海まで転がせれば、父は坂の上での人生上では途中で死なずに全うできたということになるのでしょう。ラストで4つ転がしたのは、主人公の分と母の分と父の分と夕草の分、かな。夕草だけ家族でないのが少しモヤモヤしていますが、坂の上だけでも夕草と家族になりたいと思っているのでしょうかね。
なんかほとんど憶測でレビューを書いていますが、もう少しキーワードを掘り下げて結びつきを強くすればよかったかと思います。父が死んだことに対する寂しさもそれほどストレートには伝わってこない。
「岸のお母さんって、あそこの病院だっけ」の質問をしている人物が誰なのかがわかりません。


>>2 Raise:『ポップ・レクイエム』(20枚)
差し替え前の作品。書いてしまったので、載せておきます。
日常生活のディティールがすごいですね。主人公の生活感がこまやかに伝わります。
父は文学部の教授だけど、先生と呼ばれるのは嫌う。代わりに「先生」と呼ぶべき人がいる。なんで先生なのかというと、主人公の家庭教師だからという目線ですね。んー、なるほど。けれどそれだけではないかもしれない。主人公と先生の絶妙な関係。先生は小説を昔書いていたけど小説家になれなかった。運、と言われるのはせつないですね。
軽い眠り、軽い音楽。軽やかでないと眠れない。先生のつらい過去から剥離された軽やかな世界がレクイエムとして癒されるのでしょうかね。読み進めると、このへんがファンタジーに暗喩しているのかも、と読みとります。
主人公は良い子を作る。人を楽しませられたら、そのご褒美に自分へチョコレートという密かなルール。受験は出題者を喜ばせる回答をしなくちゃいけない。将来の夢は医者というのも親を喜ばせるためだが、本当は小説家になりたいことを先生に告白。先生の心境の変化はここからはじまる。海に連れていったのは、現実逃避かな。先生自身が逃避したかった、これも軽やかな音楽と関連しているとも見ています。違う世界=現実逃避=ファンタジーの構造でしょうか。
二足草鞋。先生は主人公に昔の自分を重ねていたのかもしれないですね。家庭教師としてやる気をなくしたのは、トラウマのせいなのかな。酒を飲めない人が酒を飲むほどにつらい過去を思い出し、今の状況にやるせなさを感じてしまったのかなと。「だめな人間なんだよ」という台詞が先生の自虐気味な落胆を表していますね。せつないです。
先生は主人公が二の轍を踏むことを恐れている。同じようになってほしくない。
主人公は幸いにも医学部に合格した、親たちは先生を追い出し、ポップスのレクエイムだけが残された。作家になったら主人公は先生が眠れるために書きたい、小説はそもそも違う世界で軽くて逃避できるもの、それが癒しになる。ファンタジー小説を読めば先生は眠れるかもしれない、ということなのでしょうか。
ただ、ファンタジーが軽いものとされているのは疑問です。ファンタジーはポップスではなくメタルであり、もっと濃ゆーいものだと私は思っています。これは譲れません。
なのでテーマが消化されているかというと、首を横に振らざるを得ない。
話はよかったです。先生がいつか報われるといいですね。


>>3 鈴一:『王語り』(6枚)
前半パートでは王様の権力の時代。後半パートでは王様の失墜の時代。
王様とジャンヌの関係が逆転する構図ですね。軽やかな文体での小話。
王様は前半も後半も前を向いているので、役割を演じていたことに後悔はしていないのでしょう。ジャンヌが反旗を翻すことも計算済みのようですね。そうすることを望んでおり、ゆえに娘をジャンヌと名付けた。
とはいえジャンヌをWikiってみると、フランス人のよくある女性の名なんですが、ここではジャンヌ・ダルクを意味しているのでしょう。この世界でもジャンヌという名は英雄として通っているんでしょうね。
ジャンヌは姫様なのに、その権力にしがみつかない偉い人。それも国と民を思ってのことで、王様とは思想が違う。
王が富を独占していた時代は返らない。だからジャンヌは王を許さないし処刑をする、ということですかね。
王の残す言葉「無力」に何がこもっているのか、無力である自分をジャンヌの手で倒して欲しいと願っていたのかもしれません。
ラストの、「けれど、だから、いいえ、そして」はちょっと読みづらかったです。
目新しさはなく、そういうもの、とすればそれまでですね。
テーマの消化にはディティールが足りないかもしれない。西洋っぽい国があるだけでは、ファンタジー世界を表現するには物足りないかなと思います。


>>4 春姫:『フォンドネスドール』(6枚)
「機械的」って単語に違和感があります。中世の世界観なら、この語彙は使わないほうがよいです。
一人称の語りも少しぎこちないですね。
主人公とメルディは綺麗だから地下に保管して独占したいっていう王様の趣味ですかね。
その趣味に巻きこまれて、人形みたいな生活をしている。メルディは人形みたいに表情の変化が乏しいけれど、主人公よりはよほど働き者で、何もしない主人公のほうが人形という状況。昔から何もさせてくれない苦しみ。だからメルディが羨ましく思っているんですね。
メルディも綺麗なのに待遇は侍女だった。どうして逆にならなかったのかはわからず。メルディの過去も主人公と似たようなものなのでしょうかね。メルディの過去の描写もあれば、似た者同士の待遇の違いをより効果的に浮き出せたと思います。メルディが普段は無表情な理由もほしいですね。
人形みたいに着飾るだけの主人公が、はじめて「何かをやった」転機が王家の失墜。メルディを逃がすこと。捕まったけど、人形から脱して満足でしょうね。
よくまとまった小話でした。
ラストで逃げるメルディが笑みを浮かべていた理由が気になりました。これ理解できません。


>>5 オムさん:『三キロメートルの無』(18枚)
出だしにインパクトありました。便座が倒れかかったってw
掴みはいいですね。軽妙な文体でつづられる、主人公の生活の状況。田舎、牧畜、雪国、実家暮らし。アンニュイな雰囲気がいいですね。
小説を書くという行為がプロとしてなのかアマとしてなのかが気になります。ニートなのか職業としてなのか。このへんははっきりさせておきたかった。後に講義の話が出てくるけど、読む限りでは回想っぽいので学生ではない可能性も考えられます。主人公の立場がはっきりしてれば、母から菓子折りを届けに頼まれた場合の反応も、ニートだったら後ろめたいから行くとか、そういうリアクションができて生活感のディティールがより増したと思います。それにファンタジーの考察も、プロとアマでは読者に訴える説得力のレベルも違います。このへんがわからないので、読み進めても地に足が着かない状態でモヤモヤしました。
契機は発想のきっかけ、ネタみたいなものでしょうか。
車の横転というV字の転落。そして帰宅という再生。雪の中に囲まれている状況で、閉鎖的で、そこだけまるでフィクションのような、という展開。「事実は小説より奇なり」で起こった出来事をファンタジーと重ねたいのだろう、とテーマの消化を測ってるのかと読みとってます。ファンタジーは特に転落と再生が色濃いジャンルであると物語は語っている。ファンタジーの定義は曖昧ですけど、私はもっと夢があってもよいのではないかと思いますね。
メタな話ですが、メタの視点が主人公なのか筆者なのか。V字の説明は筆者視点ですし、ファンタジーの構想を練るのは主人公視点ですね。二重のメタが掛かっていると判断してます。ただこれが成功しているかは疑問で、筆者の書かれたこの小説自体が起承転結が緩く、およそファンタジーらしくないと思いました。捻くれた意見ですが、メタで挑まれると読む方も捻くれた見方になってしまいます。


>>6 かに:『召喚術師アラベス』(20枚)
久しぶりの参戦ですが、新しい短コンは何気に初参加ですね。
詰めこみすぎました。枚数ギリギリです。もっと描写をしたかったのですが、紙面の問題で極力カットしてしまいました。後半なんか酷いものです。
設定や話は気に入ってますが、枚数があれなので伝えきれなかった部分もあり、悔しさが残ります。でもしょうがないことですね。完全版を書けたら書きたいものですね。
テーマがファンタジーなので、ファンタジーらしい要素をとにかくぶちこんでみました。
国とか騎士とか魔法(ここでは術)とか魔物とか竜とかいいですよね。ファンタジーでも特にエピックものが好きです。時代の変革を書きたがるのはファンタジーに限ったことではないですけどね。
召喚の原理を妄想してたらこんな話になりました。召喚獣が人間の味方をするのはなんでだろうと思ってみたり。召喚獣はなんでいきなり現れるんだろうって考えるうちに、転送へと至りました。術のギミックを考えるのも楽しいです。
魔法という単語は世界観を考慮して避けました。「魔」って言葉にこの世界の住人たちは嫌悪感を示すので、「魔法」ではなく「術法」なのです。
あとはそれっぽい単語を並べてそれっぽくしています。固有名詞は考えるのが面倒なので、8割くらいは石の名前から拝借しました。「アラベスカート」で検索するとなんか出ますw
タイトルは相変わらずです。いいタイトルが思いつかないと、主人公の名前をつけるという癖は抜けません。


>>7 宮塚:『ファンタジア』(20枚)
あまり好きな作風ではないので、レビューを書くのが少し大変です。
冒頭のアンチョコについての説明は、この物語においてどのくらい意味があるのか判断しかねます。アンチョコという単語をはじめて知りましたが、本来は虎の巻という意味合いなんでしょうけど、ここでは意味のない文章の羅列と解釈しておきます。
この物語もメタ的なもので、主人公は意味のない文章の羅列を書いているということでしょうね。
つまりこういうスタンスなので、読み手としては困惑します。こういうスタンスが好きであればよいのですが、私には合いませんでした。
もう一段、内層に入れば悪魔が存在するかもしれないという物語が展開される。悪魔と性交したことが夢のように感じられたが、結末で「息子に会ってくる」と書かれているので、悪魔の存在や悪魔との性交は夢ではなく現実ということでしょうね。
中盤はミステリー風味で単体のエピソードとして見れば面白いですが、謎は解消されることなく、ウンコ屋が「変」だと三賀は語ったけれど何が変なのかわからずじまい、そして失踪した三賀はどうなったのかもわからずじまいで、中途半端に終わったのが残念に思えました。というよりも、悪魔で締めくくったのがミステリー風味のエピソードには合わなかったようにも思えます。
物語を構成するピースがバラバラで、不可解。これもメタで「アンチョコ」なのでしょうか。
私にはアンチョコが言い訳にも思えてきます。


総評。
ファンタジーというせっかく楽しいテーマなのに、ストレートにファンタジーな物語がないのが寂しかった。もっとみんな夢を持とうよ!
傾向としては、中世世界のテーマ消化と、メタにテーマを語る消化と、現代に不可思議要素を入れる消化の3つに分かれたかなと思います。

新短編コンテスト、参加して楽しかったです。小説って書くの楽しいです。
素敵なテーマを与えてくださった葵さんに感謝。ありがとうございました。
メンテ
Re: 第五回短編コンテスト【結果発表】 ( No.13 )
日時: 2012/02/11 02:14
名前: 宮塚(投票) ID:EhNjvu1E

 みなさんこんにちはこんばんはおはようございます。
 宮塚です。久しぶりのコンテスト参加でした。
 まずは投票から。

1位 かに:『召喚術師アラべス』
2位 オムさん:『三キロメートルの無』
3位 春姫:『フォンドネスドール』

Raise:『幽霊たまご』
 とりあえずひとつだけ言わせてください。
 女の子かわいい! なんでさ、こんなに女の子かわいく書けるんだろ。秘策を教えてください←
 それはさておき。幽霊たまごって題名、インパクトあるよね。坂の上からたまごを転がす習慣を持ちながらも、友達にはそれは「幽霊の仕業」だと話すはるちゃん。はるちゃんがたまごを転がす理由は何なのだろう、と考えると幽霊のことを持ち出していたりするし、寂しさからなのかな、と僕は読んだ。最後にたまごを転がすことをやめたはるちゃん。ずうっと続いたその習慣をやめたのはたまごが海についたからだろうか、それとも母のおかげだろうか。なかなか面白い小説だと思ったのだけれど、急いで書いたからなのかそもそも設定がぶれているように感じます。正直、わかりづらい。文章はいつも通りキレイだし、ほんわかとしたドラマみたいな雰囲気は嫌いじゃないのだけれど、ちょっと練りが足りなかったかな。それとファンタジーのテーマに何か掠ってはいるのだけれど、でも消化はしきれてないんじゃないかな、というのも痛い。Raiseんなら20枚という括りの中でももっと面白いものを書けたと思うんだけど。そんな感じで次点です。

鈴一:『王語り』
 「その名は、そのためにつけたのだから、な」のフレーズが印象強すぎて、ジャンヌという名前に何か物語上の暗喩でもあるんだろうか? とか頭ひねって考えたんですけど、だめでした。ただわからないにもわからないなりに印象づけちゃう強引さはまあいいよなあ、と変に感心したりもする。
 愚かな王をその息子・娘が倒す。かなりベタな展開で、ファンタジーというテーマも消化しているのだけれど、流石にわかりやすすぎると思う。確かにまさに王道のファンタジー展開なのだけれど、そういう展開を紡ぐときというのは何かしらのエッセンスがほしい。そのエッセンスがこの作品では弱すぎた。小説に成る前のプロットを読まされている感覚、というか色のあるリアルな情景を浮かべることができなかったです。

春姫:『フォンドネスドール』
 閉じ込められた姫君。とこれもにやにやするほど“ファンタジーな話”ですよね。ただ題名には考えさせられた。
 フォンドネスドール。溺愛人形といったところでしょうか。主役たる地下に閉じ込められた女がそれなのだけれど、女につくメルディはラスト、その女にお人形のように扱われる。話も文章もすごく荒削りなのだけれど、その物語に意味を持たせようとする意図がすごく好印象で、なんだか今後の作品を見るのが楽しみに思わせてくれました。……なんで上から目線(笑) さらりと読むと流しちゃうけど、主役の女(メルディは影の主役かしら)すごいと思うんだよね。産まれてから村に住んでいるときから王様に気にいられて地下に閉じ込められなくたって、この女はひとりで生きて行くことはできなかった。それどころか他人にアクションを起こすことなんかほとんどできないだろう。いつまでも受動態の人生。しかも王家が滅んでもちゃっかりそこでは生きていられてる。どんだけ美人なんだろう。一目みたい。しかし、その女が最後自分の意思でメルディを逃がす「人生初の大仕事」をしでかす。こうした人物設計にプロットの丁寧さを感じました。や、全体的に荒削りなんだけども。これはもっとうまく描写すればいい物語になる。そういう面を考慮しての三位です。面白かった。

オムさん:『三キロメートルの無』
 ファンタジーについて語る物語、ってその発想はなかった。
 確かに。人文学部のレポートでも読まされてんのかと思ったけど、この切り口は面白いと思う。それだけでこの作品は三位以内にはいれよう、と思えました。実際その発想だけじゃなくて、それを読ませる話も書けていますし。
 僕はオムさんの作品をはじめて読んだのですが、相当ひねくれた方なんじゃないかと思いました。テーマの消化方法もそうだけど、文章の書き方も何か素直じゃない(笑) 物語は殺人的なまでに退屈な日曜日の昼にはじまり、殺人的なまでに退屈な月曜日の昼に終わる。いつまでも退屈じゃねーか。起こることは観察されたことでしかない、って量子論じゃないんだから。とはいえそのことばは(書き手が描写する以外には)全く観察されることなかった車の事故にかかっているような気がして鼻で笑えない。
 情景描写からファンタジー概論、ファンタジー概論から情景描写、展開というより文章そのものがめまぐるしく変わっているのだけれど、なぜか切り替えはそんなに苦に感じずに読める。小説ならではの表現方法でしっかり魅せてくれるその手法には脱帽
 ところで作品内に作家志望の父親が(冗談かもしれないけど)、息子の本だなから本読みの傾向を当てるシーンがありますが、ほんと人の本棚で性格わかりますよね。僕の正直な本棚はあまり見せたくない!← 

かに:『召喚術師アラべス』
 今回のコンテスト作品の中で一番「ファンタジーを読ませてくれた」と思ったのがこの『召喚術師アラべス』です。一番今回のテーマを消化していた。短いながらもこんなにも世界観を語ることができるんだな、と感心しました。そうですね、20枚で語ろうとするとこれくらいが限度、ちょうどいい気がします。たかが20枚でファンタジー世界の歴史を雄弁に語る。全体的に話のバランスがよかった。本当にちょうどよかった。自分にかにさんの爪の垢を煎じて飲ませたい。
 魔法、ドラゴン、魔物、召喚、オーラ、ワープ、オカリナ、剣士。話の材料は他作品と同じで王道のファンタジーなんだけど、独創的にしかも無理なく料理できている。完成度が高い文章とは言い難いのだけれど、しっかりと物語を読ませる力があって、本当にすごいなあ、と思いやした。主人公に立ちはだかる父親とか、ラブロマンス繰り広げる女性キャラとかもう王道でしかないんだけどやっぱ王道面白いんですよね。とはいえ贅沢を言えばもっと捻ったものが見たかったなあ、と思ったりもする。欲張りです。


 今回、ファンタジーという単語から連想したのは“中二病”でした。じゃあ中二病世界のファンタジアをまじめに書いてみよう、と思ったらあんな作品に。題名はもっと捻るべきだったと今更思う。20枚ってこんな短かったっけ!? と久しぶりの推敲にての取捨選択に戸惑いながらも(結局できてない)、なんとか完成させることができました(でも〆切過ぎてる)。
 ただやっぱり〆切があって、レビューという枷もあって、と楽しかったですね。また参加したいなあ、という気分になります。それでいつも失踪するのだけれど(笑)
メンテ
Re: 第五回短編コンテスト【結果発表】 ( No.14 )
日時: 2012/02/11 02:22
名前: ID:EhNjvu1E

(総評)
 投票未提出3名と、大変残念な結果になってしまいました。投票締切日のお知らせが不十分だったでしょうか。
 ど真ん中のファンタジー作品が少なく、もう少し弾けても良かったんじゃないかなと思ってしまいます。しかし、しっかりと文章を書かれる方が多く、どの方の作品もとても読みやすかったです。20枚という字数制限に苦しまれている方や、提出期限に余裕を奪われて苦心された方も多かったのではないかなと思います。制限がある中でどこまで書けるのか、難しいことですが書く前にある程度見通しを立てることが必要なのかもしれませんね。何はともあれ、平均レベルは高く、楽しませて読ませていただきました。参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。よろしければこれからもご参加ください。
 また、今回投票を提出できずペナルティを受けることとなってしまった参加者の方、旧コンテストとは違いペナルティを消化せずとも次々回からの参加が可能ですので(もちろん消化できそうなら消化してくださいね!)、どうかこれに懲りずに、またの参加をお願いします。

(全作レビュー)
>>2 Raiseさん:『幽霊たまご』(13枚)
いつどの作品を読んでもRaiseさんの作品はRaiseさんらしいですね。今回もそれを強く感じました。
高い文章の技術はもちろん、散りばめられた要素の数々や、一つ軸となる小道具を用いて話を展開させていくのが、らしさを感じる要因なのかもしれません。毎度レベルの高さを感じます。
細部まで作り込もうとする意気は十二分に感じられたのですが、しかし今回は少し薄味だったんじゃないかなと感じてしまいました。
時間の関係もあったのかもしれませんが、いつものRaiseさんのお話は一見ばらばらに見える様々な要素が実は一つに繋がっていて、いつもそれに感心するのですが、今回はなんだかまとめきれず方々に拡散したまま終わってしまったような気がします。
抽象的な言い方になってしまってすみません。そして、私が読みきれていない部分も多分にあると思います。ごめんなさい。
もう一つ、ファンタジー要素が薄かったかなと思いました。Raiseさんのファンタジーが好きなだけに、そう思ったのでしょう。タイトルはいつもどおりすばらしかったです。

>>3 鈴一さん:『王語り』(6枚)
読みやすい文章で淡々とリズムよく進んでいくお話でした。前半と後半の対比といい、省略された文といい、なにやら詩的ですね。
全部書き切らないで想像させるというのは、良くもあり悪くもありだったと思います。雰囲気としては良かったのですが、少々物足りなく感じる部分もがありました。
特に王とジャンヌの関係だとか、ジャンヌの決起の背景だったりとか、もう少し書き込んで組み立てて欲しいなと思います。作りこんで欲しかった。
また、ほぼ波がなくテンポもシーンも固定されていたのは惜しいと感じました。どうせならもっと色々な場面を読みたかった。
ジャンヌが格好良かったです。それだけに、もっと彼女に関して掘り下げてほしかったです。最初の食事のシーンの緊迫感、すごいですね。引き込まれました。

>>4 春姫さん:『フォンドネスドール』(6枚)
短いお話でしたが、囲われる「私」の空虚感が痛切に伝わってきました。どこか朴訥とした彼女の語りで静かに物語が進んでいくのも、魅力を増すのに一役買っていたと思います。
最初の段落のたった三行で、手早くかつ分かりやすく状況を説明していたのはすばらしかったです。すぐに頭に舞台を想像することができました。
欲を言うなら、形だけが煌びやかな外と物足りない「私」の様子をもう少し派手に落差をつけて書いたら、虚しさを増すのに効果的だったかもしれませんね。
それから、枚数にも時間にも余裕があったようなので、もう少し書き込んで欲しいなと感じる部分もありました。メルディ然り、ラスト然り、そして「私」の寂しい生活も。ただのわがままです。
まだまだ広げられる可能性を感じる作品だっただけに、もっと読みたいと考えてしまったのだと思います。このままでも十分面白かったのですが。

>>5 オムさん:『三キロメートルの無』(18枚)
センスの効いた小気味良い文章が素敵で、とんとん前へ前へ読ませてくれます。冒頭もいいですね。ぐいっと引き込まれました。
状況や情景が分かりやすい描写で、今どこで何が起こっているのかが鮮明に目の前に浮かんできました。上手いです。
終盤に『ファンタジーの起承転結を収めきるのに二十枚で足りるかどうかが気になる。私はそれが気になってまだ何も書き出せずにいるような気がする。』とありますが、空想と現実とを後者に寄りながらも微妙なラインで書かれていたのは、そのあたりが原因なのでしょうか。
若干どっちつかずになってしまった感じがしたのがもったいなかったかなと思います。少々話が行ったり来たりしていて、どこか考えながら書いたという印象を受けました。
ファンタジーというテーマを違った面から料理しようというのはとても面白かったです。
『三キロメートルの無』という言葉には、色々想像をかきたてられました。いいタイトルですね。

>>6 かにさん:『召喚術師アラベス』(20枚)
ものすごく驚きました。たった20枚でここまでのファンタジーが書けなんて、思ってもみませんでした。とても面白かったです!
設定もそうですし、ストーリー展開もそうですし、細部まで凝っていて何から何まで本当に楽しめました。とてつもない密度。
特にキャラクターの使い方が非常にうまかったのが印象的です。シベック、ネグロ、そしてペルリーナ。みんな存分に使いこなしていらっしゃいました。
展開も次から次にリズミカルで飽きさせず、わくわくしながら読めました。何度読んでも楽しめます。本当に面白いです。
一つだけ、これはもう文字数の関係で仕方ないことですし、かにさんも仰ってますが、最後ペルリーナが迎えに来てくれたところはもうちょっと読みたかったかなと思います。
ドラゴンの設定がよかったです。色々この短編だけで終わらしてしまうのがもったいないなと感じてしまうほどの作品でした。ご馳走様でした。

>>7 宮塚さん:『ファンタジア』(20枚)
中盤が面白かっただけに、導入と最後が惜しい作品でした。導入は少々重くて入りにくかったですし、逆に最後は文字数の関係と時間の関係もあるでしょうけれど、物足りない感じがしました。
『去年のことだ』の前の文章はもう少し間引いてもよかったんじゃないかなと思います。そして駆け足になってしまった終盤に文字を割いてほしかったなと思います。
中盤のストーリー展開は面白くて、ぐいぐい引き込まれました。本当に、ここからをもっと書いて欲しかったなと思います。
最初に悪魔をほのめかせておいて、ずっと出てこないまま終盤まで書いて、そこで再びもってくるという形はとても良かったと思います。ちょうど忘れていた頃だったので、効果的でした。
あとはタイトルをもう少しひねってほしかったかなと思います。こちらも時間に急かされていたのでしょうか……。

●反省会
明日、2月12日(日)20時から、コンテストチャットにて開催します。よろしければご参加ください。
メンテ

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